【ひょっこり猫で親と遭遇】
今回の登場人物:
○ブログ管理人ラクト

○魔族のルビリアナ・レット・クロウ

○恐竜の卵から孵ったあゆさん
○同じく、恐竜の卵から孵った玲君
――はじまるよ!

「確かこっちだったと思うのよね~~」

「はあ、ふう、まだ~~?」

「たまには外出て、運動しなさいよ。冬眠中のクマみたいよ、ラクトってば」

「え、クマ・・・しょうがないじゃん、外は寒いんだし」
今日はあゆさん達の親を探しに、ひょっこり猫島を散策中のメンバー。
ひょっこり島とは何ぞや? という人の為に、少しご説明します。
ラクトが創り出した、都合の良い世界『ひょっこり猫島』とは、今の所グループ別されてあると解釈してくれた方が良いです。という事は、“何かのテーマに沿った物語が書きたくなった時、都合良く現れ“増殖する”、“何でもアリ”の島と割り切って読んでくれた方が良いでしょう。
“何でもアリ”の設定・・・それはひょっこり猫のブログでも当てはまる事をご理解下さい。
ひょっこり猫は何でも出来るハズなので、これからも何でも出します。
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緑色の平原に、水を飲める場所がありました。湖です。
そこでメンバーは腰を落とします。

「親は居ないね――。どこ行っちゃったのかな」

「この子達の事を諦めるとか、そんな事は無いと思うんだけどね」

「出来れば穏便に済ませたいな・・・てか、自分の子供を雪ウサギに変えられちゃ、親は黙ってないんじゃ・・・?」
ズン・・・
ズズン・・・

「「ルビリアニャちゃん、私の体が振動しまする」」

「「私もよ。そしてラクトの体も、面白いくらい揺れてるわよ」」
振動が響く度に、ぼよんぼよんと雪ウサギの体が揺れる。
もっとも深く響いた時、大きな恐竜が出現した。
ギャオオオオッ

「ギャ―――ッ!」

「あらまあ、大きい事・・・」
何を悠長な事を。
ラクトの体は竦み、隣に居るルビリアナちゃんは目を細めて微動だにしない。
強固そうな体、獰猛そうな瞳、口から出る涎、鋭そうな爪を持つ恐竜は、私達の姿を視界に写すと一歩一歩近づいて来た。鼻を近づけて、匂いを嗅いでくる。
クンクンッ

「ル、ルビリアニャちゃん、確か動くなだったよね? ジュラシッ○パークだよっ」

「フフッ、ラクトってば、よく覚えてたわね。でも、もう遅いわよ。
だってラクトってば、思いっきり悲鳴上げてたじゃない」

「神しゃま――――!」

「紅石に宿りし熱炎、言霊(ことだま)にのせて炎を解放せよ――・・・」

「ちょ、魔法を唱えようとしていらっしゃる!?」

「エンカ――・・・」
大きな口から、幾えもの鋭い牙とお目見え。
容赦なく噛み千切られそうになった時、頭の上に軽い重みを感じた。
「キュ―――ッ!」
「キュキュ―――ッッ!!!」
「!?」
あゆさんと玲君が、果敢にも恐竜に立ち塞がっていた。
驚いた恐竜は目を丸くして、また匂いを嗅ぎ始める。
「キュ―――・・・」
「キュオ―――」
「グル・・・グルルル・・・」
嗅ぎ終えた恐竜は、しきりに二人に舐め始める。
もしかして、この恐竜は・・・

「二人の親だったんだ」

「そのようね」
雪ウサギの姿となっても、自分の子供が分かったのだ。
さっきまでの獰猛な瞳は一転し、深い愛情が感じられる。
自らの舌で、何度も彼らの体を舐めているのだ。

「本物の親には、敵わないか・・・」

「ルビリアナちゃん?」

「ねえラクト、ラクトも私たちの事、ちゃんと想ってくれてる?」

「・・・もちろんだよぉ。リオもガウラも王様、ゼル、ハーティス、ソルトス王子・・・ルビリアナちゃんも大好きだよ」

「ありがと。訊いといて何だけど、やっぱり照れるわ。
・・・はーあ・・・ひょっこり猫で、この子達を育てられると思ったんだけどな」

「ルビリアナちゃん?」

「やっぱり止めとく。だってこの子達、凄く嬉しそうだもん」
「キュ―――」
「キュウウウ――」

「親と引き離しちゃってゴメンね。
雪ウサギの変身は、しばらくすると元に戻るようになってるから」

「あゆさん、玲君、お母さんと元気でね―――!!」
親と再開した二人の雪ウサギ。
彼らから離れて、ラクトとルビリアナちゃんは家路に着くのでした。
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「ルビリアナちゃんも、大人になったね――」

「どっかの誰かさんが子供っぽいから、私がしっかりしなきゃって思うのよ♪
さあラクト、また面白い事を探しましょうね」

「う、うん・・・?」

「平凡なラクトには、私が居なきゃダメなんだからっ!
面白い事も、楽しい事も、これからはずっと私と一緒に過ごすのよ」

「うんっ! よろしくね」
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あゆさんと玲君が出てくる話も、一応は終わる事が出来ました。(短すぎ?) 話を作った本人としては、安心しましたです。
というわけで今日のひょっこり猫はここまで!! シーユーアゲインッ