今日のリオとガウラは一味違います。何故かというと・・・

「やっほー、リオ。元気ぃ??」

「あ、リャクトぉぉ・・・」

「どう、久しぶりの生身の人間は?」

「やっぱり自分の体が一番だよ~~・・・とは言うものの」
ちらりと視線を移すと、人間版リオを両手で抱き寄せる守護獣ガウラが居ました。
彼はスリスリと頬を寄せ、何度も何度もキスをしています。リオの匂いを嗅いで、肺の中に空気をいっぱい取り込もうと何回も繰り返していました。

「ガウラが昨日から全然離してくれないんだよぉ~~」

「リオ~~

好きだ、好きだ、愛してる・・・」

「あはは・・・そりゃ、リオがいつも猫だからねぇ。ガウラの枷が外れたんじゃない?」

「ムッ、桃源郷の話を思い出したっ! あの時の二の舞は御免だからねっ」

「リオ、リオ~~

」
リオの頬にベロリと舌を這わせて、美味しそうに味わっているKY<空気読めない>ガウラ。何度も舐めてるから、リオの顔が涎でドロドロしている。

「フフっ・・・ガウラ、いい加減離してよ。折角ひょっこり猫で私が人間になれたのに、これじゃあ何も出来ないじゃんか!」

「何かをするなら、代わりにオレがする。トイレもお風呂も一緒に・・・ぐっ!」
スパッ、スパンッ、スパパンッ!!
雪ウサギラクトのハリセンが炸裂した。
一撃、二撃、三打撃と上下から、ガウラの無防備な頭頂部にクリティカルヒットする。
打ち終えたラクトは、珍しく目を細めて威嚇していた。

「お前・・・いきなり何をするんだ」

「イキナリじゃねーだろ。ひょっこり猫で卑猥な行動は慎めや。このヴォケぐわっっ」

「リャ、リャクトの言葉がヤーさん並みになって来たよ・・・」
ラクトに睨み付けられたKYガウラはビクともしないで、それでもリオを離さない。
つんと顔を背いても、両手だけはガッチリと組んだままだった。

「まあリオが人間なのは、ひょっこり猫での限定だけだからね。リオが猫に戻るまで、存分に味わっておきなよ」

「は、はあ―――っ?? 助けてくれるんじゃないの??」

「今日のラクガキ絵、ホワイトデー用に描いたんだよぉ
だからホワイトデーが過ぎるまで、リオには人間で居てもらおっかな――――・・・なんて」
それを聴いたガウラは、舌舐めずりして笑顔で返す。
ガウラの端正な顔を間近で見たリオは一瞬惚けたが、後に放たれる言葉で泣きそうな顔になっていた。

「リオ、今日はまだ八日だ。十四日まで余裕があるぞ。それまではオレ達で愛を深め合おうな


」

「ニャニャン・・・、あ、つい癖で。。てか、六日もあるじゃないか!!
ちょっ、ちょっとおぉ――――!!!!」
ガウラはリオを横抱きにして、自分たちの住む愛の巣に帰って行った。
合唱。チ――――ン・・・
【リオとガウラのホワイトデー (終)】
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