石川久遠の「日本人なら知っておきたい信実」

「陰謀論」とは「陰の謀(はかりごと)を論じる」ものであり「妄想論」とは異なる。虚心坦懐に見詰め直せば、真実は見えてくる。

政治家が無能なら国民が動け、コロナショックと同時に迫る危機

2020-05-15 23:14:13 | 日記
本題に入る前に、日本国民に声を大にして警告したい。日本国民が事の本質や重大性に気付かぬうちに、安倍政権がどれほど身勝手で売国的な政策を繰り出し続けてきたか? 平然と国を売り、最優先に護るべき国民生活を犠牲にして、口先とパフォーマンスを駆使して騙し、自己保身を優先して国策を誤り続けてきたか? そして今しも嘘をつき続けて己れが負わせた我が国の傷口に塩を擦り込み、これからも裏切り続けてこの大切な日本を破滅に追い込もうとしているという事実! …これだけは同じ日本国民として看過できない。私にできるのは全身全霊を傾けて日本国民に安倍政権の罪を告発する事、精々その程度しか個人にはできない。日本経済新聞社とテレビ東京が8~10日にかけて実施した世論調査によると、安倍内閣の支持率は3月の48%より1ポイント上がって49%と微増してほぼ横這いだという。他社の世論調査でもほぼ同様な結果が出ている。さすがに感染症対策に対する不支持率は40%から55%と増えたものの、未だに約半数の国民が安倍政権を支持しているというのは深刻な病である。新聞やテレビのワイドショーに惑わされて日本国民の半数が真実から隔離されている。私はそういう半数近くの人々を情弱(情報弱者)だなどと責めるつもりはない。騙す方が悪いに決まっているからだ。日本のマスメディアは、安倍政権を批判するふりをして、国民を騙し国を売る犯罪に加担してきた。検察庁の定年延長法案に紛れ込ませた安倍政権の良からぬ企てを火事場泥棒と騒ぐなら、マスメディアは何故「種苗法改正」に異議を唱えない? 記者や編集委員の目は節穴なのか!

どうしてこのような惚けた社会になってしまったのかについては、今回の投稿では論じ切れないが、当ブログはこれからも私が正しいと信じるところを発信し続けていきたい。かく云う私も「戦後レジームからの脱却」をスローガンに登場した第一次安倍内閣を支持した。下らぬイチャモンを付けられて下野した後に再起した第二次安倍内閣の初期も支持し続けた。私が安倍晋三の裏切りに気付いたのは、実際に平然と下した売国的政策を目の当たりにしたからである。その売国政策に多くの日本国民は気付いていない。「デフレ脱却」も政権初期から政治課題として本気で取り組むと言い続けてきたが、7年目にして未だ「デフレ脱却」を目指すとはよく言えたものである。任期いっぱいまで首相を務めると安倍晋三の首相在任期間は3567日となり、10年弱となる。この長期間、「戦後レジームからの脱却」と「デフレ脱却」に逆行する政策を続けているのだから、支持する国民は理解不能としか思えない。 安倍晋三の政策に対する批判については次回以降、具体的に論じていくつもりである。これは何度言い続けても言い過ぎという事はない。何年も前からTwitterやFacebookでも発信していたが、両SNSの運営会社の検閲が日々厳しくなり、核心に触れる投稿は過去に遡って削除され、度々アカウントが凍結されてしまうという理不尽に私は嫌気がさしてSNSでの発信はやめてしまった。ブログは特定の話題に関しては知らぬ間に削除されてしまう場合もあるが、アカウント停止とか凍結という力業(ちからわざ)でねじ伏せられた経験は今のところはない。併し、いつ何どき妨害工作に遭うか分からないので、先月末から念の為にlivedoor BlogとGoo Blogに同じ内容の投稿を始めた。

今、日本国民を苦しめているのは「新型コロナウイルス」(COVID-19)だけではない。コロナも確かに怖いが、コロナそのものより「経済的補償なき社会活動自粛要請」に、仕事を奪われ、住まいを奪われ、生きる為に必要な食事すら奪われてしまうと言う切実な生活不安に苛まれる方が怖いではないか? 日本国民を絶望の淵に追い込み、多くの自殺者を出す事も辞さないという安倍政権は本当に恐ろしい。先進国の中で唯一、「経済的見殺し政策」を続ける安倍政権はコロナより余程恐ろしいのである。「新型コロナウイルス(COVID-19)禍」は、日本国民の無関心が育ててしまった怪物ともいえる政治家や官僚に日本国民が見捨てられる、謂わば自業自得とも言える現実を見せ付けているのである。国に見捨てられ野垂れ死ぬか自ら命を断つところまで追い込まれる国民より、一時の経済的苦境など痛くも痒くもない一部の富裕層や、富裕層でなくとも何とか生き延びる術を持つ国民の方が多いのだろう。併し、曲がりなりにも文明社会に生きながら、数万人・数十万人という自殺者を出してしまうのも辞さないというのは、政治が余りにも冷酷非道であるという証である。藤井聡 京大教授は安倍政権の無策による自殺者数を年間14万人から26万人と推計している。それだけの自殺者を出すという推計が正しければ、自殺をギリギリで思い止まると言う苦しみを味わう統計に現れない数の国民が途轍もなく大勢いる事を意味する。平然と、或いは普通に暮らせている日本人は、生活不安に悩み想像を絶する苦しみの果てに絶望し死を選ぶ日本人がいるという現実を忘れてはいけない。

これは安倍政権による歴史的汚点となる「棄民政策」である。普通に考えれば既に見えている筈の悲惨な結果に対して、打つ手があるのに何も対策を講じないのは、安倍政権が意図的に国民を見殺しにするつもりだからである。政治家たち、或いは官僚たちも、始めは高い志を持っていたのかも知れないが、今は徹底的に腐り切っているとしか思えない。利権に群がり賄賂で肥え太る、或いは幾つもの天下り先を確保して一般国民には一生かけても手の届かないような優雅で贅沢な生活を確保する。その行為が大して問題視される事もなく、やがては当たり前の役得になって、政治家・官僚たちは自分たちの特権を当然視し、恰(あたか)も自分たちが貴族であるかのような錯覚をしているとしか思えない振る舞いをしている。その実態を国民に伝えるべきマスメディアも一般の企業に比べて法外な高給取り(NHKの平均年俸は1,800万円程度)であるから、国民に真実を報道しない。そういう問題点に国民が気付いていないとしたら、それこそ国民の無関心が今の惨状を許していると言えはしないか? 例え野放しであっても、政治家たる者、将来のビジョンを提示する役割を負っている。だから現下の惨状に対して正しい対策を講じると同時に、並行して中長期的な未来を明確に描いて見せなければならない。このような正論が一顧だにされないなら、日本国民は地獄をみるだろう。

今回は、抽象論ではなく建設的な具体論を投稿すると前回投稿で約束したので、その点を心懸けて論を進める。「COVID-19ウイルス」の世界的大感染を契機に次々と引き起こされる国民生存に関わる国際環境の変化の一つについて明らかにしたい。今年(2020年)4月1日、FAO(国連食糧農業機関)、WHO(世界保健機関)、WTO(世界貿易機関)の国連三機関の事務局長が共同声明を出した。「各国のCOVID-19ウイルス感染症 封じ込めの為の行動が、食料供給に影響を与えないよう、輸出制限などの処置をとらずに協調する必要がある。食料品の入手可能性への懸念から、輸出制限の畝(うね)りが起きて国際市場で食料品不足が起きかねない」…と世界的食糧危機突入への警鐘を鳴らしたのである。日本のマスメディアは、これほどの重要事項をスルーして、徒に感染症の恐怖を煽るのに夢中になり、報道機関が負うべき本来の責務を一向に果たそうとしない。そしてこの警鐘に対する危機感を最も敏感に感じ取り、具体的対策を講じるべき政治家が、何も解っていない様子なのが空恐ろしい。今回の感染症騒動に際してのWHOの中共への偏向姿勢に見られるように、国連機関および国連そのものの役立たずぶりは目を覆うばかりだが、日本のような食料自給率が極端に低い国にとって、この警鐘を軽視するのは余りにも危険である。

国際的な食料輸出制限は日本にとっては命取りとなるからだ。「COVID-19ウイルス感染症」の直接被害や経済的に政府に見殺しにされた上に、日本国民は「国際的食糧危機」という飢餓に苛まれようとしている。正に三重苦である。否、日本国民の行く末には三重苦どころか四重苦、五重苦が待ち受けているのである。今回は「食糧危機」について論じるが、実際は「エネルギー危機」「水危機」、外国勢力の買い占めに遭っている「水源地保全策」などへの対応も急務であろう。輸出国が「戦略物資」であると気付けば、今回のようにマスク不足が起こり、ものによっては国民の生死に直結する「医薬品不足や医療機器不足」も起こり得るし、これからの世界では「半導体産業や5G、AI産業」も日本という国家の成否を分ける。二度とガラパゴス化の歴史を繰り返してはならない。部品の3分の1を中共に依存している自動車産業が標的となれば日本経済が大打撃を受ける場合もあり得る。「COVID-19ウイルス」との共存を避けられない今後の世界では、凡ゆる常識が覆されるだろう。貧富の格差は更に拡大し、人種差別や思想差別など社会は益々排外的・攻撃的になって互いを傷つけ合う傾向を強めるだろう。今まで礼賛されてきたグローバリズムは終焉し、ナショナリズムが台頭する。互いが排斥し合う世界では戦争すら起こり得る。日本政府と国民には、来るべきニューノーマルの世界で生き残る試練に立ち向かう知性と覚悟が今、求められている。

三番目の責め苦である「食糧危機」に関しては、国連三機関の事務局長が発した共同声明が核心を突いている。都市封鎖や国境封鎖など人の移動を制限した為の農業分野の労働人口の減少が続けば、事態は益々深刻さの度合いを増す。米国では野菜や果物の収穫などはメキシコなどからの外国人労働者に依存している。米国ではこの1年間に25万人の外国人労働者にビザを与えていたが「COVID-19ウイルス感染症騒動」でそれが突然途絶えてしまった。ヨーロッパでも東欧からの出稼ぎが止まって農業活動に支障が出ている。日本でも事実上の働き手になっていた外国人技能実習生(という名の消耗品扱いの低賃金労働者)が日本に戻って来られなくなり収穫が滞っている。一般庶民は明日の生活の心配をしていれば、取り敢えず生き残れはする。併し、国際社会に於ける国家の方向性を示すのは政治家の責務である。今の政権にそうした大局観があるだろうか? 安倍政権は今回のコロナ騒動で想像以上の無能さを露呈した。この無能で自己保身ばかり考える冷酷無比な政権に、果たして日本国をより繁栄させる道筋…中長期的な国家の将来設計を任せて良いのだろうか? 半数の国民の支持を得ているというが、私は断じて支持しない。今しも世界で起きている重要な事件を報道しないマスメディアも信じるに値しない。これからは自分の力で情報を取捨選択し、自分の頭で考える者しかまともな社会生活はできないだろう。

「食糧危機」の原因は労働人口不足以外にもある。食料自給率の低さを是正してこなかった日本は、今や立派な「戦略物資」となった食料を輸出制限されたら、ひとたまりもない。歴代自民党政権が一顧だにしてこなかった「食料自給率を100%に近付ける努力」は日本国民の生命を護る為に急務である。併し、何も全ての食料の自給率を100%にする必要はない。「備蓄・内生化・輸入先の拡散」を適宜組み合わせる事で、危機回避は幾らでも可能である。そういった大局観に立った確りとした戦略を持った上で、選別的に食料自給率を高めていけば良い。今の政権には、恐らく「備蓄・内生化・輸入先の拡散」を適宜組み合わせるという明確な戦略は無いだろう。お勉強が得意でその地位に就いた官僚にはその能力があるかも知れないが、残念ながら今の官僚には公僕として国に尽くすという信念がない。焼け石に水の持続化給付金に課税するという財務官僚の発想を見れば国家への献身や公僕という概念が無い事が透けて見える。そう考えると、国民一人ひとりが自衛の為に、日本が食料の輸入元と考える国々で今起きている出来事にアンテナを研ぎ澄まして備える事は極めて重要である。

幸福実現党釈量子党首は次のような報告をしている。東アフリカやアラビア半島などでは「サバクトビバッタの蝗害(こうがい)」が起きている。2018〜19年に多発したサイクロンにより降雨量が飛躍的に増えた結果、バッタの餌となる草が増殖した。降雨災害は2020年3月まで続き、ケニヤ、ウガンダ、エチオピアでも蝗害は前例のないほど酷いものとなった。サバクトビバッタの餌となるのは草の他、人間や家畜の穀物も含まれ、サバクトビバッタは重要な穀物を喰い尽くしながら卵を産み、更に増殖を続けて甚大な被害を及ぼしている。ソマリアは今年3月に「COVID-19ウイルス大感染」にではなく「サバクトビバッタの蝗害」に対して「国家非常事態宣言」を発した。サバクトビバッタの蝗害はパキスタンやインドにまで及び、パキスタンでも「蝗害による食糧価格高騰」で「国家非常事態宣言」が出され、国際社会に緊急援助を要請した。サバクトビバッタの繁殖地では第一波に続き第二波が発生し、東アフリカの国々は壊滅的な食糧危機に陥っている。この第二波は充分な対策を講じないと第一波の20倍に及ぶ被害を齎らすと言われている。そういう意味では「COVID-19ウイルス」の二次感染拡大の恐怖と一緒である。蝗害阻止対策は農薬(殺虫剤)による駆除が考えられるというものの、飛び立つバッタの群れの規模は神奈川県全域ほどの広域に及ぶといわれるから尋常ではなく、世界的な支援を受けたとしても一朝一夕に効果をあげるのは難しいという。

このサバクトビバッタが今、中共に迫っている。中共では既に別の害虫である「夜盗虫」(よとうむし)が大量に発生しており深刻な食糧生産危機が発生している。この「夜盗虫」は蛾の幼虫で極めて危険な農業害虫である。「夜盗虫」はその名の通り、日中は物陰に隠れ、夜になると一晩でトウモロコシを食い尽くしてしまうという。被害面積は1億畝(ムウ)といわれる。中共の農業面積単位で1畝は約0.667㎢で、1億畝は約6千6百70万㎢となる。桁が大き過ぎてピンと来ないが、日本の本州の約三分の一を占める東北地方全域(青森県・岩手県・宮城県・秋田県・山形県・福島県)と同面積の農作物が「夜盗虫」により全滅したと考えれば、日本人にもその被害の甚大さ、深刻度合いの大きさが理解できるだろう。而も、この夜盗虫には農薬への耐性ができているといわれている。「サバクトビバッタの蝗害」プラス農薬に耐性を持つ「夜盗虫」が中共の穀倉地帯を襲っているという事は、中共が食糧不足に陥りつつある事を意味する。この事実を日本のマスメディアは一切報道していない。嘗て、中共産の野菜の残留農薬、また中共製冷凍野菜、冷凍調理食品などへの毒物混入による中毒事件が多発し、中共は日本国民の食の安全・安心を脅かした前歴がある。併し、それでも日本にとって中共は米国に次いで世界第二の供給国の地位にある。我が国の国別の輸入金額は、直近で①米国・1兆6470億円②中共・1兆1911億円③カナダ・5694億円の順である。中共のシェアは全体の12.5%となっている(農林水産省「農林水産物輸出入情報」より)。日本の食卓にとって中共は米国に次ぐ、無くてはならない食料供給地なのである。コロナショックが収束に向かいつつも「COVID-19ウイルス」との共存が避けられない状況では、中共産物品の輸入激減は、外食業界は勿論、スーパーを始めとする小売店の食品売り場、惣菜製造業者らに大きな打撃を及ぼすだろう。

食糧生産に関わる労働力不足と中共での農業害虫の発生が深刻化する中、当然の如く各国は食料品の輸入量確保と食料品の輸出制限を検討し始めている。世界最大の小麦の輸出国であるロシアは国内供給を優先して4月〜6月の小麦輸出に制限を設けている。そのロシアでも「COVID-19ウイルス感染症」のパンデミックは深刻である。ロシアはコロナ禍が拡大傾向にあるにも関わらず経済活動を再開した稀有な国である。今後ロシアの国内情勢がどのように変化するか注視する必要がある。小麦生産高の多いウクライナも輸出制限を検討中だと言うし、世界最大の米の輸出国であるインドでも米や小麦の輸出制限を始めた。米輸出では世界第3位であるベトナムも3月に新規の米輸出を停止した。日本の穀物自給率は、米97%、小麦12%、大豆6%、飼料28%(平成30年)である。米の自給率が97%とは驚きだが、米の消費量はこの半世紀で半減しているから、12%にしか過ぎない自給率の小麦が不足すれば、米の消費は増えざるを得ないから、米の自給率97%は実際の必要量の50%に満たない計算になる。現実問題としては、日本はカロリーベースでは38%しか自給できていない。穀物の大半を輸入に頼っているのである。我々が直接摂取する穀類や家畜用飼料の輸入は国際社会では今しも輸出制限が始まっている。飼料の輸入が滞ると牛・豚・鶏などの動物性タンパク源が失なわれ、当然、乳製品も手に入らなくなる。正に「食糧危機」の到来である。

日本が取るべき道は、先ずは愚かしい「減反政策」を止める事である。「減反政策」とは大東亜戦争敗戦後しばらく食糧難が続いて、米の増産体制整備が急がれた。やがて米の供給が増加すると当然、米価は下落した。すると今度は米の価格を維持する為に国は「減反政策」を始めた。米の生産を減らした農家に国が補助金を出したのである。生産努力をしなければ補助金が貰えるというこの政策には批判もあり、1970年から2017年までの凡そ50年近くに亘って実施された「減反政策」は2018年度に廃止された。併し、事実上の「減反政策」である「転作補助金」が今も続けられている。食用の米の代わりに麦や大豆を生産すれば一反(300坪→991.74㎡)当たり35,000円の補助金が貰える。家畜の餌になる飼料米に転じた場合には一反当たり105,000円もの補助金が貰える。「国際的食糧危機」が迫る中、我が国にこんな事をしている余裕があるだろうか? 稲作文化を護る為にも…何より国民の命を護る為に、国は農業政策の見直しを急ぐべきである。遅きに失したとはいえ、それでも日本が国家的飢餓を回避する政策を放棄する事は許されない。「COVID-19ウイルス」との共存が避けられないなら、日本は自前の食料供給体制を整えるのは必須要件である。因みに外国の食料自給率は、米国130%・フランス127%・ドイツ95%等々で先進諸国で日本だけが突出して自給率が低い。これからは食料が「戦略物資」になるのは間違いないから、検察庁の定年延長など国会で審議している暇は無いだろうに…。

安倍・トランプの交渉(2019年8月26日)により日本は米国の自動車関税を据え置いてもらう代わりに米国でダブついたトウモロコシを大量に輸入すると約束させられた。アメリカ・ファーストをスローガンに掲げるトランプがこの約束を守ってくれれば、日本の飼料供給は取り敢えず事足りはする。併し、「サバクトビバッタ」や「夜盗虫」の影響で世界需要の19.3%を占める中共のトウモロコシ輸出量が激減するのは目に見えている。世界の食料の需給バランスへの影響は計り知れない。更に各国が食料・飼料の輸出制限を始めている今、食料自給率が突出して低い日本は、やがて国内需要に応えられなくなる。日本人は昔から主に米と魚介類を食べてきた。併し、食生活の欧米化が進んだ現在、肉無し・乳製品無しの生活に果たして日本国民は耐えられるだろうか? 日本は「減反政策」の延長線上での飼料米生産などではなく、米の増産に本腰を入れると同時に、本格的な飼料用穀物の生産に力を注ぐべきである。家畜の飼料となる飼料用穀物は、飼料米にトウモロコシやライ麦その他様々な穀物をバランス良く混ぜる必要があるそうだ。飼料用穀物の生産性向上は急務である。10アールあたりの飼料米の収穫は、556kg、コストは10万円以上かかるのに対してトウモロコシは同面積で1000kg以上収穫でき、コストは35,000円程度で済むという。トウモロコシは米と異なり手間がかからない上、二毛作・二期作が可能という。トウモロコシ畑なら自給率の低い小麦・大豆などを二毛作で生産する事も可能だ。現在、日本の飼料用穀物の備蓄は100万トンであり、僅か20日分しかない。万一米国からの輸入が止まった場合、日本の畜産農家は壊滅的打撃を受ける。牛・豚・鶏が日本からいなくなってしまうのである。

4月15日、厚労省は旅行業・ホテル業・飲食業などのサービス業を「COVID-19ウイルス」感染拡大により収入の先行きが不安な業種から農業就労へと移行できるような支援を検討していると発表した。「ジョブクリエイション」というそうだが、日本国民のサバイバル政策との本気度は全く感じられない。内容は正しいのだが、「デフレ脱却・戦後レジームからの脱却」同様に掛け声だけの虚しい政策の臭いがプンプンする。「COVID-19ウイルス」との共存を強いられる今後の国際関係がサバイバルの様相を呈するのは必定であろうから、これからは農業分野が伸びるのは間違いない。日本のような国にとっては農業分野の人手不足解消は急務であるし、同時に、今まで若者が農業分野への就業を敬遠してきた負の要素を解消する事を怠ってはならない。所謂「3K」を解消するのはもとより、将来に希望が持てるよう「稼げる農業」へと変容させていく事も必要である。GPS技術を駆使したドローン・自動運転の導入などで一人あたり耕作地の拡大など未来型農業を模索し、一人当たりの生産性を向上させる事は日本国の生き残りをかけた極めて重要な取り組みである。また、植物栽培の工業化も推進するべきである。この分野ではオランダに一日の長がある。植物栽培技術をオランダ並みかそれ以上に進化させれば、そのノウハウや技術輸出への道も拓けるだろう。同時に現在、中共に依存している肥料「窒素・リン酸・カリ」と、「作物がカルシウムを効果的に吸収できる」技術革新と国産化も必要であろう。

農業に関する規制緩和、現行の「農地法」では、新しく農業に参入する企業や個人が株式会社として農地を所有するのを禁じ、賃貸での参入しか認めない。また、農業生産法人を設立すると農地を取得する事はできるが、構成員の4分の3は農業関係者、役員の過半数が農作業に従事していなければならないという規制がある。これでは大手の食品会社やスーパー、コンビニなどが自前の農地を持つ事は事実上妨げられているという他ない。このような規制は即刻廃止すべきである。農林水産省はホームページなどで、我が国の農林水産業が有する食料の潜在生産能力を表す概念として「食料自給力」という言葉を用いている。これは、農業に於いては耕作放棄地・食を目的としない草花などの栽培地・酪農業用地など、全ての土地を食物栽培地に転換した場合と、漁獲可能な水産物の全てを総合した場合の自前の食物供給力の事である。農業に於いては可能な限り全ての土地で「芋」を栽培すればカロリーベースで日本国民が飢えることは無いそうだ。魚介類の輸出をゼロにして自前の漁獲高と自前の芋だけを食べれば「食料自給力」は100%という考えである。外国では飢餓に苦しむ人々がいると言うのにフードロス行為を平然と見過ごし、価格維持の為に折角稔った作物をトラクターで平然と踏み潰すと言うような、贅沢が身に染み付いている今の日本国民が、肉類や乳製品などを100%口にできない生活を受け容れる事などできるだろうか? 「食料自給力100%」など机上の空論でしかない。コロナ禍は忌まわしいが、この災厄を奇貨として、何はさて置いても日本は国民が飢えない体制づくりを急ぐべきである。

最後に一つ。これまでと話題がガラッと変わるが、COVID-19対策の一環としての休校によりオンライン授業が取り沙汰されたが、オンライン授業が受けられる環境を持つ生徒は僅か5%程度に止まり、実現は非現実的だと言う事で日本がインターネット後進国である現実が顕(あらわ)となった。今は非常事態である。ならば、ほぼ100%普及しているテレビで時間を決めてオンライン授業を試してはどうか? …と言うような発想がなぜ湧いてこないのか? テレビの場合は一方通行ではあるが、全国で統一した授業が行なえるではないか。こういう時こそ、皆様のNHKの出番である。どうせ再放送でお茶を濁すのなら、Eテレなる旧教育テレビを毎日12時間開放すれば、小中高の各学年向けに1日1時間の授業ができる。僅か1時間でも1日何もやらないよりマシである。BS放送を連携させれば更に時間を割ける。BS放送の受信環境は100%とはいかないだろうが、他に手立てがないのに全く使わない手は無いだろうに。民放の協力が得られれば更に授業時間を拡大できるだろうし、ラジオの活用だって考えられる。今は官民の総力をあげて「COVID-19ウイルス」に立ち向かうべき時である。前例踏襲しかできない官僚に新発想など求めはしないが、政治家にアイディアがないのはやはり無能故なのだろう。政治家が動かないなら、国民が支持政党や地元の議員事務所にアイディアを提供すれば良い。NHKを始めとしたテレビメディアは何故このような身を切る協力申し出をしないのか? このようなアイディアに不都合があればボツにすれば良い。100のアイディアの中からたった一つでも役立つ案が実現すれば良い。政治家が無能で無為無策なら国民の側から様々なアイディアを出して、動こうとしない政治家の尻を叩けばいい。時代遅れな悪しき「緊縮財政」に拘(こだわ)って、国民の生活補償に一向に本気で乗り出そうとしない政治家に抗議行動すら起こさない日本国民は滅びて当然の腑抜けである。繰り返す。動かぬ政治家に抗議して尻を叩け! 日本国民よ、座して死を待つな!