前記事で、gooブログに投稿された
「間違えないで!新型コロナは弱毒だからこんなことになっている」
という記事について紹介し、
「症状が軽いから恐くない」
「弱毒だから恐くない」
という意見は間違えている、という事を書きました。
今回はその「恐くない」というテーマについて、今年の3月前半に読んだある記事について記憶を辿って書こうと思います。
その記事はアメリカの大学病院で働く日本人医師が書いたものでした。
3月前半というと新型コロナの被害が目に見えて来た時期ですが、まだそれほどの死者も出ておらず、世間には
「そんなに大騒ぎすることなの??」
という雰囲気があった頃です。
その日本人医師も、最初は新型コロナについて、
「伝染力の強い風邪」
程度の認識で、重症化する割合が低いので大したことはないと思っていたとのこと。
しかし感染者が増え、自分の病院でもコロナ患者を受け入れるようになってからその意識は一変したそうです。
少しでも感染の疑いがあれば毎回専用マスク、ゴーグル、防護服など完全防護で診察せねばならず、
しかも一患者ごとに新しい防護服一式に着替えなければならない。
まずこの点がとんでもない負担である、と書かれていました。
使い回せばウイルスを伝染す可能性が出ますし、脱ぎ着するときも露出部に触れないよう細心の注意が必要です。
「家にウイルスを持ち込まないようにしよう」と気を遣った事のある方ならお分かりかと思いますが、「あれもコレも」と気にするとキリがないですよね?
医療現場ではそんな家庭の話とレベルの違う対応が求められるはずです。
それを一患者ごとに行う事がどれだけの負担か、ということをその日本人医師は詳細に説明していました。
弱毒だからこそ感染の有無がわからず、疑いがある全ての人に完全装備で対応するしかない。
そしてコロナ患者対応で手一杯になり、他の医療が必要な人の対応が出来なくなってしまう。
つまり、新型コロナの本当の恐ろしさは
医療現場を直接攻撃してくる
ことだ、と書いていました。
さらに日本人医師は医療現場の現状について書いていました。
「感染症対策に万全を期すことは医療従事者として当然だけど、医療従事者も人間でありミスもするので、絶対の感染防止は不可能」
「それでもやらなければならない、という使命感だけで現場は成り立っている状態だ」
として、
・医療従事者の個人のスキルや使命感に頼らない医療体制の確立
が必須だ、と指摘していました。
記憶を頼りに書いているので実際と違う部分もあると思いますが、大まかにはこんな内容だったと思います。
3月の時点でこのような記事があったのですが、はたして今、この内容から何か進歩している部分があるでしょうか?
「弱毒だから」という話は最初からあった話です。
それでも感染拡大すると「あとあと大変な事になる」と、世界各地の事例でわかっていることです。
それなのに半年経った今でも「弱毒だから」という議論をしている事自体が非常に危険なことじゃないか、と思えてなりません。