『アートと暮らす』~アートセラピストブログ

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親子のアートセラピークラス

2006-06-16 15:53:26 | 心のアトリエ
昨日の「心のアトリエ」クラス。
ウォーミングアップで、今回はめずらしくみんな絵を描きました。
「ものすごい嵐がやってくる!」
「狼2匹泣いてるの」
「守ってあげなくちゃ」
元気にクレヨンで3、4枚絵を描いて、こんな話をしてくれた女の子がいます。

彼女は2年位前のイベントにはじめて参加しました。
その時は、お母さんから離れられなくて、ずっとずっと涙がとまりませんでした。
2つ上のお兄ちゃんがいてもダメ。
結局お兄ちゃんがお母さんのいる部屋に彼女を送り届けて、無事その日はおわり。
そしてその後、私たちの「心のアトリエ」というクラスに兄弟で通うようになりました。

次第に場所にも慣れ、彼女はお母さんが途中席をはずしても参加できるようになりました。
そしてこの春からは小学生になったお兄ちゃんが「心のアトリエ・幼児クラス」を卒業。
しかも冬に小さな小さな妹が生まれたばかりで、お母さんもお休み中。
今、彼女は一人でクラスに参加しています。

クラスで使う部屋をオープンにするのは2時半ですが、その前から来て扉をたたいたり、外できゃっきゃと笑ってる彼女の声が聞こえると、私たちの気分もどんどん盛り上がってきます。
そして扉を開けた途端、前のめりに彼女達が走りこんでくると、部屋がパーッと明るくキラキラしてくるのです。

想像力があふれんばかりに豊かな彼女は、ブルーシートの上で魚になったり、小麦粉を雪にみたてては踊ったり。
めったにすねたりごねたりせず、キラキラしながらも、どっしりと落ち着いたエネルギーも合わせもっています。

・・・そんな彼女。一人でも全く平気で参加できるようになった彼女。
でも、最近セラピストへのスキンシップが増えました。
「マッキー、みてー!」と言うだけでなく、気づくとよく手や体に触れています。
それはもしかすると妹ができたからかもしれません。

冒頭で書いた彼女の台詞「守ってあげなくちゃ」は、妹のこと?自分のこと?誰のこと?
泣いている狼は彼女のどの部分?

・・・しかーし、分析する必要は全くなくて、ただ彼女から出てくる色んな表現、ストーリーを体ごと感じていきたいと思います。

絵や素材があると、さらに子ども達はお話をしてくれますよ。
子ども達の中にあふれている世界が素材を通して、どんどん外に流れ出て、それが形になり、また本人達がそれを受け取っていきます。
アートセラピーの可能性は無限です。


彼女とこれからも、スキンシップもたくさんとって、いろんな変化を一緒に共有していきたいと改めて思った1日でした。

(written by mackey)

*NPO法人子ども未来研究所* http://www.cof.or.jp/


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