いつも遊んでいるわんこのボールが、
どこかにいってしまいました。
おもちゃ箱の中も、
家族のひざ掛けの中も探してみたけれど、
みつかりません。
家の中には無いようなので、
外に探しに行きましょう。
「黒猫さん、わんこのボールを知りませんか」
「それなら、おいらよりずっと硬い体のやつが持っていったぜ」
「どうもありがとう」
白雪姫の七人の小人たち。
彼らなら、黒猫さんより体が硬いでしょう。
「わんこのボールを、持っていきましたか」
「ぼくたちじゃないよー」
「ぼくたちよりも大きくて、怖い顔のやつが、持っていったよー」
「赤い鳥のそばにいるやつだよー」
「大きな口だよー」
口々に教えてくれました。
硬い体で、大きくて、怖い顔をしていて、
赤い鳥のそばにいる大きな口のやつ。
それはひょっとして、こんなやつでしょうか。
たしかワニと鳥は仲がいいと聞いたことがあります。
だったら怖くて、ボールを取り返せません。困ったねえ・・・。
「ちがうわよ」
と屋根の上から優雅な声。
にゃんこのお姉さんです。
「赤い鳥じゃなくて、赤い鳥居のそばにいるのよ。
そいつは神社にいるの」
神社にいる硬くて大きくて怖い顔の・・・やあ、あなたでしたか。
「やあすまんすまん。ちょっと借りるつもりが、
すっかり夢中になって遊んでしまったよ」
狛犬さんが左手でボールをつかみながら、
大きな口をあけて笑いました。
「いえいえ、ちっともかまいませんよ。
またいつでも借りにきてくださいね」と、
わんこもにっこり笑いました。
めでたしめでたし。
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