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📖本『シンドラーのリスト SCHIDLER'S LIST』T・キニーリー 生野宏 訳 新潮文庫

2021-04-02 12:53:27 | 日記

本📖『シンドラーのリスト(SCHINDLER’S LIST) 1200人のユダヤ人を救ったドイツ人 』
キ 5 1 新潮文庫 



T・キニーリー(トム・キニーリーまたは
トマス・キニーリー)【著】,
幾野宏【訳】


(引用、始め)


解説 幾野宏

本書は、実在の人物やできごとを題材にした小説、ノンフィクション・ノベルの傑作であり、
この著者の作品中でも、
最高のものとされる。

主な舞台は第二次世界大戦下のポーランド
-といえば、何よりもまず連想されるのは
ナチのユダヤ人迫害であろう。

事実、本書にはその迫害の模様が鬼気迫る
ほどなまなましくリアルに描かれている。

しかし、ユダヤ人迫害それ自体は、
この作品の主題ではない。

これはナチスという強大な組織に、
うわべは従順をよそおいながらも
敢然と挑戦し、個人の力で
1200人を超えるユダヤ人を
死の運命から救った男の物語である。

その男、オスカー・シンドラー自身、
ほかならぬドイツ人であり、それにまた、
実業家としてひと旗あげようと、
ドイツ軍の侵攻の尻馬(しりうま)に乗った
形でポーランドの都市クラクフへやって
きて、ナチスとの軍需契約のおかげで
ぼろ儲(もう)けをしている人間でもあった。

ところが、クラクフに住む大勢のユダヤ人が、やがてゲットーに押し込められ、
親衛隊の残虐(ざんぎゃく)行為がはじまるのを目にしたとき、
同胞のそんな行為が赦(ゆる)せなくなる。

固く決心した彼(オスカー・シンドラー)は、
ナチスが儲けさせてくれた莫大(ばくだい)な金を、
ユダヤ人救助作戦に惜しげもなく注ぎこみはじめる。

しかし、ナチスの方では迫害の度を
ますますエスカレートさせ、

ついにはユダヤ人をゲットーからも
追い出して強制収容所に閉じ込めてしまう。

その収容所であるが、これまでナチスの
ユダヤ人迫害といえば大量虐殺という面に
もっとも強くスポットライトが当てられて
きたせいであろう、

強制収容所とはすなわち囚人を
皆殺しにするところだという風に、
われわれは思いこみがちである。

しかし、強制収容所-ナチス自身の
命名によれば〈集中収容所〉
(👴👨👩👧👶
ウイグル人を収容する場所の命名は
「職業技能教育訓練センター」。)

ナチス自身の命名によれば
〈集中収容所〉(ユダヤ人をそこに
集中させるという意味)-には、

ユダヤ人を絶滅することを
究極の目的とする絶滅収容所と、

彼らの労働力をただで利用しようという
強制労働収容所とがあった(有名な
アウシュヴィッツは、その両方の
機能を兼ね備えた巨大複合収容所)。

















レビュー一覧



①オスカー・シンドラーが正義感に満ちた英雄というだけではなかったことが正直に書かれているからこそ、私たちと変わらない一人の人間がこれだけの命を救った事実がいかにすごいのか ひしひしと感じる。

どうしようもない、けれどもこんな時代があったからこそ今自分たちが生きる時代があるんだと実感する上でも、読む事が出来て良かった。



②長かった…
登場人物がドイツやポーランドといった馴染みの薄い所の名前なので余計に混乱して進まなかった。
シンドラーという人はすごい人だと思っていたけれど、ただ単にすごいというだけでなく人間としての悪意も持った人間だったんだと気づいた。
いずれにしても、ユダヤ人という人種だからと言うだけで虐殺をしたドイツは許されざる事をしたと思う。金輪際その様な迫害や戦争が起こらない事を願うしかできない自分がちょっと情けなくなるけれど、きっと多くのドイツ人もそう思っていたと思う。
もう少し時代背景や当時のドイツの情勢・組織について勉強しておけば良かったと思った(歴史でも特に苦だったので)



③ドイツ・ナチスのユダヤ人虐殺や強制収容所から、1200人のユダヤ人を救ったオスカー・シンドラー。あの戦争下においても一筋の光があったことが素晴らしい。映画も素晴らしかったです。



④この本はシンドラーの悪いところもすべて正直に描いていて、彼が聖人のような英雄に見えないよう努力してるのがうかがえます。それはもちろん誰でもシンドラーになれるんだってことを言いたいんだと思います。

「言っておきますが、わたしはユダヤ人です」
「そうか、僕はドイツ人だ。これでおあいこだな」

シンドラーは事実が事実でしかないことをちゃんと知ってた。外見や生まれや制度じゃなくて、人の心が差別を生むんだ。

映画も観たけどだいぶ省略されてたりするので、やっぱり本で読んでおいて良かった。でも映画のラストはすごく心に残ってます。



⑤母が大好きだと言ってた映画の、文庫版を見つけたので読んでみました。シンドラーかっこいい。ユダヤ人を救うって聞いてたから、もっと聖人っぽいのかと思ったら全然そんなことはなくて。シンドラーも、周りの人も、そして人間として扱われてなかったユダヤ人たちもとても人間らしくて。シンドラーが金の指輪を贈られるシーンが好きです。




⑥相当分厚い本なので気合いをいれて読まないと途中で挫折しそうになります。
登場人物も相当複雑。でも時間をかけてでも読む価値はあり。
っていうか、すべての人に読んで欲しい。



⑦シンドラーという人間はユダヤ人を救うためだけに生まれてきたような気がする。
実際ユダヤ人の一大危機が去ると同時に、オスカー=シンドラーの能力が生かせなくなっている。

彼はなんでも大規模で大胆。
本来繊細であるものが1942〜47年にかけてずぼらになる。
それゆえ彼の手腕が最大限に生かされた。

彼はユダヤ人に対しての見方を常に正確に持っていた。あの時代に洗脳されず、自分を持ち続けられたのはスゴイ。
そして金持ちスギ!!ど〜してそんなに金持ちなんだ??
でもその財産はとても有効に使われた。まさに彼が持っていなきゃいけない富だったのだろう。

ユダヤ人の偏見は一部だけひどく、他はそうでもないのだろうと思っていたが違った。
とてつもなく徹底され厳行されてた。

それを知ると同時に、そんな中ユダヤ人を助けるということがどんなに大変だったかがよく分かった。
その分、オスカーという人物がさらにヒーローに思えた