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101号室(保管庫)

ブログ「101号室」の移転先です。
新規投稿は無いと思いますが記録用に残します。
画像欠落とリンク切れはご容赦を。

池谷先生

2019-06-28 00:09:00 | Puzzle
2006年冬。もう13年も前なのか。
28歳(若い!)の今井は、とあるゲームに出会いました。
それは「クルクルラボ」。
このブログでも当時さんざん取り上げた脳トレゲームです。

詳しくはこのブログのバックナンバーをご覧いただくとして、
そのゲームを監修されたのが薬学博士の池谷裕二先生。
なんと! この度いろいろとご縁がありまして、池谷先生の
著書にパズル(というか脳トレ的なドリル問題ですかね)を
提供させていただきました。


こんな風に紹介されました(汗)。

収録されている問題は全32種類で、各4問あるので全128問。
ちなみにオビ(本の表に巻いてある細長い紙ね)の問題は
今井作ではありませんのであしからず。

32種類の問題のうち、ちょっとだけご紹介。


最後にいた部屋を当てる問題。


お手本どおりの図形を作る問題。


指定された角度を探す問題。

「クルクルラボ」プレイヤーが思わずニヤリとしてしまう、
そんな問題もございます。

「クルクルラボ」からずいぶん間が空いてしまいましたが、
池谷先生しっかりクルラボのことは覚えていらっしゃいました。

直接お会いはできてないのですが(ものすごく多忙な方だそうで)、
一緒にお仕事ができてとても光栄でございます。

電子書籍版もあるみたいなんで、よかったら買ってくださいませ。

メンタルローテーション
”回転脳”をつくる(扶桑社)




最初の編集者

2018-12-31 23:22:00 | Puzzle
現在2018年大晦日の夜10時半。
娘が寝て、年越し蕎麦を食べて一息ついたところ。
先にブログの記事を書いておき、指定の時間が来たら自動で公開する
予約投稿で大晦日に記事を載せたことはあるが、こうしてリアルタイムで
大晦日の夜に記事を書くのは自分にとってなかなか珍しいことである。
結婚したり子供が生まれた時も激動の1年だったが、今年も様々な出来事
のあった1年だった。

1月から家をリフォームし、4月下旬頃から新しくなった家での生活を開始。
5月にハワイへ行った。1歳の娘を連れての海外は、なかなか刺激的な旅行
だった。
パズルの方では今年も日本パズル選手権の問題プロデューサーに。
今年はさらに世界パズル選手権の日本代表選抜大会の問題プロデューサー
もやらせていただいた。
ジャグリングの方は・・・、いつも通りだったかな(笑)。
そして11月収録、12月放送のクイズ番組「99人の壁」でのグランドスラム。

と、最初から最後までまんべんなく色々あった1年だった。


で、本題。文体から予想できたかな、ちょっとマジメな記事。


秋に日本パズル選手権に行った時のこと。
先輩のパズル作家さんから、パズル雑誌の編集をしていた方の訃報を聞いた。
亡くなられたのは秋より少し前で、葬儀は身近な人だけで行われたそうだ。

自分がパズル作家のセミプロとして仕事をいただくようになったのが20年
ほど前。そのとき自分にパズルの仕事をふっていただいたのが、その亡くな
られた編集者さんである。
自分にとっては生涯最初の担当編集者。パズル雑誌の編集に長年携わって
こられた超ベテランさんだった。

最初は自由に1ページ作ってという依頼。
慣れてきたらそこに定番系パズルが追加されたり、テーマを指定してきて
そのテーマの中で新種のパズルを自由に作ってという依頼になったり。
ルールを考え、問題を作り、チェックし、清書し、送る。
この作業の、自分なりのペースやルーチンを、2年ほどかけて身に付けた。

編集者さんに厳しさというものは無かった。

 編「こんなテーマでできる?(笑)」
 今「こんなんできました(笑)」
 編「こう来たか(笑)」

みたいな感じで、2人ともパズルで遊んでいた。パズルが好きだから。

自分のパズル製作の強みは、新しい形式を考え提案できるところだと思う。
その能力を評価されて依頼をいただくこともある。
新しい形式を生み出す能力は、この編集者さんと雑誌を作っていた時に
身に付いたものなのだろう。

専業のパズル作家で18年やってきた。
出版不況とかがあった中ここまでやって来れたのは、最初に出会ったこの
編集者さんのおかげだ。いくら感謝してもしきれない。


訃報を聞いた翌日。神田神保町にやってきた。
編集者さんが代表を務めたプロダクションがある街だ。
パズル作家の駆け出しの頃、新潟から挨拶によくその編集プロダクション
に伺ったものだ。
近年はパズル誌の編集はやられておらず、自然と足が遠のいていた。

神保町の店でお昼を食べた。



カレーの深い辛さとエスプレッソの苦みが、心に染みた。



来年も頼まれたパズルをひたすらに作る1年になるだろう。
おれには新しいパズルを生み出す力があるのだから。

レジェンドにはさまれて

2018-02-13 23:37:00 | Puzzle
「みんなの漢字」という漢字パズルの専門誌に、昨年11月に開催された
日本パズル選手権の様子が掲載されました。
その大会で、今井はセンエツながら問題プロデューサーという大役を
務めさせていただきました。

掲載記事では出題や採点・運営をしたスタッフ陣の集合写真
(都合により何人か写れませんでしたが)が掲載されましたが、
今井は大役により写真ではド真ん中に写っております。



最前列で今井の両端におられるのが菫工房の杉本さんと西尾さん。
日本のペンシルパズル界においてレジェンドであるお二方です。
ジャグラーで例えると、クリスクレモとアンソニーガトーに
今井がはさまれてるような形です(一部の人しかわからんか)。

大会当日はバタバタの中、大急ぎで撮ったこの写真。
冷静になってみると、自分的にはすごい写真なのだ。

小学生の頃に知り、ずっと憧れであったのが菫工房のこのお二人。
センスの塊の杉本さんに、弱点のない鉄人の西尾さん。
パズル作家の先輩は数多くいらっしゃいますが、やはりこの二人は別格。

仕事でご一緒させていただいてからずいぶん経ちますが、
左右をお二人にはさまれての写真は初めてじゃないかな。
前にも書いたような表現だけど、この写真を小さい頃の今井に見せても
きっと信じないだろうな。
何年か後に今井がパズル選手権の問題プロデュースをすることも。

撮影していただいた「みんなの漢字」の編集さんに感謝感謝。
うん、すごい写真だ。
酒は飲んでいないが、この写真を見て感慨深くなっている。
パズル、天職だったな。

新春パズル

2018-01-17 09:47:00 | Puzzle
あれ、年が明けてるじゃん。
このブログで2017年の総括を書かずに年を越してしまった(汗)。

パズルは色々やったなぁ。一番大きかったのはテレビの仕事ですね。
残念ながら番組のレギュラー放送は終わってしまいましたが。
さてさて、今年はどんな仕事が入ってくるのでしょうか。



今年の年賀状用パズルです。謎解き要素も少し入ってます。
パズル関係以外の人にも送るものなので、難易度は低め。
娘が通う保育園に送ったら、先生たちの間でかなり話題になったらしい(汗)。

そんなこんなで、2018年もどうぞよろしく。

パズルの仕事、昔と今

2017-11-14 21:58:00 | Puzzle
今日の記事はちょっとデリケートな内容かもな。まあいいか。
文中の金額はあくまで目安です。
現実とどれぐらい差があるかは各自のご想像にお任せということで。
リアルな金額を書く勇気は、まだない(笑)。


パズル作家という仕事を始めてずいぶん経つ。
専業になってからは17年目。その前は、投稿、見習い、学生バイト的
な感じでやってた頃もあるから、そこから入れるとますます長い。

もっと昔、自分が小学生ぐらいの頃かな。30年ぐらい前のパズル界は
特定の出版社への専属契約があったなんて話も聞いたことがあるが、
その頃の事情はさすがにわからないのでパスです(汗)。


自分がパズル作家に足を突っ込み始めた20年ぐらい前と今では、
パズル作成での稼ぎ方がかなり違う。

例えば1万円稼ぐ場合を考えてみる。
20年前は作るのに超テクニックが必要な問題1問、もしくは
そこそこテクニックが必要な問題2問で1万円いただけた。
今は1万円稼ぐには10問か20問作らないといけない。
しかし作るうえでそこまでのテクニックは必要ない
(もちろん最低限パズルとして成立させるテクニックは必要だが)。

前者の方はかなり技巧的なことを求められることが多く大変だったが、
作り甲斐とか、パズル好きにとっては夢みたいなものがあった。
今の「大変さ」というのは、技巧的な大変さではなく物量の大変さである。
パズル強い人は地道な作業にも強いので、物量ある仕事でもやれる人は多いはず。
作りやすい問題なのはありがたいのだが、なんだろう。
昔ほど作り甲斐とか達成感みたいなのは薄れているように思える。

もちろんすべてがそういうわけではない。
テクニックが必要な問題や、新しさを求められる問題を作れるのが今井のウリなので、
そのウデを買って、依頼してくださる所もある。

でも昔はそんなになかったな。ライトで物量ある仕事って。
プロとしてね、そういうのが求められているなら、頼まれればライトなやつでも
ちゃんと作りますよ。例えライトなやつでも、遊び半分でやってるような人よりは
綺麗に作れる自信はありますので。

パズルの問題がいっぱいあるというのが現代なのだろう。良くも悪くも消費社会。
昔は1冊とか1社の仕事ができればそこそこ食えたのだろうが、今は違う。
いろんな所からちょっとずつ仕事をいただく。その「いろんな所」をどれだけ
多く増やせるか。これで食える・食えないが決まってしまうのではないか。

個人的には1問1問に重みがあった昔のパズル雑誌の方が好きだ。
1問1問というか、1ページ1ページの重みかな。
専用のイラストが入ったり、タイトルや説明文が凝ってたり。

時代は変わる。いつか昔のようなパズル雑誌に回帰する日が来るといいな。