goo blog サービス終了のお知らせ 

まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

大バンの船ぶら~綿業会館

2006-10-09 23:37:06 | 建物・まちなみ
続きです。

船場建築ぶらり歩きのクライマックスは綿業会館。
夕方16:30に出発して、ここに着いたらもうすっかり日が暮れていた。
しかし到着時間に合わせてライトアップし中の灯りも点けていただいた
ということで、光をまとった綿業会館の建物を前に、ほ~っとため息!


この建物のゴージャスさは筆舌に尽くしがたい。当時の大阪の繊維業界の
隆盛がしのばれる。昭和6年竣工。
イタリア産のトラバーチンをふんだんに使ったエントランスホール周り。
でも大面積の板を使うのでなく小さなブロック状にしたものをタイルのように
貼ってあるのが何か新鮮な感じがします。目地は金目地で、隅々まで豪華。


一方、食堂の内壁は一見タイルか石貼りに見えるのだが、こちらは叩くと
コンコンと軽い音がする。合板か!?とびっくりしたが、音を吸収する
コルクが使ってあるという。表面はテンペラを塗ったような仕上げで、
ちょっと変わってる。
写真は、食堂の入口ドアの中からエントランスホールを見た四重アーチ。


有名な談話室のタイル壁は圧巻。柄のモチーフは西洋的だが、色のぼかしのせいか
不思議と東洋的な味わい。七宝焼きに似ている。


「鏡の間」と呼ばれる会議室の床は、アンモナイトの化石入りの大理石が
市松模様に貼ってあるのも興味深いのだが、何といっても惹きつけられるのは
この絨毯!聞けば、建築当時に天津から輸入した緞通とのこと。
特別室や談話室にも素晴らしい絨緞がたくさん敷かれていたのだが、
これが一番お気に入り!
絨緞の他にも、脇テーブルや棚の上にさりげなく掛けられた
パイル状の織物や、厚みのあるテーブルクロスも古い輸入品とのことで、
建物や家具を引き立てるこれらのテキスタイルにも是非注目してほしい。
(それらが大阪の綿業製品ではないことはちょっと残念。。。)
しかし、こういった貴重な染織品のクリーニングを請けてくれる所がないらしい。


エントランスホールの絨緞。こちらは緞通ではないけれど色合いが非常に私ごのみ。
これがあることで、硬い石の床に温かみと彩りが加わる。
人間が服を着るように、建物にもテキスタイルは欠かせない。


私はこの綿業会館をじっくり見学したのは初めてでしたが、
さすが大阪の誇るべき超有名近代建築、隅から隅まで完璧。
会員専用の施設ながら、毎月第4土曜日に館内見学を行っていたり、
今回のような催しの際には好意的なご協力をいただけたりするのは
非常にうれしいことです。大阪のまちの財産なのですからね!

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 大バンの船ぶら~芝川ビル・... | トップ | おとなりどうしの円形校舎 »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
素晴らしい探訪ツアーですね (ひろ009)
2006-10-11 23:29:17
この秋、大阪は例年になく(?)建築イベントが目白押しですね。

毎年&1年を通じて満遍なくあればより嬉しいのですが、少ないよりはいいしなあ。



大バン・船場建築ぶらりツアーも充実の内容で素晴らしいです。

綿業会館も含めていずれも過去に探訪はしていますが、解説付きで再度じっくりと回りたかったです。実は3連休、東京ディズニーリゾートに遊びに行っており無念の不参加。

芝川ビルの”濃い”持ち送り?は現物を見ていないはずです。



船場ビルのパティオが持つ佇まいは最高だと思います。あんな所に建築かデザインの事務所を構えたい!
返信する
船場ビルヂングは (ぷにょ)
2006-10-12 00:50:57
このツアーの時の写真撮影も制限があるなど、ちょっと敷居が高い気がします。小さなショップが2~3入っているようですがほとんどは事務所で、あまり外部の人は入っていけない雰囲気です。せっかくいい建物なので、せめて1Fにはカフェやお店を入れて、誰でもこの空間を楽しめるようにしてほしいな~と思います(個人的な意見ですが)。
返信する

コメントを投稿

建物・まちなみ」カテゴリの最新記事