北海道の続き。
北海道を車で走るのは今回が初めてであり、道路事情や交通事情がわからないので臨機応変に動けるよう
最終日の予定は固めていなかった。空港からあまり離れたくないし、道が混まなさそうなところで・・・
ということで、空港を通り過ぎて夕張方面へ走り、日本タイル博物誌の本の表紙に載っていた
小林家へ向かう。カフェになって公開されていることを一応チェックはしていたのだ。
畑の中のまっすぐな道をトラックに紛れて小一時間走り、栗山町というローカルなまちに入ったところ、、、
うわっ!蔵、蔵、蔵!レンガの蔵が橋のたもとからずらりと並んでいる。
小林家は酒屋だったのだ。敷地内に入ると、焼き過ぎ(焼き締め?)レンガの落ち着いた事務所棟がドンと!
トイレになっている旧社宅の前の駐車場に車を停める。
敷地内には倉庫や工場などたくさんの建物があり、蕎麦屋やレストランに使われている建物もある。
お昼時だけどこんな建物群を目の前にしておちおち食べてなどいられない。ご飯は後回しにして
まずは小林家住宅の見学と行こう。
玄関から入ると巨大な端切れのタペストリーに迎えられる。廊下はギャラリーとしても使われているようだ。
見学は時間帯が決められているがお客は私一人で、マンツーマンでの案内を受けることができた。
この邸宅は、北の錦創業者初代小林米三郎の自邸として1897(明治30)年に建てられた。
2013年まで3代目当主の奥様がお住まいだったといい、その後は小林家の女性たちが「守りびと」となって
維持管理をされているという。
邸宅はとても広いので、見学は2つのコースに分けているといい、このときは「商家の商いコース」だった。
残念ながら建物の内部は決められた部屋以外は写真撮影禁止(涙)。外観と窓の外はOKと。
(※そのため、これ以降の記事の写真と文章は必ずしもリンクしません。)
お酒の量り売りしていた旧帳場では、当時のやりとりが目に浮かぶよう。商売の道具やお得意様へのノベルティ、
棚には食器なども展示されていた。
小林家の商売は2代目が全盛期で、3代目の時代に一度危機を迎えたことがあったが、先祖代々受け継いできた
この家のモノを売り払うことはしなかったという。そのため室内には調度品や食器などもすべて残っていて
商売や生活をしていた当時の様子がありありと目に浮かぶのだ。
応接間のような小さな洋間が一室あり、壁紙はエンボスのついた唐革張り。音楽室として使われていたらしく
そこには、今もちゃんと動くレコードプレーヤーが置かれていた。それは輸入品で、日本語に訳した手書きの
取り扱い説明書まであった!特にメンテナンスもしていなかったと言うが、電源を入れて針を落とすと
スルスルと回り出し柔らかい音を奏で始める。全く当時のまま時を止めたような空間だった。
2階へ上がる階段ホールもいい雰囲気。しかし階段の手すりはパイプを継ぎ合わせたもので、上質な木材を
多用した室内で明らかに異質。聞くと後付けしたわけではなく元からなのだそうだ。雰囲気的には木造の
凝った手すり子を並べそうなものだが、鉄パイプはモダンな材料として採用されたのだろうか。
2階の大広間は撮影OKだった。
きらびやかな建具、銘木を使った床の間。大人数の宴会を開くハレの空間だ。
初代米三郎の父親は新潟の出雲崎出身の廻船問屋だったが、栗山の地主と知り合って北海道へ渡り、
炭鉱夫の需要があるということでこの地で清酒の醸造を始めたとか。
それで米三郎が自宅を建てるにあたっては新潟から材料を取り寄せ宮大工を呼び寄せて作り、
建物の様式は新潟風なのだとか。
じゅうたんも古そうで値打ちがありそう。。。
ここで長年住み込みで働いていた女頭さんの部屋や子供部屋なども。高級そうなおもちゃが多数。
最後にお抹茶と特製甘酒(アルコール抜き)と手作りのお干菓子を頂きながら、お話をする。
この甘酒は酒かすで作っているらしいが、酒かすとは思えない麹の味わいでとても美味しかった。
ここでは現在冬の間しかお酒の仕込みをしていないそうで、酒かすは出るとすぐ売り切れるとか。
たっぷり1時間見学したが、全部で23部屋あるのでまだまだ見ていない部屋があり、3ヵ月ごとに
入れ替わる「商家の暮らし」コースでは住空間を案内してもらえるという。
実はタイル博物誌の本のタイルを見たいと思って来たんです、えっ、あの本を?見てくる人がいるんですねぇ!
お話しているうち、「見られるかちょっと聞いてきますね」と言って奥へ行かれ、その後「どうぞ」と。
なんと特別に見せてもらえることに!!もちろん写真は不可だけど。。。
3ヶ月交代なのでエリア外は掃除をしていないとのことだったが、そんなの全然気にしません!!そして・・・
きゃ~~~~っ!!すご~~~~い!!男性用ブース、個室、手洗い場、いちめんにマジョリカタイルが~~!
便器は染付の繊細な模様入り。そして窓には色ガラスが。もうこの小空間に閉じこもりたい!!
3代目の奥様がお住まいだった頃は普通に使っていたのだとか。とは言っても、寒いこのトイレよりも
もう1ヶ所の水洗の方をメインで使われていたようだが。
あぁ、大阪から来たというのでお情けをかけて特別に見せて頂けたのはほんとに感謝感激。
ここまで来てよかったぁ~~!ありがとうございました!!
続く。
北海道を車で走るのは今回が初めてであり、道路事情や交通事情がわからないので臨機応変に動けるよう
最終日の予定は固めていなかった。空港からあまり離れたくないし、道が混まなさそうなところで・・・
ということで、空港を通り過ぎて夕張方面へ走り、日本タイル博物誌の本の表紙に載っていた
小林家へ向かう。カフェになって公開されていることを一応チェックはしていたのだ。
畑の中のまっすぐな道をトラックに紛れて小一時間走り、栗山町というローカルなまちに入ったところ、、、
うわっ!蔵、蔵、蔵!レンガの蔵が橋のたもとからずらりと並んでいる。
小林家は酒屋だったのだ。敷地内に入ると、焼き過ぎ(焼き締め?)レンガの落ち着いた事務所棟がドンと!
トイレになっている旧社宅の前の駐車場に車を停める。
敷地内には倉庫や工場などたくさんの建物があり、蕎麦屋やレストランに使われている建物もある。
お昼時だけどこんな建物群を目の前にしておちおち食べてなどいられない。ご飯は後回しにして
まずは小林家住宅の見学と行こう。
玄関から入ると巨大な端切れのタペストリーに迎えられる。廊下はギャラリーとしても使われているようだ。
見学は時間帯が決められているがお客は私一人で、マンツーマンでの案内を受けることができた。
この邸宅は、北の錦創業者初代小林米三郎の自邸として1897(明治30)年に建てられた。
2013年まで3代目当主の奥様がお住まいだったといい、その後は小林家の女性たちが「守りびと」となって
維持管理をされているという。
邸宅はとても広いので、見学は2つのコースに分けているといい、このときは「商家の商いコース」だった。
残念ながら建物の内部は決められた部屋以外は写真撮影禁止(涙)。外観と窓の外はOKと。
(※そのため、これ以降の記事の写真と文章は必ずしもリンクしません。)
お酒の量り売りしていた旧帳場では、当時のやりとりが目に浮かぶよう。商売の道具やお得意様へのノベルティ、
棚には食器なども展示されていた。
小林家の商売は2代目が全盛期で、3代目の時代に一度危機を迎えたことがあったが、先祖代々受け継いできた
この家のモノを売り払うことはしなかったという。そのため室内には調度品や食器などもすべて残っていて
商売や生活をしていた当時の様子がありありと目に浮かぶのだ。
応接間のような小さな洋間が一室あり、壁紙はエンボスのついた唐革張り。音楽室として使われていたらしく
そこには、今もちゃんと動くレコードプレーヤーが置かれていた。それは輸入品で、日本語に訳した手書きの
取り扱い説明書まであった!特にメンテナンスもしていなかったと言うが、電源を入れて針を落とすと
スルスルと回り出し柔らかい音を奏で始める。全く当時のまま時を止めたような空間だった。
2階へ上がる階段ホールもいい雰囲気。しかし階段の手すりはパイプを継ぎ合わせたもので、上質な木材を
多用した室内で明らかに異質。聞くと後付けしたわけではなく元からなのだそうだ。雰囲気的には木造の
凝った手すり子を並べそうなものだが、鉄パイプはモダンな材料として採用されたのだろうか。
2階の大広間は撮影OKだった。
きらびやかな建具、銘木を使った床の間。大人数の宴会を開くハレの空間だ。
初代米三郎の父親は新潟の出雲崎出身の廻船問屋だったが、栗山の地主と知り合って北海道へ渡り、
炭鉱夫の需要があるということでこの地で清酒の醸造を始めたとか。
それで米三郎が自宅を建てるにあたっては新潟から材料を取り寄せ宮大工を呼び寄せて作り、
建物の様式は新潟風なのだとか。
じゅうたんも古そうで値打ちがありそう。。。
ここで長年住み込みで働いていた女頭さんの部屋や子供部屋なども。高級そうなおもちゃが多数。
最後にお抹茶と特製甘酒(アルコール抜き)と手作りのお干菓子を頂きながら、お話をする。
この甘酒は酒かすで作っているらしいが、酒かすとは思えない麹の味わいでとても美味しかった。
ここでは現在冬の間しかお酒の仕込みをしていないそうで、酒かすは出るとすぐ売り切れるとか。
たっぷり1時間見学したが、全部で23部屋あるのでまだまだ見ていない部屋があり、3ヵ月ごとに
入れ替わる「商家の暮らし」コースでは住空間を案内してもらえるという。
実はタイル博物誌の本のタイルを見たいと思って来たんです、えっ、あの本を?見てくる人がいるんですねぇ!
お話しているうち、「見られるかちょっと聞いてきますね」と言って奥へ行かれ、その後「どうぞ」と。
なんと特別に見せてもらえることに!!もちろん写真は不可だけど。。。
3ヶ月交代なのでエリア外は掃除をしていないとのことだったが、そんなの全然気にしません!!そして・・・
きゃ~~~~っ!!すご~~~~い!!男性用ブース、個室、手洗い場、いちめんにマジョリカタイルが~~!
便器は染付の繊細な模様入り。そして窓には色ガラスが。もうこの小空間に閉じこもりたい!!
3代目の奥様がお住まいだった頃は普通に使っていたのだとか。とは言っても、寒いこのトイレよりも
もう1ヶ所の水洗の方をメインで使われていたようだが。
あぁ、大阪から来たというのでお情けをかけて特別に見せて頂けたのはほんとに感謝感激。
ここまで来てよかったぁ~~!ありがとうございました!!
続く。
私も奇遇でつい先日、マユ35さんのブログを久々に見に行ったところでした。
更新されてないなぁと、どうされたのかなと。
ネット環境の具合でしたか!
またよろしくお願いします〜
先月末にようやく復旧しました。