まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

市民会館と石場旅館

2020-05-11 23:13:58 | 建物・まちなみ
2019年10月の弘前の続き。

旧藤田家別邸を出たらもう日がかなり暮れていたけど、真向かいの弘前公園内にある弘前市民会館を見て行こう。
前川國男の設計、1964(昭和39)年竣工。相変わらず雨が降っていてどんよりしている中、コンクリート打ち放しの
平べったい建築はくすんでしまっているが・・・中へ入ると、見違えるようにカッコよかった!!
入口を入ると大きな吹き抜けのロビーがあって、市庁舎と似た感じの階段が。


天井に埋め込まれたダウンライトがまるで星座のよう。2階には吹き抜けを見下ろす廊下がぐるっと回っている。
ロビーにはコンクリートで造られたL字型のベンチがあり、カラフルな色のクッションが並んでいる。


振り向くと、入口の上にオープンなカフェが宙に浮かんでいた。面白いな!
駐車場にたくさん車が停まっていたので市民会館で何か催しがやっているんだろうかと思ったが
カフェ単体で利用しに来ている
若い人も多いようだ。今日の夜ごはんはここにしようかな・・・とも考えたが、まだ若干早いか。


「青の時間」と題されたステンドグラスは、弘前出身の洋画家佐野ぬい氏の作品。弘前市民会館の開館50周年を記念して
2014年に設置されたものといい、モノトーンの空間に鮮やかな彩り添えている。




こちらが大ホール。55年前のものとは思えないな!ここの大ホールには棟方志功の原画による緞帳があるらしい。


弘前城の中を歩いて抜けて行こうかと思ったがもう公園内は暗くなってしまったので、追手門から外へ出ることに。
弘前城築城当初あった10棟の城門のうち、5棟が現存しており、すべてが重要文化財に指定されている。
この追手門は弘前城の正面玄関にあたると言われる。


堀沿いに歩き宿の方へ向かいながら、ついでに日本基督教団弘前教会を見ておこう。
ライトアップされたフランスゴシック風の双塔が夜空に浮かび上がる。
東北初のプロテスタント系の教会といい、クリスチャン棟梁、桜庭駒五郎の設計による。1906(明治39)年完成。


そう言えば隣の石場旅館もいいと聞いている。ちょっと遅い時間だが偵察に行ってみようか。


明日の昼間でもちょっと見学させてもらえるだろうか・・・と思って聞いてみたら、今でもいいですよ、とのことで、
ちょっくらおじゃました。


表から見ると小さく見えるのだが、大きい網代天井の廊下がずんずん奥へと続いている。正面には大きな古時計が。


そして・・・何といってもここがいちばんの見どころ。廊下に太鼓橋が架けられているのだ!丸窓もある。
そして2つの階段があり、廊下はまだ奥へと続いている。いわば館内の交通の要所(笑)


手前側の階段。


擬宝珠まである立派な橋だ。ちなみにこの下は川ではない(笑)。別棟との床の高さが違うために架けられたかと思われる。
なので別棟は増築かと思ったが、操業当初からのものらしい。
旅館の創業は1879(明治12)年と分かっているが、この建物の建築年が同じかどうかははっきりしないようだ。


奥の方の階段は装飾がついて派手な印象。




皇室の関係者も泊まられた由緒ある旅館。しかし高級旅館というのではなく、古くは「駅伝宿舎」、そして
「陸軍召集軍用旅舎」として利用されていたようなので、老舗のビジネスホテルといった感じだろうか。


ケシガラスに入れられた「いしば」の文字と屋号のマーク。


部屋の中は見ておらず廊下を歩いただけだが、ここも迷路宿だな。何か湯治場のような雰囲気だった。
2食付でもお手頃な料金なので一度泊まってみるのもいいな。


松の釘隠し。


電気設備も古いな・・・このかわいいのは何?(笑)
火事だけは気をつけてほしいものだ。。。


詳しいサイトを見つけた →こちら
公式サイト →こちら

明るい時に見た石場旅館。


こちらは弘前教会。昼、夜どちらの姿も美しい。


続く

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