平凡な日常がある幸せ・・・

介護によるストレスのはけ口として始めたブログですが、介護が完結し、また、被災後に取り戻せた平凡な日常を綴ることに・・・

恐れていたことが…

2011-05-17 | 介護
住む家を失ったことで、いろいろな方面への手続きや申請などが必要になりました。

中には、父親の自筆の署名が必要な書類も・・・

震災前から文字を読み書きしなくなって久しい状況だったので、一抹の不安はありました。

本人は書けると言っていたので油断してました。


実際に書かせてみると、先ず字が思い出せない。

別の紙に“手本”として書いて見せると、書き始めますが、ペン先と紙までの距離感が掴めず、点が空振り

したり、次の画への移動も紙の上をなぞってしまいます。


そして、手がプルプルと小刻みに震え、偏と旁、一文字目とニ文字目が重なってしまい、何を書いたのか分からなくなってしまいました。

とりあえず、用紙の方を動かしながら誘導して何とか形になりましたが、今後はもう無理かもしれません。


恐れてはいたものの、ある程度覚悟もしていました。

しかし現実を目の当たりにして、とうとうここまで来てしまったかという気持ちで、悲しくなりました。

ショートステイ

2011-05-15 | 介護
基本的に市役所は、被災者に対して何もしてくれませんでした。

それでも、福祉課だけはいろいろ面倒を見てくれたおかげで、緊急措置として、

父を短期で入所させてくれる施設を探してくれました。

父の面倒を見ていると、片付けなどやらなければならないことが全然進みませんので、

大変助かりました。


一か月毎の短期で、とりあえず三か月という契約ができました。

一か月目に一日だけ戻るということで、継続されるのですが、その一日が・・・


施設のヘルパーさんや面会に行ってくれた親戚の話では、認知症の方もまともで、とても元気だと

言ってました。

ところが、迎えに行くと、クルマに乗り込むだけでも一苦労、間借りしていた家の駐車場から玄関までの

数メートルを歩くのもやっと、高めの上り框を上げるのも一苦労でした。



入所中に風邪をひいたらしくて、鼻水はだらだら、喘息はひぃひぃぜぇぜぇ。

処方された薬の副作用か、下痢までする始末。

入所前は30分おきぐらいにトイレに行っていたのに、一時帰宅中一度もトイレに行きませんでした。

すっかりオムツにしてしまうようになっていたのです。

しかも、下痢の為か大きい方もやってしまうのでオムツ交換がより大変になってしまいました。


オムツ交換時も、“マグロ状態”で完全人任せ、家族からしてみれば、まともどころか明らかに悪化している

と感じました。

本人の意向も聞かず施設に預けたことに対するいやがらせなのか、一か月ぶりに家族と暮らせる気の緩みなのか

定かではありませんが、どうにもお手上げ状態です。


間借りしていた部屋は座敷なので、食事も畳に座布団となりますが、座っていられなくなっていました。

右手で箸を持ち、左手で食卓にしがみ付いていれば起きていられるけど、茶碗を持つとスゥ~っと転がってしまいます。

寝たまま食べさせようかとすれば嫌がるし、座イスは使いたがらないし・・・

結局、食べ終わるまで、脇から押えてなければなりませんでした。


足掛け三日、二晩だけでもいっぱいいっぱいとなっており、施設に預かってもらわないととてもではありませんが

面倒を見る自信がなくなってしまいました。


本人は勿論、家族としても不本意ではありますが、このままでは在宅介護をしても、共倒れになってしまうので、

期間満了後、正式に入所できるように申請することにしました。


現在も仮住まいですが、その後のことを考えても辛い決断となりました。