お盆期間中に与えられた短い連休を利用して、秩父に気まぐれ旅行に出かけました。
何のスケジュールも目標も計画性もないお出掛けだけど、夏休みらしく水遊びしたりして、
山登りとは違ったダラダラ加減が久しぶりに新鮮な感じでした。
一日目は国道140号を秩父湖の方まで走って、
朝の不動滝目指してプチトレッキング。
この地域には同じ名前の滝が多いので、位置は以下地図リンクからご確認ください。
google秩父観光情報案内マップ
【不動滝のいわれ】
荒川に流れ込む大除沢がつくる不動滝は落差50mもあり、その荘厳さを不動明王になぞられて、不動滝としたのだろう。大除沢には昭和の初期に多くの山林業者が入山し、守護神として不動様を信仰したという。
徳川時代の末期には、業者が修行場として使用したとも言われている。
駐車場はありませんがあずまや手前の路肩に5~6台駐車できそうな広い空間があります。
ここから往復50~60分で滝に行けるそうです。
針葉樹の道を下り、短い吊り橋を渡ります。
水がきれいだな~
針葉樹の立ち並ぶ山道をゆっくり登ります。
今日は山登りしないつもりだったからめんどくさい…
埼玉の山はこの時期暑いし、登った所で眺めのいい山頂に出るわけじゃないと思うと、気分も違うんですよね。
汗だくで登ってるプカプカは、いちいち愉快そうに相方に笑われます。
ムカー… すいませんねぇ登山家らしくなくて…
ささやきの滝
とってもかわいい小さな滝。
湧き水が山肌からしみ出て、
苔むした岩や木の根を伝って細い糸のように
滴り落ちています。
耳を澄ますと とても静かにチロチロ…
ささやいてますよ
ささやきの滝だわ~
随分登った所で
トイレ発見。
すぐ近くには神様が祀られています。
そしてここにはありがたい水場がありました。冷たくておいしい!
大除の水(和名倉山の名水)
和名倉山という名前に非常に興味を持ったので、後で調べました。
【和名倉山】標高2,036mの山で、奥秩父山塊の一つ。別名白石山(はくせきざん)。
日本二百名山の一つに数えられているが、奥秩父の縦走路から孤立していることや、1960年代の森林伐採や山火事で山域の荒廃が進んだ。ルートがはっきりせず、暗い樹林帯が多い難路となっていて、安易に入ると遭難の危険がある。
この水場をピークに、今度は少しだけ下って不動滝に出ます。
不動滝
スケールの大きい滝でした。
さっきまで秩父の山の蒸し暑さでダッラダラだったけど、天然のクーラーで最高に涼しい!
ふわ~っと冷たい風が舞ってます。
滝の目の前に立派な巨木が立っているのが素晴らしい景色でした。樹齢何百年だろう…
見覚えのある葉っぱ。
調べたらトチの木の葉に似てるようです。
この辺は広葉樹の生え方がとてもきれいで、
秋にはもっと美しい様子になりそう。
薄暗い渓谷にいると上ばかり見てしまいます。
「あの辺に登って行きたい…」
さっきは登ることにブツブツ言ってたくせに、無意識にも今そんな感覚でいる自分に気付いて、言葉にしませんでした。
山を登る人にしかわかってもらえないこの心。口にしても笑い飛ばされるだけなので、胸に秘めるのです。
山を愛するみなさんにはきっと伝わりますね。
*********************場所を変えて道の駅大滝温泉へ。
ここは名前の通り立ち寄り温泉施設があります。
駐車場は狭いけど、屋根つきがあるので真夏とか昼間の車中泊は良さげです。
写真の建物は食堂・帰路館です。
ここで川魚の塩焼きを売っていたので、
アユを買って食べました。
しょっぱいけど最高においしいっす
腹ワタが好き。(酒呑でもないのに)
店の中で蕎麦も食べました。手打ち蕎麦はかなりの固めで、口に入れたらずーっと噛んでないとならないのでアゴが疲労。
ざる蕎麦と冷汁(ひやじる)蕎麦を頼んでみたところ、ひや汁が全然おいしく思えず衝撃的でした。
ダシの全くきいてない冷たくてしょっぱいミソ汁って感じ。 これにつけて食べると蕎麦の風味が何も生きない。
やっぱ ざる蕎麦は普通のツユが一番だなぁ…冒険するのはよそう…(写真なし)道の駅の後ろに流れる荒川源流の川原には、食堂脇の階段から下りることができます。
立派な山が見える…
あれなんていう名前かな。
この辺は水の流れが緩い溜まりがあるので、天然のプールみたいになってて、たくさんの人がビニールボートや浮き輪で水浴をしてました。
それを横目に浅瀬に足を入れて軽く水遊び。 こんなことしたの何年ぶりだろう。
いつも車窓から眺めて通り過ぎるだけだった景色の中に、たまには立ち止まってみるのもいいですね。昼間に川で水遊びするなんてすごく懐かしい気分です。
川底の岩が足裏のツボ刺激になって気持ちいいんだな。
でも照り返しの激しい所にずっとさらされていたせいで、手足に紫外線アレルギーがたくさん出てしまいました。
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次の日は有名な長瀞に行ったんですが、たまたま船玉まつりという花火大会の催される日だった為、
名物の岩畳には花火を陣取る人々の領地争いの縄張りシートが敷かれ、
通行規制された三角ポールとかバーが並んでいるわ、ちょうちんがぶら下がるわ…
お祭り一色で見事に自然景観をたのしむどころではありませんでした。
人も車も多いのなんの。 昨日の秩父は静かで車の通りも少なかった。 このギャップがまるで夢のようだ。
長瀞はさっさと適当に済ませて、郷土博物館に涼みに行って、花火の始まる前に逃げるように帰りました。
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帰りに国道299号沿いを走っていると、ピラミダルで立派な武甲山の全容がすごくよく見えます。
見事に切られ削られた痛々しい姿が本当にピラミッドみたいに見えて、胸に残りました。
独立した峰は端整な左右対称の重心と、尖った山頂が天を指している姿が本当に素晴らしい。
昔はこの地域の方々にとってシンボルになっていたでしょう。今は…
童話『幸福な王子』を思い出しました。街の民の自慢だった美しい装飾の王子の像が、貧しく苦しんでいる人々に心を痛め、旅のツバメに頼んでその身を飾る宝飾品や金箔を人々に分け与え、みすぼらしい姿になる。そしてそれを嘆いた民によって捨てられてしまうというお話。 今読んでも涙が出ます。
武甲さんのおかげで町が潤い仕事もあって、きっと今でもシンボルであることに変わりはないのでしょうね。
よそ者の私にはわからないことが そこにはある。
あの姿を見たら、一度登ってみたいと思いました。 いつか、山が全て削り取られてなくなってしまう前に… ←お気に召したらクリックしながら一言
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