F log
もし私がバレリーナを志す少女だったら、こう心に強く願うだろう。
“ ルシア・ラカッラみたいになりたい ” と。
ミュンヘン・バレエのプリンシパルふたり、ルシア・ラカッラとシリル・ピエールがゲストの
新国立劇場バレエ、ローラン・プティ版 「 コッペリア 」 初日をF嫁と観てきた。
25分間の休憩を挟んだ各1時間の2幕。
主要3役の他は6人の友人と衛兵・町の娘たちのコール・ド。出演者も少ない省エネ舞台。
暗転・転換も最小限でたいへんシンプルな舞台装置。だが安っぽさはない。
プティ版の特徴は変則三角関係。
コッペリウスは街で見かけたスワニルダに惹かれる。
スワニルダはフランツにゾッコン。
フランツはコッペリウスが造った自動人形コッペリアに心奪われる。
名ダンサーでもあったプティ自身がコッペリウスを演じたのが有名。
人形の足首と左手部分にゴムが巻かれ、コッペリウスは人形と激しく踊る。
結局スワニルダそっくりに造った人形に惚れたのだから、フランツはスワニルダとラブラブに。
ルイジ・ボニーノは背はあまり高くないものの、さすがにプティの体現者。
テンポがよく明るい舞台の中、切ない余韻を残すラストシーンもまた秀逸。
一度暗転してから一回、スポットが点灯するのもよい。
舞台の詳細は数多の優秀なるバレエブログにお任せするとして( 無責任!! )
やはり私はルシア・ラカッラについて書かねばなるまい。
マルセイユ・バレエでプティと縁の深いラカッラ。はっきり言えば、大好きになった。
超美人というわけではないがコケティッシュな魅力にあふれている。
全幕を観たのは初めてだが、とにかく人間離れした9頭身の肢体。(ポワントで立つと10頭身だ)
バレエに関わる女性ほとんどが無条件で憧れる脚。
プティの個人的趣味だろう、スワニルダは全編クラシック・チュチュ。
ザハロワもたしかに素晴らしいのだが、ラカッラはもっと華奢。
身長はほとんど日本人の平均と一緒。だがこの細さだ。
細いにゃ細いが、病的なガリガリさでは決してない。
友人たちと固まって並ぶと、やはり異星人としか言いようがない。
ご友人たちも近くで見たそうとう細いのだろうが・・
いや バレエというのはつくづく残酷な芸術 だねぇ。
コッペリアに夢中のフランツを振り向かせようと、様々なアプローチをするスワニルダ。
時にコミカルに。時にセクシーに。
表情豊かに、ときには肩などチラ見せさせつつ奮闘するが上手くいかない。
すねる時のラカッラは超絶にカワイイ
技術的に申し分ないのはもちろん、表現に余裕があるというかプティを踊りなれている
という安定感を感じる。
会場でご一緒だったHさん、Aさんご夫妻のご主人Hさんはラカッラのキトリが観たいと・・
大賛成。加えてニキヤも所望。
観ているうちに気づいたが、なんと4番がキレイなのだろう。
なにげないパとパの間、完璧な4番でスッと立っている。
そしてそのまま後脚をポワントしたら・・・それだけでノックアウトだ。
こいつはマルグリット。ヤン・ヤン・タンのときにも書いたが、この後脚のラインに弱いのだ。
マクミラン、プティ、に続く第3の脚フェチ発見
よくバレリーナのエックス脚という表現をするが、着衣ながらそれが実感できるのがこの写真。
脚があり得ない角度で伸びてないか?
公私とものパートナー、シリル・ピエールについて書くスペースが無くなった。
彼については、ヨハン・コボーと酒を酌み交わしてほしい。
いろいろ積もる話もあるだろう。深い意味はない
ラカッラの魅力に中てられたとはいえ、この記事はチョット変だ。いやだいぶ変だ
当日の舞台の様子をまったく伝えていない。
まあいい。
彼女の踊りを観ながら、40 過ぎのおぢさんでさえもほんの一瞬、
“ ラカッラになりたい ” と思ったのだから。
ザハロワ、ギエム、フェリと脚の綺麗なダンサーは沢山いるんですが、ラカッラの場合は、その細さのせいか、そのカタチや存在そのものが現実感がないような、不思議な空気なんです。なんだろうなぁ。
ザハロワは豪華、ギエムは強靱、フェリは可憐、と勝手に一言で表現するとして、ラカッラは何だろう??
うーん、彼女を表現するのに適当な言葉が思いつかない・・・・・。
リカちゃん人形や上海雑技団でも無理ではないかというような脚の角度でしたね・・・
それにこのスタイル・・・神様はなんて不公平なのでしょうか!(笑)
あのX脚で強いはすごい個性だと思えます。
ギエムの硬質な演技は、時と処を選びますよね。
ガラなどでは、ヒェ!とかするのですが
全幕はかなり演目にこだわらないと辛いときが
ありますが・(まっ、年齢を重ねるとまた違うとは)
ラカッラにも是非一度オメモジせねばと
思いました。
セミョーノワといい、これから素敵な人が
どんどん舞台を提供してくれるのは
かなり楽しみの多い老後になりそうで
嬉しいですね。
脚については、その昔シュットガルトの公演終了後
五反田の居酒屋で、彼らと同じ時間に飲んでいたのですが、当時ハイデと別れたばかりのリチャードクラガンが座っていた形がなんとも奇妙な造形だった
記憶が甦りました。
当日はお世話になりました。
公演後、飲んで食べてバレエ話もたっぷりできて楽しかったです
ラカッラ単独で舞台に存在していると、漫画の主人公のあり得ないプロポーションが現実に存在するということを思い知らされます。
全世界にはこんな体型の女性は少数ですがいらっしゃるでしょう。
だけどその方がバレエを志し、きちんとした指導者に出会い、舞踏上致命的な怪我もせず、自分の才能を開花できたというのは奇跡に近いです。
>ザハロワは豪華、ギエムは強靱、フェリは可憐
というわけでラカッラは「奇跡」でしょうか。
バレエネタにコメントありがとうございます
(プロを目指して)バレエを習っている方からすれば不公平ですね。
観る側から言わせてもらえれば、その不公平感は差が開けば開くほど突出した才能ということになり、それはそれは楽しみです。
身体能力という点では雑技団にも素晴らしい方がいらっしゃるでしょう。
バレエのアドバンテージは優美さ・・ですから。
もし機会があったら、一度ご覧いただきたいですね。
単なる●●オヤジの妄想みたいなレポでお恥ずかしいです
ギエムはもうクラシックは踊らなそうで、コンテで本当に自分にあったものだけ厳選していくのでしょう。
年齢もありますし・・
ラカッラも所属の団の関係でなかなか日本では全幕が見られないダンサーなのでよかったです。
長年の母さんにもぜひ一度ご覧いただきたいですね。
若手若手と言われていたコジョカルちゃんも今月で26歳。
すっかり中堅ダンサーです。
その下の世代、セミョーノワなども台頭しつつあり、先日のローザンヌなどでも次から次へと若い芽が発芽してきてますから楽しみですね。
ラカッラは女性から見てもめちゃめちゃ可愛くて素敵ですね~あこがれます。あんな宇宙人みたいなプロポーションを神様が作って、バレエダンサーにしてくださったことに感謝。
舞台に立つ彼女を見て、こんなのありえない!と思ってしまったほど。今目の前にしているものが現実だとは信じられないくらいでした。でも、これだけ宇宙的なプロポーションなのに、近寄りがたいわけではなく、かわいいな~と幸せになってしまうから不思議なものです。
1975年生まれなので、32歳くらいだと思います。
コメントありがとうございます。
仰るとおり
彼女がバレエを選んだだけでなく、バレエにも選ばれたという気がします。
(フルメイクをした)ザハロワに比べてホント親しみやすいですね
もっともっと彼女の全幕を観たいものです。できればパキパキの古典で・・