銃規制

　
F log






エアガン発砲事件相次ぐ


誤解が多いところですが、一般にエアガンというのは大きく二つに分かれます。

ひとつは免許と警察の許認可が必要なもので、エアガン（空気銃）と呼ばれます。
これは世界選手権、オリンピック競技などに通ずるれっきとしたスポーツです。
Fも18から二十歳過ぎまでこの競技用エアライフルを所持していました。
免許はいくつものハードルがあり、前科がないことや本人家族が暴力団関係者
ではないこと、精神疾患がないことなど多岐に及びます。
なにしろ許可申請が警察に出ると、所轄が近所に聞き込みに来ますからね。
「あそこのFさんの家は家族仲はどうですか」「怒鳴りあいの喧嘩などしてませんか」
「暴力団関係者のような人間は出入りしてませんか」「性格は温厚ですか」など。
アーチェリーや弓道と同様、純粋に射撃競技を志す人間に対してもこれですから。
残念ながら競技者としては芽が出ず、いまは免許、（許可が必要な）銃ともに返納しました。


もうひとつは、玩具業界の自主呼称によるところのエアソフトガンです。
これはプラスチック製の6～8mmの丸い弾を空気の力で打ち出す玩具です。
日本は世界に冠たる銃規制国家です。故に玩具としてのエアソフトガンが発展したと
思われます。一定レベルの製品は玩具でも18歳以上でなくては購入できません。
日本の玩具銃のレベルは世界一で、プロポーションや寸法は実銃とほとんど同じ。
各国の軍が訓練用に採用を検討（一部試用中）しているくらいです。
トップ写真はF所有のエアソフトガンですが、黄色いシールが張られている部品と
その右となりの部品は、海外から輸入した実銃パーツです。
この本物そっくりの玩具銃を持って何をするかといえば、いわゆるサバイバルゲームです。


左－屋内用装備、右－野外用装備　ともに中身はFで撮影はF嫁　家庭内３丁規制は健在。

ゲーム主催者、参加者がなにより重視するのは安全です。
最近でこそ一般立ち入り禁止の専用フィールドが、山中に設置され快適にゲームできる
ようになりましたが、以前は地主さんに山の使用をお願いし、管轄の警察署にどこそこの山で
何日何時にゲームやるからよろしく、と届出しておりました。
各人ホイッスルを持ちゲーム参加者以外、たとえば山菜取りやキノコ取りの一般の方などと
遭遇したらゲームは即中止。その方を安全圏までお送りするまで一切の動きを止めます。
銃もゲーム開始前に弾速測定器で計測。規定内に収まっているかどうかチェックし、
威力がありすぎる改造銃では参加できません。
弾も以前はプラスチック製でしたが、最近はバイオ弾といって数年で分解して土に還る製品
でなくてはゲームで認められなくなりました。

安全面での規制も、ゲーム時以外は銃口に安全キャップをしなくてはならない。
銃はケースに入れて持ち運ばなくてはならない。迷彩服のまま近所のコンビニに行ってはならない。
目は強度を保障されたゴーグルで覆わなくてはならない。極力肌の露出を避けなくてはならない。
スニーカーでは参加できない。グローブもなくては参加できない。他にもまだまだあります。
このうるさいくらいの自主規制は、この銃規制の国家で趣味として生き残っていくため
最低限のルールです。

いま日本各地で奔放に無分別に無差別に発砲している諸君。
防護していない一般の方に発砲するのはもちろん、改造した金属弾で威力を高めるなど
もってのほかだ。
君たちが刑務所に行きたいのならそれは勝手だが、その製品を作っているメーカー、
それら製品群をルールを厳守して愛好している者たちに対してどう言い訳するつもりだ。
彼らに対して厳罰を望むと同時に、これらが玩具たるエアソフトガンの規制につながらない事を
願ってやみません。





ちなみにサバイバルゲームはゴルフとならぶ「紳士のスポーツ」です。
相手の弾に当たった当たらないは自主判断に任されているからです。
当てられたら「ヒット!」と大声で叫んで両手を挙げ、速やかに指定された安全地帯に
移動しなければなりません。
当たっているのに無視して続けることも出来ます。が、そのようなプレイヤーは
ゾンビと呼ばれ、ゲームに参加できなくなります。