経済なんでも研究会

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“コロナ前”に戻した 株価 (下)

2020-09-04 08:22:14 | 株価
◇ テスラの株価は1年で5倍に = ダウ平均は史上最高値に接近、日経平均もコロナ前の水準に戻ろうとしている。だが、これらの平均株価を構成する銘柄は多種多様。なかにはロケットのように上昇した銘柄もあれば、伸び悩んでいる銘柄も少なくない。全体としてみれば、ハイテク関連や“巣ごもり”関係の銘柄が大きく上がり、自動車や鉄鋼、空運や陸運は置き去りにされた格好。明暗の二極化ガ鮮明となっている。

ニューヨークのナスダック市場には、有力なハイテク銘柄が結集している。アップルやアマゾン、マイクロソフトやアルファベット・・・。IT関連の超巨大企業が首を揃えているから、ナスダック指数は史上最高値をどんどん更新中だ。さらにEV(電気自動車)のテスラまでが、これに加わった。テスラの株価は1年間で5倍に上昇、時価総額ではトヨタを上回った。その一方で、アメリカン航空や石油のエクソン・モービルなどの株価は大きく出遅れている。

東京市場でも、状況は同じ。ゲーム関連のカプコン、任天堂などは大幅な値上がり。ネット広告や医療関連の銘柄も、根強く買われている。その半面、JALやANA、JR各社の株価は浮揚しない。これら空運・陸運の各社は、4-6月期にいずれも大幅な最終赤字に落ち込んでいる。自動車・鉄鋼・非鉄などの業種も、経営が苦しい。

コロナ不況によって、上場企業の株価は二極化した。これを銘柄数でみると、株価が上昇した銘柄数よりも冴えない銘柄数の方がずっと多い。にもかかわらず平均株価が上昇するのは、元気な銘柄の上昇率が高いからである。逆に言うと、投資できる銘柄が絞られているため、そこへ資金が集中する現象を生み出した。それほど世の中には、カネがあり余っているわけだ。二極化したうちの一極では、株式インフレが生じていると言えるだろう。

       ≪3日の日経平均 = 上げ +218.38円≫

       ≪4日の日経平均は? 予想 = 下げ≫


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