経済なんでも研究会

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ことしの夏も 電力ピンチ!

2023-04-01 07:32:17 | なし
◇ 政府はこの1年間なにをやったのか? = 日経新聞は29日の夕刊(東京版)で「電力需給、今夏も逼迫」と報じた。経済産業省がこの夏の電力予備率を予測したところ、東京電力管内では「7月が3.0%、8月が3.9%」になる見通し。電力の安定供給には3%の予備率が必要な最低限度。また政府は予備率が5%を下回ると「電力需給逼迫注意報」を出すことにしている。したがって、この数値は完全な危険水域だと言える。

予備率というのは、ピーク時の電力需要に対して供給力の余裕がどのくらいあるかを示す指標。供給力から需要を差し引いた値を需要で割って算出する。需要には常に3%程度の変動が伴うため、予備率が3%を下回ると需要が供給を上回って大規模停電を起こす危険度が高まるという。

昨年夏も電力はピンチだった。政府は6月に初の「電力需給逼迫注意報」を発令、企業や家庭に節電を呼びかけた。その結果もあって、なんとか停電は免れている。ことしは、どうだろう。全国の桜が例年より早く開花したことをみても、夏は暑くなりそうだ。またコロナが下火になったことから経済の正常化ガ進み、人々の社会・経済活動が活発になっている。需要は昨年よりも大きくなるのではないか。

その一方で、供給力はほとんど伸びていない。1年前に比べて原発の稼働数は増えていないし、太陽光や風力など再生エネルギーによる発電量の増加も微々たるものだ。その結果、発電に使用されるエネルギーの大半は輸入燃料に頼る火力。温暖化ガスの排出は減らないし、燃料の輸入代金がかさんで貿易赤字は年間20兆円を超える。購買力の海外流出が巨大なため、景気も浮上しない。この1年間、政府は何をやってきたのだろうか。

        ≪31日の日経平均 = 上げ +258.55円≫

        【今週の日経平均予想 = 1勝4敗】     

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