経済なんでも研究会

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中堅・中小の先行き悪化 : 日銀短観

2018-10-02 07:03:39 | 景気
◇ 大企業よりも景気に敏感 = 日銀は1日、9月の企業短期経済観測調査を発表した。最も注目される大企業・製造業の景況判断指数はプラス19で、3か月前の前回調査より2ポイント悪化。大企業・非製造業もプラス22で、前回より2ポイント悪化している。ただ先行き見通しについては、製造業、非製造業とも現状と変わらないという結果が出た。また18年度中の大企業の設備投資は前年度比13.4%伸びる見込みで、景況判断の低下は台風や地震などの自然災害による一時的な現象だという見方が強い。

今回の調査は、全国9900社の企業を対象に、9月28日までの1か月にわたって行われた。このうち大企業は約1900社、中堅・中小企業は約8000社となっている。景況判断指数は「業況がいい」と答えた回答の割合から「悪い」と答えた回答の割合を差し引いた数値。大企業・製造業の場合は昨年12月の調査がピークで、その後は3四半期にわたって数値が低下している。

目についたのは、中堅・中小企業の先行き判断が悪化したこと。中堅企業では3ポイント、中小企業では5ポイントの低下が見込まれている。設備投資計画についても、中堅企業は17年度の12.0%増から18年度は9.0%増に鈍化。中小企業は0.5%減から8.4%減へと、マイナス幅が広がる。

一般的に言って、景気が下降する際には、大企業よりも中堅・中小企業の景況感の方が早く悪化する。今回の数字がそういう現象の表れだとはまだ言えないが、注意する必要があることは確か。短観を見る場合、いつもは大企業・製造業に注目が集まるが、ときには中堅・中小企業を重視した方がいいこともある。

       ≪1日の日経平均 = 上げ +125.72円≫

       ≪2日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

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