経済なんでも研究会

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値上げの春に 考えること (上)

2018-03-08 08:09:04 | 物価
◇ 庶民の物価と日銀の物価 = やっと春がきたら、値上げラッシュもきてしまった。電気とガスの料金は、3月に続いて4月も上がる。3月から4月にかけては、ビール・冷凍食品・アイスクリーム・パックご飯・トイレットペーパー・・・。それにテーマパークの入場料や宅配便・引っ越し料金も。値上げの理由はいろいろだが、原油など原料価格の上昇と人件費の高騰が大きい。

物価が上がれば、家計は圧迫される。同じ1万円札でも、使い出が目減りしてしまうからだ。だから家計にとっては、物価は上がらない方が望ましい。ところが政府・日銀は、物価を2%まで上昇させようと懸命に努力している。ここで問題なのは、庶民にとっての物価と政府・日銀が言う物価は違うということだ。

総理府は毎月、消費者物価指数を作成して発表している。たとえば1月の統計をみると、まず総合指数は前年比で1.4%の上昇だった。ここから生鮮食品を除いた指数というのがあって、これが前年比0.9%の上昇。さらに生鮮食品とエネルギーを除いた指数だと、前年比は0.4%上昇。そのうえ食品全部とエネルギーを除いた指数では、0.1%の上昇だった。

生鮮食品の値段は天候に左右されやすい。エネルギーは国際価格によって決まる。だから、これらを除いた物価指数も作成している。そして政府・日銀は、特に生鮮食品とエネルギーを除いた指数をコア指数と呼んで重視する。1月の場合は、0.4%しか上昇していない。しかし家計にとって、生鮮食品とエネルギーは重要な支出項目だ。これらを含めると、1.4%も上昇している。この感覚の差が、いまの日本経済に大きな問題を持ち込んでいるのではないだろうか。

                              (続きは明日) 

      ≪7日の日経平均 = 下げ -165.04円≫

      ≪8日の日経平均は? 予想 = 上げ


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