◇ 大きい対外資産で、かろうじて‟経済大国” = IMF(国際通貨基金)が発表した最新の推計によると、ことしの日本の名目GDPは633兆円。ドル換算では4兆2308億ドルとなる見込み。ドイツは4兆4298億ドルとなり、日本はドイツに抜かれ世界第4位に転落する。第1位はアメリカで20兆9496億ドル、第2位は中国で17兆7009億ドル。名目GDPをドル換算すると、円安や物価高の影響で日本は小さく出やすい。たとえば物価上昇率はドイツの方が、日本よりずっと高かった。
しかし長期的にみても、日本の成長率は伸び悩んでいる。たとえばコロナ前の19年と23年の推計値を比べると、アメリカは26%の増加、中国は23%の増加、ドイツは14%の増加だった。これに対して、日本は17%の減少となっている。これでは抜かれて順位を落とすのは当然だ。第一生命経済研究所は、この調子だと26年にはインドにも抜かれると予測している。
GDPというのは、一国の経済活動の大きさを表す指標。だから人口が多い方が、大きくなりやすい。これに対してGDPを人口で割った1人当たりGDPは、国民の平均的な経済力の高さを示している。ところがIMFの推計をみると、日本はなんと世界第32位。先進国のなかではどん尻だし、ブルネイやサウジアラビアにも抜かれている。いま日本国民の不満がここに集中していることを、岸田首相はご存知ない。
対外資産という指標がある。政府・企業・個人が外国で所有する資産から負債を差し引いた数値だ。これは日本がまだ世界第1位。その金額は3兆1654億ドル。このおかげで、日本はかろうじて‟経済大国”の面目を保っていると言えるだろう。高度成長期に貯め込んだ‟お宝”である。だが第2位のドイツは2兆9329億ドル、ここでも日本の背中に迫ってきている。
しかし長期的にみても、日本の成長率は伸び悩んでいる。たとえばコロナ前の19年と23年の推計値を比べると、アメリカは26%の増加、中国は23%の増加、ドイツは14%の増加だった。これに対して、日本は17%の減少となっている。これでは抜かれて順位を落とすのは当然だ。第一生命経済研究所は、この調子だと26年にはインドにも抜かれると予測している。
GDPというのは、一国の経済活動の大きさを表す指標。だから人口が多い方が、大きくなりやすい。これに対してGDPを人口で割った1人当たりGDPは、国民の平均的な経済力の高さを示している。ところがIMFの推計をみると、日本はなんと世界第32位。先進国のなかではどん尻だし、ブルネイやサウジアラビアにも抜かれている。いま日本国民の不満がここに集中していることを、岸田首相はご存知ない。
対外資産という指標がある。政府・企業・個人が外国で所有する資産から負債を差し引いた数値だ。これは日本がまだ世界第1位。その金額は3兆1654億ドル。このおかげで、日本はかろうじて‟経済大国”の面目を保っていると言えるだろう。高度成長期に貯め込んだ‟お宝”である。だが第2位のドイツは2兆9329億ドル、ここでも日本の背中に迫ってきている。