◇ 移行期間は延長される公算大 = きょう1月31日、イギリスは正式にEUから離脱する。だが明日になっても、イギリスとEUの関係は何も変わらない。ことし12月31日までは移行準備期間で、従来の状態が継続されるからだ。しかしイギリスはこの期間中に、EUや他の諸国と死に物狂いの交渉を行うことになる。およそ750の条約や協定を新たに結ばなければならないが、年末までにどれほどの交渉をまとめられるのか。全世界が見守ることになる。
まずは最大の輸出市場であるEUとの交渉。イギリスはこれまで通りの「ヒト・モノ・カネの自由な往来」を要求するが、EU側が応じるはずはない。勝手に脱退して分担金も払わなくなる国に、加盟国並みの待遇を与えることは出来ないからである。そこで交渉は品目ごとの関税率を決めることになり、面倒な作業が必要だ。ほかに漁業権やエネルギーなど、厄介な問題も解決しなければならない。
同時にイギリスは、アメリカや日本などEU以外の国とも、FTA(自由貿易協定)を結ぶ必要がある。いかに大英帝国とはいえ、これだけの作業を短時間でこなすだけの官僚はいないだろう。特にEU内部には「これから先、イギリスは貿易の競争相手になる。だから厳しく対応しなければ」という空気も強い。結局、EUとの交渉は長引き、移行準備期間を延長せざるをえないのではないか。こんな観測が、早くも関係者の間には流れ始めた。
ところが交渉が長引けば、その間にイギリス経済はじわじわと蝕まれて行く。だからジョンソン政権としては、一日も早くEUや各国との協定を結びたい。しかし不利な条件で妥協すれば、国民の支持を失ってしまう。スコットランドや北アイルランドの独立運動に、火が付くかもしれない。必死の覚悟のイギリスとEUとの激闘が始まる。
≪30日の日経平均 = 下げ -401.65円≫
≪31日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
まずは最大の輸出市場であるEUとの交渉。イギリスはこれまで通りの「ヒト・モノ・カネの自由な往来」を要求するが、EU側が応じるはずはない。勝手に脱退して分担金も払わなくなる国に、加盟国並みの待遇を与えることは出来ないからである。そこで交渉は品目ごとの関税率を決めることになり、面倒な作業が必要だ。ほかに漁業権やエネルギーなど、厄介な問題も解決しなければならない。
同時にイギリスは、アメリカや日本などEU以外の国とも、FTA(自由貿易協定)を結ぶ必要がある。いかに大英帝国とはいえ、これだけの作業を短時間でこなすだけの官僚はいないだろう。特にEU内部には「これから先、イギリスは貿易の競争相手になる。だから厳しく対応しなければ」という空気も強い。結局、EUとの交渉は長引き、移行準備期間を延長せざるをえないのではないか。こんな観測が、早くも関係者の間には流れ始めた。
ところが交渉が長引けば、その間にイギリス経済はじわじわと蝕まれて行く。だからジョンソン政権としては、一日も早くEUや各国との協定を結びたい。しかし不利な条件で妥協すれば、国民の支持を失ってしまう。スコットランドや北アイルランドの独立運動に、火が付くかもしれない。必死の覚悟のイギリスとEUとの激闘が始まる。
≪30日の日経平均 = 下げ -401.65円≫
≪31日の日経平均は? 予想 = 上げ≫