ぷれしおさのフラメンコ日記

水野直子の東京フラメンコブログ。
フラメンコ教室、コンパスとバイレ、日々の自分。

カテドラルと言えば?

2013-08-31 23:51:44 | アートいろいろ
私にとってカテドラル(司教座)とは大阪でも東京でもなくマドリードなんですけど
今夜のテレ東「美の巨人たち」は丹下健三の東京カテドラル聖マリア大聖堂でした。
日本の建築家シリーズの告知が始まってこれは絶対観よう、と決めていました。

ステンレスでピカピカの、カトリックと言えばゴシック、から大きく外れている(ように見える)教会なので、スペインの教会を見慣れた私の目からはとても不思議な存在です。
上京以来ずっと気になりつつ、都内で行ったことのあるカトリック教会は上野、吉祥寺と麹町だけ。
東京都民になったしいつかは行かなくちゃな~、と思いつつ私にとってアクセスが決していいとは言えないところにあり…。
とはいえ明日行くと混んでるんだろうな。でも混んでいるからこそイチ観光客として混じってもいいかも

丹下健三と言えば東京都庁。
出来た当時、東京のビルってなんて斬新なんだろう(私の両親はこき下ろしていました)、と思っていましたが、今の東京カテドラル聖堂が出来たのはもう50年前だそうで、彼の才能が斬新なんですね。
また、それを形に仕上げたたくさんの大工さんたちの技術や職人技もため息。
調べてみると丹下健三は洗礼名がヨセフだそうですね。イエス様の養父、大工さん!
聖堂内はコンクリート打ちっぱなしですが、そのごミサの雰囲気はまさにゴシック、らしいのです。

でもテレビとネットの受け売りじゃあねえ…。
あ~、明日の主日ミサ、カテドラルに行きたいなあ。
と、サイトを見ると大司教様の着座記念ミサだって。今日のテレビもあったしもしかして大混雑??

咲けるならどう咲く?咲いたとすれば?

2013-08-17 23:50:41 | アートいろいろ
「置かれた場所で咲きなさい」という本がミリオンセラーになっているそうです。

いわゆる自己啓発本は、ひたすら節約して留学資金を貯めていた頃フラメンコの先輩にいろいろ薦められ、片端から読んでインスパイヤされていました。
しかしながら帰国後厳しい時間を過ごすうち、そういうことばはむしろ私の胸に負担となり、
成功した人の話から目をそらすようになりました。

その後さらに時間が経って自分の中で決着をみたり、努力らしいことが実を結ぶにつれ、
かたくなってしまった心もほぐれ、うまくいかない時間の乗り越え方や自分の扱い方を自然と身につけて行きました。

去年発売されたこの本はあちこちで取り上げられ、私もとりあえず立ち読みしていました。
正論中の正論、当たり前のことが普通のことばで綴られているので、すでに立ち直った私にはあまり必要のないことかな、とも思うのですが、近々筆者渡辺和子氏の講演会があることを知り、しかもテーマがずばり「咲くということ」だそうで急にきちんと読みたくなりました。

立ち読みとはいえあらかた読んでいた(笑)のでちょっとだけ躊躇したのですが、
ここはやはり買うべきだろう、と思ってちゃんと本屋で買って読みました。

ところで今日から始まった新しい映画の公開記念のトークショーに、最近私の中で注目している人がゲストとして出演するそうで興味シンシン
その人の本は先週末に買って読んでいて、おまけにどうやら来月高田馬場で彼の講演会があるらしく。
馬場の講演会は若者向けなのでちょっと入りづらいのだけど、映画のあとに聴けるトークショーは平日の昼間だしそれに行ってみようかな、と昨日の新聞をいつまでも眺めています。

渡辺氏の講演会と映画上映後のトークショーと、なんだか来月は人の話を聴く月間になるのでは


もう一度、あのマルメロを

2013-07-28 23:46:32 | アートいろいろ
先日アントニオ・ロペス展に行ったことを夫が覚えていてくれて、
今夜の日曜美術館で放送するよ、と教えてくれたので晩御飯の支度をしながら見ました

あの大きなマドリードの風景画を描いたビルからの本物の景色や、
最近スペインで行われた彼のワークショップの様子などがたっぷり見られました。
その中でもう一度見たいあの映画「マルメロの陽光(el sol del membrillo)」のあらすじが
映画の映像とともに紹介されていました

たった一度、それも20年も前に観た映画で、あまりにも淡々とした静かな映画だったので
途中眠ってしまったのですが(爆)、それでもあのマルメロの木と対峙している
光景が胸に焼き付いてシーンのところどころが忘れられません。
それがほんのちょっぴりとはいえNHKで紹介されていたので嬉シカッタ

うんと昔NHKのスペイン語講座のテキストにも取り上げられていたことがあったと思うのですが
その時点ですでにこの映画は日本では手に入らなくなったので、表紙に惹かれて買ったはずです。
でもそれもずいぶん前なのでもう手元にありません。引っ越しを繰り返しましたし。

絶版になったDVD、再販にならないかなあ

その難しさを知っているものだけが、夢を見続けることができる。

2013-07-14 23:03:44 | アートいろいろ
「オレたちバブル入行組」という小説が面白いと、夫がハマっていたのを
なんとな~くは覚えていました。
それがドラマ化され、先週帰宅したときに珍しくテレビにかじりついている夫を見て、
これは相当なのかも、と思って私も読んでみました。

バブル時代の就職戦線…。
そのころ高校生だった私は、将来こんな風に就職活動をするのか、というのはまだ思い描けなくて
それでもその「将来」はそんなに遠い未来ではないことはおぼろげに理解していました。

ところが大学に入学したころバブルが崩壊、就職活動を始めるころ、今では当たり前に聞かれる「就職氷河期」
という言葉が最初に世の中に出回り始めた時代でした。

そんなバブル時代の就活の様子を今の30代以下の読者は苦々しく読んだのでしょうが、
私たちはまだ初期とはいえ、すぐ目の前で狂乱の様子を見ていた分、
(なんで大学入ったとたんこれなの)と、言いようのないもやもやを抱えていたものです。

さてこの小説のライトシーンの主人公のセリフが今日のタイトル。
「夢を見続けることは難しい」と言った同僚の言葉を受けて出たセリフ。
苦しんで、苦しんで、さらにたくさんのことを犠牲にして生きている人だけが見続けられるって、
思い当たることがありすぎて、とても胸に響きました。


でも今週はのんびり行きたい。

2013-07-08 22:33:28 | アートいろいろ
先週は月曜日から日曜日までスケジュールぎっしりで、さすがに疲れました。
でも本当に楽しかったのでよかったです。

金曜だったフラメンコのニューウェーヴ、今年はカンテ(歌)コンサートだったのですが
これがもう圧巻のコンサートで、私は楽屋係に関わらず上手袖に回って何人かの歌はじっくり聴かせていただきました。

日本人のフラメンコ愛好家はたくさんいますが、その多くがバイレ(踊り)次いでギターなので
カンテのコンサート、まして全員日本人だとなかなか難しいようです。
それでも日本人アルティスタの素晴らしさ、謙虚さ、そして本場のフラメンコに対する大きな愛とリスペクトが
胸にせまります。何度もぐっとくるところがありました。

私はバイレの端くれ中の端くれですが、いつまでもたゆまずフラメンコへの愛をささげ、
希望と夢を抱いたまま生きていきたいと思います。
夫いわく「信者」だそうです。
たしかに誓願を立てた修道女に近いかもしれませんよ。

また今日から自分の練習も開始。
月末のサラまで暑さに負けないぞ!

感動の再会? 

2013-06-08 23:58:37 | アートいろいろ


おとといガスパチョの材料を仕込んでいたので、朝っぱらからミキサーにかけ仕上げました。
にんにくは控え目、でも濃厚に作ったガスパチョは少しずつゆっくりいただきます。
キッチンに吹いたスペインの風があまりに懐かしくて、いそいそと渋谷Bunkamuraへ出かけました。

やっとアントニオ・ロペス展に行ってきました!
ポスターを観たりテレビの宣伝だけをみたりしていたので、とても楽しみにしていました。
あの「かりん」に会える!

宣伝などでは今回のポスターにもなったグラン・ビアとアルカラ通りの始まりの場所がクローズアップされ、そこにイーゼルを立てている画家の姿が幾度となく紹介されていました。
勿論既に20年以上マドリードに住んで通って入れ込んでいる私、巨大なマドリーの風景画を目前にして
胸がいっぱいになりました。
去年行ったばかりなのに、すでに恋しく思っています。

さて、それより観たかったのはかりんの絵。
かりんと言っても日本のかりんとは違って、マルメロと呼ばれています。
ビクトル・エリセ監督の「マルメロの陽光(el sol del membrillo)」が日本で公開されたのは93年でしょうか。
当時大学生だった私は、スペイン映画という理由だけで映画館に行きました。
スクリーンに描き出される光や空気が、マドリードが大阪にやってきて、
すでにマドリードを知っていた私は冒頭からうっとりした記憶があります。

時は流れ、この映画のビデオやDVDを探したのですがどうしても見つからず、私の記憶の中だけに
そのマルメロの木と絵がありました。

なので、今日その絵(映画で描かれた絵そのものではないそうですが)に向き合って
画家の見つめるマルメロへの視線より、私自身が20年前に映画で観た景色・空気、そしてあのマルメロが鮮明に蘇り、
20年前の映画館でひとり過ごしたあの時間を思い出しました。



アントニオ・ロペス展は来週までBunkamuraギャラリー。





クラシックに傾くとフラメンコもまた見える。

2013-05-19 23:13:34 | アートいろいろ
所沢の市民ホールに、国分寺市内の楽団オーケストラの演奏会に行ってきました。
演目は私にはあまりなじみのない楽曲ばかりだったので、とても新鮮でした。
現代音楽に近いジャンルの音楽は解釈にも人それぞれの部分が多いので、難しい部分も多かったです。

今までオーケストラのパーカッションに注目してきたことがなかったのですが、
今日は次々と楽器を持ち替える打楽器奏者の手元が興味深く、最後の曲までじっくりみてみました。

フラメンコ舞踊というのは(ざっくり言うと)楽団の指揮と打楽器の担当です。
手や足からどういった音を奏で、音楽に意味をもたらすのかがだいご味ですが、
そういった方向からオーケストラのパーカッションを眺めるのもとても楽しかったです。

明日はたっぷりフラメンコに励もうと思います。

上着より日傘。

2013-05-18 23:34:58 | アートいろいろ

昨日のログに、当時のワタシを知るひとからツイッターからリプライがあったので、
そのときの腕時計をアップ。黄色の部分は元は透明で、すっかり変色しています(バンドは交換しました)。
もう10年くらい使っていませんが、すぐに目につく場所にいつも置いてあるのです。

今日の東京は暑かったですね。さらっとはしていたのですが、日傘が欲しくなるほどの日射しでした。

今日は夕方以降のレッスンがなかったので、六本木に出かけミュシャ展を観てきました。
六本木ヒルズはほとんど行ったことがないくらい縁遠い場所ですが(美術館のみ)、
土曜に行くのは初めてだったのであまりの混雑にびっくり。

まずチケットを買うための列が80分待ちとか?持っていても40分待ちと言われ軽くひるむ…。
まあ仕方なしと「チケットあり」に並びました。持っていなければ諦めるところでした。
チケットを持っていても入場制限がかかっていたのでなかなか入れず、
入ってもものすごい人でミュシャと言えばこれ!というパネルやアナ・サラサールのポスター(看板)などは
近づくにも行列です。

西洋美術館で数年前に観た以来でしたが、スラブ叙事詩の習作群は初めてだったのでそこを中心に観ました。
でも人が多すぎてくたくた。
グッズを扱うブックショップも、レジにあまりに人が並んでいるので商品だけざっと眺めて早々に退出。
以前買ったものもまだあるし…

ミュシャ展は明日までです。


恐怖映画ってなんだろ。

2013-02-18 23:55:20 | アートいろいろ
映画「アザーズ」をテレビで観ました。
観るとはなしに観ていたら意外と面白かったのでつい最後まで観て(家事もせず…)、
そこで調べてみるとアレハンドロ・アメナバル作品でした。

初めて観たアメナバル作品は「蝶の舌」。スペイン内戦勃発時代のとても美しい映画で、
DVDでなく映画館で観るべきだったな、と思った美しく悲しい映画でした。
どうやら「蝶の舌」の次の公開作品がこの「アザーズ」のようです。

ウィキペディアでは「スリラー映画」にジャンル分けされていました。
映画はだいすきですが怖い系と思われるものは避けてきたので、
よく考えると怖い映画にどんなものが含まれるかをまったく知らず、これがスリラー映画だなんて少し驚きました。
おどろおどろしいというより、どちらかと言えばオカルトメルヒェンチックに描かれたこの作品は
怖いと思わなかったので、単純に私の言う「怖い映画」はもっと限られているようです。

評価がどんな風にされているのかまったく分かりませんが、私が最後まで観てしまったというのは
アメナバルが好み、ということなんでしょうね。

アメナバル監督は日本ではおそらく「空を飛ぶ夢(Mar adentro)」という尊厳死を扱う映画で有名になったと思います。
ちょうど母を失う頃だったのであまりにつらくて映画館に行くことが出来ずDVDで観たのですが、
それでもまだきちんとは観ることが出来ませんでした。
改めて観たいと常々思っているのですが、今度は父を失ってしまったので当分先伸ばしです。

アメナバル監督って72年生まれで、私と同い年なんですね(3月生まれ)。
単純ですが勝手に親近感を持ってしまいました

ようするに、気が済むまで。

2013-02-17 23:56:28 | アートいろいろ
読みづらい、なんて言いつつ苦手な固茹でシリーズをどんどん読んじゃってます。
本を読むって勢いがつくと他のことをほったらかして読んでしまうので、
私にとってあまり好ましくないのかな?と思う事も多々あり。

電車に乗っている間にメールだのをやっつけるようにしているので、
移動時間はある意味仕事なのですが、これも続きが気になってしまうので
どうしても文章を練らずに送信しているかも…。

これを「読みづらい本」と呼んでいいのか、ちょい疑問と思ったり。

まだ続きが数冊並んでいるので(さらに夫が第一作から読み返しているので)
全部読み終わるまで止まりそうもありません。

とりあえずの終了は迎えたのですが、昨夏猛特訓して身につけた技術のブラッシュアップのため
再びレッスンを取ることにしました。
すでに出版されているシリーズ作品を読み終わるのは最後が見えているので簡単ですが、
自分の芸を磨くのは終わりがないのでひたすら苦しくつらいことです。

なぜそこまでして?と自問自答しますが、あがいて登ったところからしか見えない景色が観たいからなんでしょうね。