韓国視察掲載を読んでくださっている応援の記事が
うれしいです!
有難うございます。
さて、8年ぶりに訪れる韓国テジョン市女性センターの前に立ったときには本当に
胸キュンでした。
****************つづき
<大田女性会館の概要>
1993年 1月12日 オープン
建物は地上4階 地下1階
2004年2月19日に分館として女性
文化会館をオープン運営
<推進している課題と事業(16事業)>
女性の社会参加、ライフスタイルの向上のため時代の変化に対応できる社会教育、健康な家族文化を定着するためのプログラム開発、経済的発展を目的として女性が働く場所を生み出し、市民が利用しやすい場所としての運営を目指している。
女性の経済能力向上のための技術・職業の社会教育30科目、潜在能力開発・趣味教育23科目、教養・情報科教育14科目、季節講座、意識向上の教養特別講座、60歳以上のシルバーダンス、生涯学習大学、家族機能回復の相談プログラム、女性と子どものための4ヶ所の相談室、保育所、職業情報センター、ボランティアバンク(152名が活動)、一人暮らしの老人への福祉活動(キムチ作り)、受講生の作品の常設展示販売、発表会、運動会、市民への会場開放、外国人への韓国文化紹介文化会館をオープン運営
<質疑応答>
Q1:運営の基本はどこか、同様の施設が他市にもあるか。
A:大田市で市の予算を使って運営しており、他の市でも多くある。
Q2:ここで学んだことを活用し、社会で働く次のステップの繋ぎの役割を担っているか。
A:教育は技術、副業、趣味、教養、情報科があるが技術、副業の講座を終了した人が起業しているケースがある。技術教育の中で洋裁、機械刺繍、韓服などを学んだ起業の割合は高い。趣味、教育の受講生が講師になる例もある。
Q3:女性が働く、また仕事をつくりだすことは難しいが、ここで学んだことの支援策はあるか。
A:韓国には中小企業支援センター、商工支援センターがあって起業をやるための支援がある。女性会館でも相談を受けている。保健福祉部の融資もある。商工支援センターで起業したい人を優先することもある。
Q4:女性会館を使用している人たちで政策提言、女性の地位向上の運動を自主的にしているグループがあるのか。
A:政治的に働きかけはしていない。書道、陶芸、文章を書く教育を受けたあとで、サークル、写真同好会など自主的に発表活動などを行い、また仕事に繋げることをしている。
YWCAは政策的にはあるべき幼児教育をも研究することも必要であれ分離であれどのようにしたらよいかがが問題になっている。
Q5:運営を大田市がしているが、利用者が企画に一緒に参加することがあるのか。
A:女性会館の運営や企画に直接受講生が参加したりすることはない。作品を発表したり体育祭をしたり保母をしたり、そういうことに受講者が参加している。企画運営に参加しないが、毎年アンケートで意見を募っている。班ごとの代表者が懇談会を開き、意見を出し合い、より質の高いサービスに努めている。
Q6:この8年間の活動で一番大きな成果は何か。
A:プログラムは多様化して30科目から67科目以上に増えた。近年韓国では離婚や低出産率が社会問題となっているため、健全な家庭を作る家族のためのプログラムを常設しているのが一つの特長である。情報科教育はあったが施設がなかったので作った。大田市に住んでいる女性のニーズも多様化されて社会参加を促すために女性文化会館を新設し2004年3月から運営中。利用者が増えて、一日平均1000人以上が女性会館を利用している。以前は趣味としての書道、手芸などが多かったが、合理的なニーズが増えてヨガなど健康プログラムがある。昔は幼い子どもがある程度成長するのを待っていたけれど、現在は開館内の保育室に預けて趣味と実力を養うことが出来るようになった。
Q7:日本では登校拒否の子どものことが問題になっているが、ここでの女性と子どもの悩み相談の中で一番多いのは何か。
A:子どもの相談では情緒不安定な子どもが多い。授業が出来ない子がいて遊びや絵の指導、自己指導をしている。韓国と日本の事情は少し違っていて韓国では不登校の子どもは多くない。不登校の子が来館するというより、学校に適応できない子や両親とうまく対話ができない子が通ってきてだんだんよくなっていくというケースがある。
Q8:老人介護の講座はあるのか、なかったら開設する予定があるのか。
A:看病人教育講座がある。その講座の中で50%は本格的に看病人師になっている。その他は親や家族の看病や治療を目的に学んでいる。一年に50人位看病人師が出ている。
また始業式、終了式に健康管理の特別講義があり300~500人が受講している。家族看護講座を来年検討してやっていきたい。
Q9:女性が積極的に講座を受講してきている中で、男性はどういうふうに思っているのか、また応援しようという姿勢になってきているのか。
A:全体的に把握することは難しいが、自分の妻がここで教育を受けて、とてもいきいき活気あふれるようになり肯定的になったりすることには、チンチルガン(サウナ)に行ったりするより健全で実生活に役に立つことになるので、誇りに思いとても支持している。中には女性教育をやることだけではなくて、なぜ男性を受け入れてくれないのかということで、男性会館をとの話もある。夫が出張料理の注文を積極的に受付けたり、夜間受講の終了を車の中で待っているということがよくある。
Q10:一般家庭の中での男女平等の意識を高める施策をやっているのか。
A:大田市の市長は男女平等の行政に関心を持っている。昨年、両性平等憲章が作られた。男女平等理念教育もある。女性会館の中でも男女平等教育があり、これからはグループごと科目ごとに強化していこうと思っている。
Q11:男性の意識改革はどのように進めていこうとしているのか。
A:男女平等のための女性政策委員会がある。特に高級公務員の男性たちの意識改革がもっと必要。昨年男性向けのプログラムを行ったが参加者ゼロ。そのためその講座は廃止した。実際は社会の中で女性だからという差別の意識はある。大田市の公務員の23.9%が女性で、高級公務員の女性は少数だが、女性が最善をつくせば男性は無視できないし、夫婦が一緒に参加できるプログラムによってだんだん変化してくると思う。
Q12:受講生と働いている人の子どもの保育は一緒なのか。保育室にあずける時間はどのようになっているのか。
A:大田市は女性教育模範都市であり、
働いている人の子どもは(2~3歳以上)36名いて、朝7時から夜8時まで保育している。受講生の子どもは66名位で、受講している間の2~3時間の保育をしている。大田市の公的保育施設は2ヶ所、24時間保育、障害児の特別なセンターもある。
以上質疑応答の内容でした
女性センターの続きは次回お楽しみに。