「絵画」を描く場合、最もポピュラーな題材が「風景」ではないかと思っています。
今回のこの「パステル画」展でも、「風景画」がかなりのウェイトをしめていました。
その中にあって、特に私の目には、「松竹梅」という伝統的なものを描いたパステル画に目が行き、どこか「日本人の心」のようなものが見えました。
「松竹梅」と言うのは、「慶事」に使われるもので正月の「門松」等によく見られるものになっています。
小さな頃より、こうした「慶事」に使われる「松竹梅」は、日本人の「心」のよりどころにもなっているようにも見えます。
そうしたことを前提に描いているのが、この作品で「光市」にある「冠梅園」でしょうか、その風景を見た時、思わず描いてみたくなった題材のように思われます。
こうした風景の中にいると、とても落ち着いた気持ちになり、自分がそのなかに溶け込んでいくような錯覚に陥ります。
この作品は、「臥竜梅」というタイトルで描かれていますが、「梅」の中でも「竜」のように見えることからこうした名前がつけられているようです。
「竜」と言えば、そうです、「中国」なんです。「松竹梅」も中国から来た伝統的なもので、それがいつの間にか日本の生活の一部になっているようなところがあります。
「蓮」にしても、原産地は「インド」で「中国」を経て、「日本」にきているという流れがあります。
「中国」の絵画や、「仏教の世界」」に「蓮の花」があるのは、よく知られています。
そうしたことが、いつの間にか私たちの脳裏に植え付けられ、いつしかそれらを特別なものとしてみるようになった経路があります。
「絵画の世界」だけでなく、我々「日本人」の生活は遠「インド」を経て、「中国」からわ伝わったものが多いのに驚かされます。
「ススキ」でしょうか、秋の気配を感じさせるこの作品からは、「ススキ」の持つ「繊細さ」や「優しさ」が伝わってきます。
「秋」と「ススキ」はとてもよく合い、心穏やかな気持ちにさせてくれます。
これは「風景画」ではないのですが、この絵画からは「異質」なものを感じてしまいます。
外国かどこかの「屋内」でしょうか、「白い空間」の中に何気なくおかれた「器」や「コック」が、作者の目にはとても新鮮にうつったに違いありません。
「現代的」なこの絵からは、「新たなもの」への視点が見れるような気がします。
「伝統」というものと「現代的」なものを比較すると、そこから新たな見方ができるような気がしてなりません。
絵の「鑑賞」を通じて、我々の心の中にあるものをさがしてみるのもおもしろい試みだと思いますが、どうでしょうか。
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