ponの day by day

本、酒、食べ物

野毛 武蔵屋

2006-03-30 11:32:18 | Weblog
平成元年9月末から、平成六年10月末まで、
ほとんど毎日このお店の脇を歩いていた。
そのころは全く知らなかったが
ネット上で登場する記事を見ていると、
どうしても行ってみたいお店になってきた。

桜が盛りとなりそうな3月末に
ようやく行くことができた。

武藏屋 三杯屋として知られる。
看板も出ていない。
動物園通りという幹線の脇
昔からふぐ料理屋が並ぶちょいと静かな通り
このあたりに住んでいたころ
よく刺盛を買っていた魚屋の前の道を少し入ったところに
そのお店はあった。

丁度桜の頃 夜7時半
お店は混んでいるだろうな
と思っていた。

動物園通りを後ろから4人組み
なんとなく、同じお店が目的地のような気がする。
若干 足を早めて木戸を開く。

満員ではなさそう。
丁度 カウンターの左端が空いている。
コートを預け座る。
店は賑やかだが、奥の座敷も、テーブルも
ひとつ空いている
後ろからやってきた4人組もやはりお店にくる。

湯のみに箸が入れられ出される。
まずは「お酒ですか」といわれ、
ビールを飲む気分ではないのでお酒をお願いする。
酢たまねぎとおからとコップが出てくる。

カウンターの左端は
女将さんがお酒を注いでくれる薬缶の丁度前
桜正宗上撰をどんどんお燗している。

ようやく女将さんが薬缶を提げて回ってくれる。
コップの上方から酒を注ぐ。
そしてピタッと満杯状態でとめる。
一滴もこぼれない。本当に見事。
こうなると手が震えてしまう。
カウンターを滑らせて手前まで持ってきて
口からお迎えにいく。

旨い。日本酒らしい味。そしてお燗加減も絶妙。
おからも酢たまねぎも美味しい。
おからはとても複雑な味わい。
酢たまねぎはさっぱりとした味わい。
どちらも酒をますます旨くする
酒が心も身体も暖めていく。

だから快調に飲んでしまう。いつもより早いピッチ。
特にお酒の注文をしなくても
カウンターのコップが空いていれば、
2杯目が注がれる。そして、
納豆が出てくる。これも美味しい。

お客はひっきりなしに来る。
外人4人組、一人客数人、3人組、4人組

丁度お客が回転する時間帯だったので、
多少ばたついている様子。
鱈豆腐が出てきたのは、
2杯目も終わり頃。
他のアテも秀逸ながら、
これはまさしく絶品! 
塩鱈と豆腐と縮緬雑魚大根卸と葱と七味唐辛子
変わった代物はないのに
本当に美味しい。
思わず顔がほころぶ。

3杯目を注ぎに回ってくれる。
そこでお新香が出てくる。

どれもこれも美味しいくて、
そして雰囲気が心地よい
はじめてきた場所なのに
そうではない感じ

楽しい美味しいひと時も
3杯目のコップ酒と
鱈豆腐の汁まで飲んでしまうと終わり

お勘定をお願いすると、
女将さんが声をかけてくれる
「ずいぶんおひさしぶりではないですか」
「いえいえ初めてなんですよ」
「よくお店がわかりましたね」
「この近所に住んでいたことがあるのです」

必ず帰ってきたいとそう思う一瞬だった
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