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プラネッツ鍼灸院笠間

プラネッツ鍼灸院の近況、アストロプラネッツの選手情報、生活習慣のアドバイス、西洋・東洋医学的知識の共有など

腹式呼吸のメリット

2025-08-07 21:54:04 | 運動

こんにちは。

今回のテーマは腹式呼吸についてです。

腹式呼吸(ふくしきこきゅう)とは、横隔膜を主に使ってお腹を膨らませるように行う呼吸法で、深い呼吸が可能になると考えられています。腹式呼吸の他に、胸式呼吸と呼ばれる呼吸方法もあります。こちらは胸郭を主に使う呼吸のことを指します。激しい運動で呼吸を整えようとするときや緊張しているときは、自然と胸式呼吸になっています。もちろん、普段の呼吸でも、横隔膜と胸郭はある程度使われていますが、横隔膜をより強調して使う呼吸方法が腹式呼吸と呼ばれています。

 

腹式呼吸は、横隔膜の収縮を強調して使うため、横隔膜の柔軟性や機能も高まります。横隔膜の周りには、呼吸に必要な肺だけでなく、心臓、肝臓、膵臓、胃、腎臓、副腎などの内臓が隣接しており、横隔膜が使われ、血流が促進されることで、これらの内臓器官も刺激され、働きが促進されます。

 

腹式呼吸の効果として、副交感神経が優位になり、リラックス効果が期待されます。それは、横隔膜が動き、副交感神経によって働きが調整される胃や腸などの内臓が刺激されることで、副交感神経が活発になるためです。

 

【腹式呼吸の利点】

  1. 自律神経を整える(リラックス効果)

副交感神経が優位になり、緊張やストレスが緩和される。それにより、イライラや不安感の軽減、不眠の改善にもつながる可能性がある。

  1. 血流が良くなる

横隔膜の上下運動が内臓や静脈をやさしくマッサージするように働くことで、血液やリンパの循環が促され、冷えやむくみの改善が期待できる。

  1. 内臓機能の活性化

腸や胃、肝臓などの腹部の臓器が刺激されて活性化され、それにより、便秘改善、消化促進、代謝向上などの効果が期待できる。

  1. 呼吸の効率が上がる

胸式呼吸よりも深い呼吸であるため、酸素を多く取り入れられるため、持久力や集中力が向上する可能性がある。ヨガや瞑想、スポーツなどでも取り入れられています。※但し、スポーツの試合前など、状況によって敢えて興奮状態を作りたい場合は胸式呼吸が有効の場合もあります。

  1. 姿勢や体幹の改善

腹式呼吸では腹筋や横隔膜、骨盤底筋などの深層筋を使うため、脊柱周りの深層の筋群の強化ができるため、体幹のトレーニングとしても優秀です。結果的に猫背改善や腰痛予防にも効果が期待できます。

  1. 声の通りが良くなる

腹式呼吸を行うと、安定した発声になり、声の響きも良くなります。そのため、歌手、俳優、講師など声を使う仕事で腹式呼吸が基本の呼吸法として取り入れられています。

 

【簡単な腹式呼吸のやり方】

・仰向けになり、膝を軽く立てる

・お腹に手を当てて、鼻からゆっくり息を吸い、お腹がふくらむのを感じる。

・口からゆっくり息を吐きながら、お腹をへこませる。

・吸う:吐く=1:2くらいのリズムで、1日5分ほど実施する。

 

腹式呼吸を日々続けることで、柔らかく力強い、よい横隔膜の状態を生み、自律神経の働きが改善され、生き生きした健康的な身体になっていくでしょう。

 

【こんな人におすすめ】

緊張しやすい・ストレスが多い

寝つきが悪い・疲れが取れない

声が通らない・発声を安定させたい

姿勢が悪い・腰痛がある

スポーツやヨガのパフォーマンスを上げたい

 

東洋思想では「気」がすべての起源であるという考え方があります。「気」とは気功のような目に見えない波動のようなものを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実はそのようなものだけではなく、目に見えない働きそのもののことを指しています。気という漢字が使われている言葉を考えると、例えば、「空気」「気持ち」「雰囲気」「何気」「霊気」「呼気」「天気」などがあります。いずれも、目には見えないが、何か働きかけたり存在したりしているものを指して「気」という漢字が使われています。「気」とはなにかを一言で説明するなら"目に見えない物事の働き"と言えるかもしれません。「気」は4つに大別され、1.大自然の働き、2.人や動物が持つ生命の働き、3.心の働き、4.呼吸の働き、以上のように分けらます。

東洋思想の「気」という概念において呼吸は大きな枠組みの一つと考えられているほど重要なものです。正しい呼吸を身につければ、生き生きとした健康的な生活を送ることができる可能性が高まります。以前のブログで取り上げましたが、口呼吸は万病の元で、口呼吸を鼻呼吸に矯正するだけで、黴菌が体内に侵入することをある程度防ぐことができ、身体が病原菌に感染したり、黴菌で汚染されたりしにくくなります。それに加え、今回のテーマである腹式呼吸を活用すれば、胃腸の働き、心肺の働きを促進させる効果や、そのリラックス効果により睡眠の質の改善や精神ストレスの緩和も期待できます。

当院では、1.精神ストレス、2.身体の冷え、3.口呼吸、4.悪い食習慣、5.運動不足、以上の5つの要素がほとんどの体調不良の原因であると考えています。今回はその中の「呼吸」の改善のために腹式呼吸についてご案内しました。当院では、鍼灸の施術の後に、その方に合わせ、生活・運動・呼吸・食事などのアドバイスも行っています。ご興味があれば、ぜひ当院の施術をご予約ください。

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スポーツパフォーマンスとパワーの関係性について

2025-06-15 15:05:36 | 運動

こんにちは。

今回は鍼灸師としてではなく、アスレティックトレーナーとしてブログを書きます。

 

今を最も輝くアスリートの一人として代表的な選手はMLB、ドジャースで活躍する大谷翔平選手ですが、大谷選手の何が優れているのでしょうか。それは、いろいろあると思いますが、特に“パワー”が優れていると私は思います。パワーはそのスポーツ競技者が優れているかを評価するために、非常に大切な要素です。

 

それでは、パワーとは何でしょうか?

 

パワーとは物理学的には

  • パワー(Power)= 仕事(エネルギー) ÷ 時間

あるいは

  • パワー(Power)= 力 × 速度

以上のように計算されるものです。①はある単位時間あたりに行われる仕事(エネルギーの移動量)を表しています。この場合のパワーは“仕事率”とも呼ばれます。②は運動中の物体について表しており、スポーツにおけるパワーを計算するためには普通こちらの公式で考えます。ただ、力と速度が同じ方向を向いているときのパワーを表しています。いずれにしても、パワーが大きいということは、「同じ仕事をより短い時間で行える」または「同じ時間でより多くの仕事ができる」という意味になります。

運動のパワーとは、主に爆発的に大きな無酸素エネルギーを発揮する能力のことです。100m走のような短距離走、跳躍競技、野球のピッチングやバッティング、サッカーのシュート、ボクサーの1発のパンチなど、極短時間にどれだけのエネルギーを発揮することができるかということです。

 

とある競技のアスリートの優劣を判断するためには、そのアスリートが発揮できるパワーがどれだけの物か計測できれば良いのですが、短時間に産生される無酸素性エネルギーそのものを直接測定することは、現代の科学技術でも困難で、スポーツ現場では短時間運動の成績を用いて評価しています。

 

例えば、50m走、垂直跳び、立ち幅跳び、フォースプレート、野球のピッチャーの球速、バッティングの打球速度、ブラストモーションセンサーを用いてのパワーの測定などですが、いずれも物理学的なパワーを直接測定できているわけではなく、評価するパワーを評価するためのひとつの材料として用いられています。

 

※ブラストモーションセンサーにおいてパワー主に①バットスピード(Bat Speed)②インパクト時の加速度(Attack AngleやRotational Acceleration)③スイングのエネルギーの総量などを計測することで算出されていますが、これは物理学的な「パワー(力×速度)」の厳密な計算ではなく、Blast独自の算出方法で、絶対的に正確なパワーの測定を行えているわけではないようです。

 

 ほとんど全てのスポーツ競技者はパワーという要素を強化したいと思っているはずですが、これは簡単なことではありません。ただ闇雲に努力すれば、強化できる要素ではないのです。例えば、筋力を上げたければ、ウエイトトレーニングが有効で、ベンチプレスで上げられる重量を上げたければ、トレーニングの原則に基づいて、継続的にベンチプレスを実施すれば、ある程度の重量を挙げられるようになるでしょう。

 

しかしながら、100m走のタイムや投球の球速、打球の飛距離を確実に伸ばすことは難しいです。なぜなら、競技中のパワー向上のためにはその技術力の改善が必要不可欠だからです。スポーツにおけるパワーを強化するためには、力の伝導効率を向上させる必要があります。パワーと聞くと力強さを表す指標と考えられがちですが、スポーツ競技の上で大きなパワーを発揮するためには、その競技の技術力の高さが大きく関わります。例えば、ランニングフォーム、投球フォーム、打撃フォームなど、その選手にとって効率の良いフォームの習得、力を発揮するタイミングや効率の良い身体の使い方、呼吸法など様々な総合的なテクニック(技術力)が大きなパワーを発揮する大きな構成要素になるということです。

 

つまり、

スポーツ競技でいうパワー=生理解剖的諸条件(体力の構成要素)×運動技術

ということです。

 

効率よくパワーを発揮するための基本となる姿勢や身体の使い方は、物理学、機能解剖学、運動生理学に基づいてある程度の決まりはあります。それでも、トッププロアスリートの身体の使い方は、それぞれ異なって見えるのは、その選手の生理解剖的諸条件の個体差があるため、人によってどのように身体を使うと効率が良いか違いが生じるためです。

 

取り留めもない話になってきましたが、今回のテーマで言いたいことは、どれだけスポーツ科学が進歩し、様々な運動の技術が開発されたとしても、高いスポーツパフォーマンスを発揮するためには、個々人が、自身にとって強化、改善が必要な競技技術的要素と体力的要素を分析し、鍛錬していく必要があるということです。時代が変わっても、それは今も昔も変わりありません。

 

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ウエイトトレーニングについて

2024-12-20 17:31:12 | 運動

こんにちは。今日のテーマは「ウエイトトレーニングの考え方」についてです。

 

最近の話ですが、とあるアストロプラネッツの選手から、「最近2週間で強度の高い筋肥大のウエイトトレーニングを始めて、運動中にスピードの低下を感じている。これはウエイトトレーニングが自分に向いていないのではないか。あまりウエイトトレーニングをしない方が良いのではないか。」と質問を受けました。この選手はスピードを武器にしている選手なので、一時的にでもスピードが低下することに不安を感じるのは当然です。日本では「スピードが低下するからウエイトトレーニングは勧めない。」と考える指導者やアスリートが数多くいて、それをメディアで発信している方も数多くいるので、更に不安を煽ります。

 

では、実際はどうなのでしょうか?私が思うに、トレーニング論をもとに考えると、ウエイトトレーニングによってスピードが落ちるという事実はあり得る話ですが、それはトレーニングを正しく行っていないか、トレーニングの過程でスピードが落ちる期間であったかのどちらかです。

 

トレーニング論の基本として、筋線維を増やし、筋横断面積を大きくすることを筋肥大と言います。このトレーニングは筋肉を使うことによって大量の血流が集中するとともに、疲労物質が血液中に排出され、使われた部位の周囲が非常に膨らむため、パンパンになったと感じます。これが筋線維とともに循環器系にも大きな負担となりその部位は疲弊し、組織の微細な損傷も起こり、エネルギーも枯渇します。身体はこのような負荷がまた加わったら対処できないと感知し、もっと強く大きい組織を作ろうとします。これが筋肥大です。筋肥大は循環器系に大きな負荷をかけ、負荷がかけられた組織の血管は太くなり、毛細血管は広く張り巡るように伸びていきます。

 

一方で、神経系はどうでしょうか。実は筋肥大だけでは神経系の訓練には不十分です。むしろ、筋肥大によって作られた筋線維はまだ神経が十分に張り巡らされておらず、器用に使うことは難しいです。つまり、筋線維それぞれに神経が行き届いていないので、筋線維はそこにあるけれども上手に機能できない状態です。筋線維は増える。つまり重量は増えるけれど、その筋肉はまだ早い動きについていけないということです。だから、筋肥大のトレーニングをたくさん行っているとスピードは一時的にほぼ確実に落ちます。要するに、神経の末端を伸ばし、この作った筋肉をうまく機能させるようにしないといけません。その局面のトレーニングが最大筋力向上と筋収縮速度向上のトレーニングです。少ない回数で自身の出せる限りを出力したり、爆発的に筋収縮させるプライオメトリクストレーニングを行ったりします。神経を張り巡らせるトレーニングは力を集約させるだけでなく、脳・神経を集中させることも非常に大切で、正しい動作で粘り強く反復してやらないとなかなかトレーニング効果を出すのが困難です。

 

次は、どのくらいの期間をかけてトレーニングの目的を筋血管系から神経系に移すのが良いのか、についてです。まず、人の組織を変化させるのに必要な期間は3週間から1ヶ月程度かかります。筋骨格、血管、神経などの細胞・組織が入れ替わるのにだいたい3週間から1ヶ月程度要します。一方で、脳は同じ刺激をもらい続けると順応しようとします。順応に要する期間もだいたい3週間から1ヶ月程度と言われています。身体にとって楽に感じるということは負荷を感じにくくなったという意味では良いことですが、同時に変化も乏しくなります。変化が停滞し始める3週間以降にトレーニングのプログラムや目的を大きく変更するのが効率よく強化していくためには合理的でしょう。

 

結論としては、目的とやり方をしっかり理解しウエイトトレーニングを行うことが大切ということです。やみくもに筋肥大トレーニングを行っても、多くのアスリートが経験するように、スピードは低下し、競技力向上にはつながりません。むしろ筋肥大を目的としたトレーニングだけでは競技力は低下するのはほぼ確実です。その期間の後に、日々のその競技の練習や、最大筋力、筋収縮速度の強化を行うことで、筋肉がうまく機能し始め、器用になり、スピードも上がります。当然、筋肉量が多く、かつその筋肉の機能が高いほど、アスリートとしてより優れた肉体を作ることができます。

 

ウエイトトレーニングは力むトレーニングと捉えられることから、ウエイトトレーニング嫌うアスリートもいます。野球に限らず、あらゆる競技で力みは高いパフォーマンスの発揮のために妨げとなるからです。しかしながら、ウエイトトレーニングは何も限界ギリギリの高重量を扱うことだけが目的ではありません。自体重を用いてトレーニングを行うだけではある程度筋力がある人にとっては負荷が足りず、効率が悪いため、ウエイトにより負荷を増やし、短い時間、少ない回数でより効率よく身体を鍛えることが目的のトレーニングです。力みを嫌うなら、ウエイトを軽くして、力まないことを意識して負荷をかけることができれば、筋機能向上、パフォーマンス向上効果を十分に期待できます。

 

一昔前と比較すると、ウエイトトレーニングを行うことへの抵抗はなくなってきていると思いますが、上記したように大きなリスクもあるのは事実です。どのようにウエイトトレーニングを活用すれば、目的に向かって正しく身体を鍛えることができるのか理解することが非常に大切だと思います。

 

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プラネッツ鍼灸院 笠間

トレーナー佐藤

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