こんにちは。
今回のテーマは「呼吸と心の関係」についてです。過去に、当ブログにおいて鼻呼吸の重要性について載せたり、それを促すために睡眠時に口テープをおすすめしたりするなど、当院では呼吸は健康的な生活のために需要な要素であると考えの元で施術を行っています。少しブログにするのが難しいテーマですが、今回は挑戦してみたいと思います。
生き物にとって呼吸は生きていくために必要です。食事をしなくても数日は問題なく生きることができますが、呼吸をしなければ5から10分程度呼吸しなければ死に至ります(状況や個人差あり)。激しい運動を行えばすぐに息が切れるように、身体活動には呼吸による酸素と二酸化炭素のガス交換が必要不可欠です。体内で酸素が二酸化炭素に変換されますが、その過程でTCAサイクルと呼ばれるエネルギー代謝の回路がミトコンドリア内で働き、エネルギーを産生しています。そのエネルギーが心臓や肺、その他の内臓器官、骨格筋などあらゆる身体活動のために使われることで生物は生きています。
人の欠点のひとつは声帯を使って上手に発生できるがために口で呼吸をできることだそうです。犬がハーハーとするので、口で呼吸しているように思うかもしれませんが、実は犬のハーハーは体温調整のために行っており、呼吸は鼻だけで行っているそうで、口呼吸ができるのは人間だけだそうです。構造のせいで、口から黴菌が入りやすくなっているため、人間の扁桃腺は他の生き物と比べ非常に発達しているそうで、ワルダイエル扁桃輪と呼ばれる大きな口・鼻の奥にあるリンパ組織の輪状構造があり、免異物の侵入を防ぐ重要な役割しています。
扁桃炎を発症しやすいと、扁桃腺を摘出してしまうこともありますが、扁桃炎を引き起こす大きな原因は口呼吸や冷たいものの飲食により、免疫力を下げてしまうということが大きな原因で、それだけ黴菌を吸い込んでいたから扁桃炎になるのだと思われ、扁桃腺の摘出は、体内に黴菌が侵入を防ぐ防御装置を取り除いてしまうようなもので、咽頭部痛の症状がなくなる代わりに、より内部の内臓器官の病気のリスクを向上させてしまうようです。
呼吸の仕方(鼻呼吸)だけでもこれだけ重要ですが、呼吸と心にも非常に密接な関係があります。みなさんの心の在処はどこだと思いますか?考えるのが頭だから、脳にあると思う人もいるでしょう。感覚的に胸の内にあると思う人もいるでしょう。英語のHeartは心臓と心の両方の意味があるように、西洋でも心は胸の内にあるという感覚はあるようです。
心の在処についての本をいろいろ読んでいると、海外の臓器移植の経験談として、心肺の臓器移植を行った場合で、臓器移植を受けた方の性格が、ドナーの性格のように変わってしまったという実話を知りました。他の臓器移植でも、ドナーの性格や記憶が乗り移ってしまったように人が変わってしまったケースは多くあるようです。臓器とともに心も移ってしまうと知ると、臓器移植についても改めて考えさせられます。
心とは何でしょうか?心の元をたどれば、本能や欲求だと思います。好きか嫌いかは最も単純な心の現れだと思います。三大欲求と呼ばれる、食欲・睡眠欲・性欲は本能的に人が生きるために必要なものを求める心の働きですが、人に限らず、それらの欲求は全ての生き物に備わっています。性格が変わるということは、好みが変わるということで、生理的にその体が受け付けるものが変わるということなのでしょう。食べ物、生殖、疲労、いずれも体内の変化を感じ取り、それを求めて現れるのが心なのだと思います。人は高い知能と思考能力のために、心の受け取り方や表現方法が複雑になっているだけなのでしょう。
思考と心は違います。人は思考能力が非常に高く、いろいろ考えを巡らせることができ、脳が非常に発達しているので、感覚的に心も脳にあると感じる人もいるのでしょうが、趣味や嗜好など、そのひとのやりたいこと、好みは心から現れるもので、体内から湧き上がってくるものです。
日本語で内臓を使った感情表現がたくさんあります。例えば「腹が立つ」「腹をくくる」「肝が据わる」「胸がいっぱい」「胃が痛い」などですが、感情の変化は体内から湧いてくるものだということを表しているようです。
肺は内臓器官のひとつですが、呼吸を司り、心臓に隣接している臓器で、生命維持のために最も大切な臓器のひとつですが、心にも非常に影響を与える臓器です。極度の緊張など極限状態で深くゆっくり呼吸することは非常に難しいことを、どなたでも経験されたことがあるのではないかと思いますが、緊張状態では浅く早い呼吸になります。逆にリラックスしていれば、深くゆっくりした呼吸になります。心を落ち着かせるために、深呼吸などでゆっくり深く呼吸することは効果的ですが、呼吸のリズムは心と密接な関係があります。「深いため息(落胆)」「胸が詰まる(悲しみ)」などの日本語表現は肺の状態を用いたもので、東洋思想でも肺は悲しみや憂いの感情を司る臓器と考えられています。
生命維持の器官としても、私たちの心の在処としても、肺は非常に大切な役割を担っています。常に無意識で行っているのが呼吸ですが、豊かで健康な生活を送るために、呼吸の質は非常に大切なのではないかと改めて思います。
今回の内容は以上です。呼吸と心は重要なテーマのひとつだと考えているので、また加筆していきたいと思います。
※参考文献 「内臓が生みだす心」 著・西原克成
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