☆つる姫の星の燈火☆

つる姫的心臓病闘病記~エピソード8・神様はどこに~

退院が長引き、心房細動は毎日のように起こり、声もまともに出ない。

しかし、節分を過ぎてから発作は少し軽くなったような気もしました。

豆まきならぬ豆おきが効いたかな?

 

思えばこれまでの人生で精神的に辛かった事は沢山あり

肉体的には首から肩を痛めて、激痛に苦しんだ時もありました。

しかし、今よりはマシだったとしみじみ思いました。

特に精神的な事は、気持ちを切り替えればよいだけの事なんだ。

こういう状況になったから思えたのかも知れませんが

病気は自力ではどうにもならない事もあるけど、

気持ちはコントロールできると思いました。

もちろん精神の病もありますけれど、

そうなればもう自分が苦しい想いはしないのかなとも思います。

 

この時の私は、手術前よりもまして状況を受け入れられず卑屈になっていました。

心臓君、もっとがんばってよ。

もう悪いところは治ったのだから、こんなはずじゃないじゃない。

ちゃんと動いてくれない心臓に苛立ち

なんでよりによって悪人でもないこの私がこんな目に遭わなきゃいけないの?

悪いやつがくるしめばいいんじゃないの?

そんな時に頭をよぎるオレオレ詐欺師(笑)

そして、この時ふと思いました。

太陽の光は善人にも悪人にも平等に降り注ぐ、という事実を。

 

また、本当は手術うまく行かなかったんじゃないかと疑ったり

もう二度と前のような生活には戻れないのかも知れないと絶望したりしました。

前向きにならなきゃ、と思う事自体が苦痛の種にもなりました。

前向きになんてなれない。私はダメダメちゃんなんだ。

偶然にも病気が発覚する前に仕事を辞めていた私。

仕事をバリバリやっている人が病気の手術後一週間で退院して

その後すぐに仕事復帰をして以前より元気に生活している、という

優しい励ましの言葉さえも、自分はもう社会にとって必要ではないから

なかなか治らないんだ、という卑屈な想いにつながっていくのでした。

そのくせ看護師さん達には、なんでもないように装う自分もいました。

心房細動が起こっている時にも容赦なく運ばれてくる食事を

意地になって食べました。

 

そんな時にある人から

「心臓に感謝してみては」と言う言葉をいただきました。

 

血液が逆流しているにも拘らず

その身に負担をかけながら黙々と脈を打ち続けてくれていた心臓。

新しく生まれ変わって、慣れない環境で必至で動き続けてくれている心臓。

そんな心臓に感謝するどころか、だめじゃん、もっと頑張ってよ、なんて。。

 

ある朝心房細動が続く中、心臓に感謝の想いを向けました。

 

昔から「神様は遠い空の上じゃなく、自分の心の中にいる」と思ってきた私は

この時に、心ってどこにあるんだろうと考えました。

脳の中にあるのかと思っていた私は、この時にそうじゃないと感じました。

上手く言えないけど、心臓が動いているから脳が働く。

人間の身体で一番大事なのは、やっぱり心臓なんだろうと思いました。

しかし、肉体という封筒に入った命とか魂というものは、

私にはまだよくわかりません。

 

心臓君ありがとう。

そう思いながら目を閉じていると、不思議な感覚に包まれました。

脳の状態が変化したように感じました。

閉じた目の中にまぶしい光が満ちて、身体が上方にひっぱりあげられるような感覚。

身体と心の間にある薄いヴェールがはがれるような、どうしてもうまく表現できないのですが

少しだけ息苦しさを覚えた次の瞬間  

幽体離脱~~~~

じゃなくてー

シーン・・・・という音が聞こえて、心臓が止まったのかと思いました。

荒れ狂う波が、神の杖の一振りで一瞬にして凪いだかのように

あれほど乱れていた脈が穏やかになったのです。

思わず私生きてる!?と手足を動かしてみました。

点滴の効果が表れたのだと言えばそれまでですが

このタイミングはそれだけでは説明できないような気もしました。

 

静けさの中で想いました。

どんな人にでも太陽の光は平等に降り注ぐ。

その人間の求める対象が私利私欲のお金であっても、どんな悪であっても

それを求める意志の強さとか拘りが、事を成就させるのではないかと感じました。

それならば私は前向きになり、自分がなりたい状況を強く思う事で

それが成就できるのではないかと。

 

神様は遠い空の上じゃなく、自分の心の中にいる。

その心は宇宙に繋がっていて、神様は宇宙そのものなのだ。

そして、その宇宙は万能だと思います。

心臓に向かって伝えた感謝。

その気持ちが神様に届いたのだと思います。

そう信じる事自体が

これから先の自分にとても大切な糧になると感じます。

 

前向きになれない時は、立ち止まって振り返ったっていいじゃない。

悲しかったら涙を流せばいい。

この数週間、心臓を気にしてるだけで何もできないで日々を過ごしていると思ってたけど

私はこれまでのどんな時よりも、命を尊ぶ事を学んで、一刻一刻を力いっぱい生きているんだ。

命を生きるって、こういう事なんだ。

そう思えたのは、「感謝する」という事を思い出したからです。

もちろん私ががむしゃらな20代なら、感じる物は違ったと思います。

 

その後、心房細動は点滴なしで収まるようになり、やがて起こらなくなりました。

実はここに至るまでに何度か、心房細動を電気ショックでとめようかという話が出たのですが

先生方はなるべくそれをやりたくなくて、何度も何度もお薬の調整をしてくださいました。

神様は心の中だけでなく、病院の中にもいらっしゃったのです。

 

つづく

 

 

今日は息子の卒業式です。

出向けるかどうかこの時点でもわかりませんが

昨夜から小豆を煮ておいて、朝一番でお赤飯を炊きました。

 

ご訪問ありがとうございます。

感謝をこめて

つる姫


私の好きなものは笑顔。笑顔は世界を救うと信じるつる姫のブログです。

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

最近の「フォト&エッセイ」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事