心房細動が起こり始めた頃に色々いきさつがあって
病院側のご厚意で広い特別室に病室を移していただいていたのですが
普段部屋の真ん中にあるベッドを窓際につけて置いてもらいました。
しかし病院の建物は鉄の柵に囲まれた作りになっていて、
病室から窓の外はあまりよく見えませんでした。
入院中、東京に2度雪が降りました。
鉄枠の隙間から真っ白い雪が舞い降りるのを眺め塩豆大福を食べるおばさん。
食べ終わった後鏡をみると、白い粉が口の周りに。。
ちっとも絵にならない光景です。
しかししばらく続いていた心房細動は
奇しくも誕生日の前日2月5日に起きたのが最後でした。
誕生日の2月6日は、娘は都合が悪くてこれませんでしたが
主人と息子がケーキを買ってお見舞いに来てくれました。
チョコレートケーキに小さなろうそくを一本灯し
気恥ずかしい想いでその灯りをふうっと吹き消しました。
新しい命の一歳の誕生日でした。
同じ日に13歳の誕生日を迎えた愛犬ロッキーは
暗いリビングで誰かが帰ってくるのを待っていたのでしょう。
私が長い事いないという事実を、彼はどう受け止めていたのでしょう。
翌日は、入院後初めての外出を許されました。
術後は順調に歩くリハビリをしていましたが、心房細動が始まってからほとんど歩いていません。
足は筋肉が落ちて細くなり、去年の秋に買った細身のレギンスがゆるゆるでした。
外に出たらどんなに感動するだろうと想像していましたが
三週間以上ぶりの北風に吹かれた時に、何の感動もありませんでした。
嬉しさも悲しさも感じず、ただ途中で具合が悪くならないかという想いだけでした。
時折ふらつきながら、最寄駅周辺の商店街をゆっくりと歩きました。
途中でコーヒーを買って、二ヶ月ぶりくらいのコーヒーを飲みました。
30分ほどの外出。
巷の風は爽やかではありませんでした。
しかし今度こそ退院できそうです。
翌週の11日は建国記念日でお休みなので、主人の都合上その日に退院することにしました。
退院の日までは、順調に過ぎて行きました。
めでたし、と言いたいところですが。
つづく
余談ですが、息子が晴れて大学を卒業いたしました。
大きな節目を迎えてこれからが彼の正念場です。
ご訪問ありがとうございます。
感謝をこめて
つる姫