【特集】2010年・秋の資産運用 10-12月のイチオシ投資方法を大公開!
経済のグローバル化が急速なスピードで進み、世界各国の経済が密接にかかわり合うようになってきた。そんな中、日本経済も尖閣諸島問題や為替介入など海外各国との関係で大きく揺れている。サーチナは個人投資家に向けて、「2010年・秋の資産運用 10-12月のイチオシ投資方法を大公開!」と題して、投資のプロが指南する有益な投資情報を特集する。今回は陳満咲杜氏に寄稿していただいた。
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年初来相場の特徴である「波乱」が引き続きありそうですね。第4四半期における相場のトレンドも一縄筋にいかないだろうと思われます。
ドル全体の値動きを表すドルインデックスに関しては、おそらく目下の安値(79前後)から11月前半か、月末まで85前後の高値水準まで切り返す可能性があると見ています。つまり、ユーロ、豪ドル、英ポンドなど外貨対ドルの騰勢は一旦修正され、このままドルが急落するのではなく一旦切り返してから再反落するといったシナリオを有力視しています。
同シナリオの根拠をテクニカルとファンダメンタルズに分けて考えていきましょう。まず、テクニカルの視点では、4カ月サイクルが11月前半か終わり頃の切り返しを指示しており、ドル全体の急落が一旦逃される可能性があります。ファンダメンタルズでは、米FRBの追加的量的緩和策に注目し、マーケットはあらかじめ織り込もうとしていますが、徐々に静止化してくるでしょう。というのは、今のマーケットのセンチメントの通り、FRBは11月にでも量的緩和策に踏み切るかどうかはなお不透明であり、米FOMCメンバーにも1名理事が反対票を投じているほどだからです。
もっとも、スタンスの表明として米FRBの声明は何のサプライズもなく、ユーロ、英ポンドなど主要通貨では、それぞれ深刻な問題があります。EUのソブリンリスクと英国の量的緩和拡大の可能性は両通貨の頭を抑え、円、スイスフラン、豪ドルなど外貨対ドルの値動きでは、明らかに買われすぎのレベルに達しています。従って、ドルは中長期スパンでは下落の余地が大きいですが、短期スパンでは売られすぎている可能性が大きいと思います。その修正は第4四半期の後半まで続く見通しです。そして、修正完了後、来年に向け、ドルは再び下落を加速していくでしょう。その際、豪ドル、スイスフランなど通貨の騰勢は他の通貨をリードすることになるでしょう。
となると、もっとも注目すべきイベントは11月の米FRBの決定でしょう。市場予想の通り追加的量的緩和に踏み切るか、それとも延長されるかよってドルの明暗を分けることになります。もっとも、同政策を巡る市場の予測がマーケットの動向を左右するから、これから同政策の実施タイミングに関する憶測がセンチメントを改善するほうに動くではないかと推測しています。
ドル/円に関しては、今回日本政府の介入もあり、第4四半期では割と堅調な値動きをしてくれるのではないかと見ています。理由はますドル/円の5年サイクルが一旦底打ちを支持していること。次に、クロス円相場における円高圧力の低下が挙げられます。よって、変動レンジとしては83~90円の範囲に留まるのではないかと見ています。
ユーロ/円、英ポンド/円、などのクロス円相場では、総じて底打ちに成功したものの、本格的な上昇トレンドへの復帰はなお次期尚早でしょう。一方、豪ドル/円、スイスフラン/円などのクロス円相場はこれから上昇モメンタムの低下及び値動きの波乱も予想されるものの、総じて底堅く推移していく公算が高いでしょう。第四半期では、各クロス円通貨ペアにおける値動きの乖離傾向に注意しておきたいと思います。(寄稿者:陳満咲杜 編集担当:風間浩)
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年初来相場の特徴である「波乱」が引き続きありそうですね。第4四半期における相場のトレンドも一縄筋にいかないだろうと思われます。
ドル全体の値動きを表すドルインデックスに関しては、おそらく目下の安値(79前後)から11月前半か、月末まで85前後の高値水準まで切り返す可能性があると見ています。つまり、ユーロ、豪ドル、英ポンドなど外貨対ドルの騰勢は一旦修正され、このままドルが急落するのではなく一旦切り返してから再反落するといったシナリオを有力視しています。
同シナリオの根拠をテクニカルとファンダメンタルズに分けて考えていきましょう。まず、テクニカルの視点では、4カ月サイクルが11月前半か終わり頃の切り返しを指示しており、ドル全体の急落が一旦逃される可能性があります。ファンダメンタルズでは、米FRBの追加的量的緩和策に注目し、マーケットはあらかじめ織り込もうとしていますが、徐々に静止化してくるでしょう。というのは、今のマーケットのセンチメントの通り、FRBは11月にでも量的緩和策に踏み切るかどうかはなお不透明であり、米FOMCメンバーにも1名理事が反対票を投じているほどだからです。
もっとも、スタンスの表明として米FRBの声明は何のサプライズもなく、ユーロ、英ポンドなど主要通貨では、それぞれ深刻な問題があります。EUのソブリンリスクと英国の量的緩和拡大の可能性は両通貨の頭を抑え、円、スイスフラン、豪ドルなど外貨対ドルの値動きでは、明らかに買われすぎのレベルに達しています。従って、ドルは中長期スパンでは下落の余地が大きいですが、短期スパンでは売られすぎている可能性が大きいと思います。その修正は第4四半期の後半まで続く見通しです。そして、修正完了後、来年に向け、ドルは再び下落を加速していくでしょう。その際、豪ドル、スイスフランなど通貨の騰勢は他の通貨をリードすることになるでしょう。
となると、もっとも注目すべきイベントは11月の米FRBの決定でしょう。市場予想の通り追加的量的緩和に踏み切るか、それとも延長されるかよってドルの明暗を分けることになります。もっとも、同政策を巡る市場の予測がマーケットの動向を左右するから、これから同政策の実施タイミングに関する憶測がセンチメントを改善するほうに動くではないかと推測しています。
ドル/円に関しては、今回日本政府の介入もあり、第4四半期では割と堅調な値動きをしてくれるのではないかと見ています。理由はますドル/円の5年サイクルが一旦底打ちを支持していること。次に、クロス円相場における円高圧力の低下が挙げられます。よって、変動レンジとしては83~90円の範囲に留まるのではないかと見ています。
ユーロ/円、英ポンド/円、などのクロス円相場では、総じて底打ちに成功したものの、本格的な上昇トレンドへの復帰はなお次期尚早でしょう。一方、豪ドル/円、スイスフラン/円などのクロス円相場はこれから上昇モメンタムの低下及び値動きの波乱も予想されるものの、総じて底堅く推移していく公算が高いでしょう。第四半期では、各クロス円通貨ペアにおける値動きの乖離傾向に注意しておきたいと思います。(寄稿者:陳満咲杜 編集担当:風間浩)
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