五里夢中於札幌菊水 

野戦病院へ出向予定。
医療崩壊に対して国民全てと共闘を夢想。
北海道の医療崩壊をなんとか防ぎたい。

もうひとつの日本構想

2007-09-03 09:16:24 | 医療問題
元厚生省勤務の学者さんの本に興味深いものがあったのでご紹介しようと思います。

持続可能な福祉社会―「もうひとつの日本」の構想 (ちくま新書)
広井 良典
筑摩書房

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医療問題には、公共事業論、税の財源論、ライフサイクル論、社会保障論、雇用論、年金論、教育論、再分配論、定常型社会論、資本主義論、環境論、コミュニティ論

ローカル、ナショナル、リージョナル、グローバルな観点と
歴史の流れという観点も必要です。

総合政策の中のひとつとして捉えなければきっとうまい調整が効きません。これらが整合性をもってあるいい方向に動いたときにのみ医療を提供する側も医療を受ける側も環境が改善すると思います。医療だけを見つめて、小手先のシステムのみ変えてもより不自然になるだけです。

そんなところにちょっとした示唆を与えてくれました。詳しくは本書をどうぞ。

新規の産業創出が難しく、資源に限界がある今、雇用を創出して失業率を減らすためにはワークシェアをもっと進めなければいけないと思いますが、逆にすすんでいるように思います。低賃金のパート・派遣労働者と労働過密な正社員。

一方医療界をみて見る。
医師不足論・偏在論に関しては、偏在はたしかにありますが、その偏在を直す手立てがあるとは思えません。選びたくない道へ人材を誘導してもマトモに育つとは思えません。わたしの知り合いの産婦人科医はあきらかに過重労働です。一度アクセス制限(この方法論が必要だと思いますが;分娩税とか、少子化の問題もあるので一筋縄ではいきませんが、わたくしは一度人口減をおこし、限りある自然資源を食いつぶさないようにしなければとも考えています。一時的な超高齢化社会到来に向けてのソフトランディングは容易ではありませんが。う~ん過激かな~?国際競争力は?労働力は大丈夫?という話もありますがこれは現状でも移民政策論が必要となっているところです)を行って彼らを守らなければ、明日の世代に残す種まで食いつぶしかねません。一度余裕を持たせた上で、待遇改善による誘導しかないと思います。偏在に対して医師数を増やしても偏在の解消には意味が無いことは明白ですが、わたしは偏在が解消されたとしても医師数が1.2倍になって給料が0.83倍になるほうを選ぶでしょう。いい仕事には、休んで、リフレッシュする時間が必要だと思います。幸いにもわたしには豪華な料理や高級車は要りません。安くてうまい焼酎と燃費の良い国産車があれば充分です。医者は金持ちではないというイメージが定着すれば職員や後輩におごったりする義務感は減るでしょうか・・・。そのような生活を送っていても貯金が常に100万円を切っているのは、やはり書籍の買いすぎと学会の入りすぎなどによるものだろうか?安酒といっても学生さんを連れて行ったりすると結構かさむし、高校の友達と飲むときも、うまく割り切れなければ多めに払ってしまう>見栄っ張り。えーと、あと大学院の学費と医会費と・・・。話が少し脱線しましたが、必要なところに人材が流れるように賃金・待遇的なものは誘導する必要があると思います。

少ない頭で考えてみました。医療政策以外の議論もしたい今日この頃です。
ノンポリと言われるかもしれませんが、考え方は随時変更可能です。
ただ大きな格差社会・社会不安・治安の悪化の流れだけには否定的です。

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1 コメント

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広井さん (リエ)
2007-09-04 13:02:14
私も「ケア学」とか「生命の政治学」なんか読みましたが、この方の著書は面白いものが多いですよね。
医療や福祉や政治やら、領域の構造や問題も丁寧に認識できているので、その枠組みを超えたオルタナティブな提案ができるのだなと感じます。
厚労省出身にしては珍しい学者さんですよね。
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