MRIは言うに及ばずPETなど最新機器の導入著しい日本であるが、
かつてのドル箱の行く末はこんな感じ。
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増える透析<4> 医師不足 治療体制崩壊の危機
中日新聞 2007年8月24日
透析機は電源が切られ、ベッドにもシーツがかぶせられたまま。愛知県津島市の市民病院では昨年から、透析治療を休止している。理由はそれまで常勤していた医師が辞め、後任が見つからないためだ。市としては早急に医師を見つけ、再開させたい意向だが、現状はメンテナンスの費用だけがかかり、閉鎖に追い込まれかねない状況だ。こうした事態は、この病院に限ったことではない。全国腎臓病協議会(東京都)が今年四月にまとめた全国調査では、昨年から今春にかけて透析治療の縮小・廃止などを行った医療機関は全国で六十余にのぼり、「透析医療の提供体制も崩壊の危機に直面している」(栗原紘隆常務理事)。
透析医療そのものを辞めてしまった病院が十八カ所。縮小の内容は▽新たに受け付ける患者を腹膜透析に限定する(三カ所)▽働きながら透析を受けている患者に不可欠な夜間透析をやめたり日数を減らしたりする(四十カ所)-だった。(血液)透析は通院回数も多く、一回の拘束時間も長いだけに、患者の社会参加への影響も大きい。それだけに、廃止・縮小といった事態は深刻だ。
透析歴三十年、山形県腎友会副会長の海和博司さん(52)=山形市=が通う病院も四月から夜間透析が廃止された。透析にかかわっていた内科医がいなくなり、夜間透析の安全性が確保できないというのがその理由。これまで午後五時から行っていた治療は、同三時からに繰り上げられ「週三回は、会の活動を二時に切り上げなければならなくなった」と語る。
同県では県南部の置賜地区でも三病院が新規の患者は腹膜透析のみで血液透析を受け入れないことを決め「患者が治療法の選択すらできない状況」と危ぶむ。また、地域の患者の中には現在でも県をまたいで透析治療に通う人も少なくないといい、海和さんは「本来、患者の地元で治療を受けられるのが望ましいのだが…」と憂う。
透析治療を受ける場は確保できたとしても「専門医がいない病院も多く、しびれや痛みといった合併症への対応ができるのか心配」とも。海和さん自身も心臓の病気を抱えるだけに、安心して透析医療を受けられる場が減ることへの不安は隠せない。
調査でも、縮小・廃止の理由について医師不足や経営的理由を挙げる病院が多い。医師離れの背景には「隔日で行わないと患者の命の危険に直結するため、盆や正月休みもない」といった透析医療ならではの特性もあるようだ。
日本透析医会の山崎親雄会長は度重なる診療報酬の改定にも触れ「特に夜間透析が廃止・縮小される背景には、透析患者の高齢化(平均導入年齢六六・四歳)でニーズが減少しているといった指摘もあるが、昨年の改定で夜間加算が減額されたことも影響している」と強調。栗原常務理事も「次回の診療報酬の改定でさらに引き下げられるようであれば、縮小・廃止する病院はさらに増えかねない」と懸念を示した。
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脳卒中医がいなくなって、閑古鳥の鳴くMRIが出現するのも近いのだろうな。
脳卒中医がいなくて大量の脳ドックを行い、大学に読影を依頼する病院もあるし。
あ、そうそうこの病院実はサイバーナイフがあったりします。
マッチングで第一希望だったのですが不合格、でも正直今はホッとしてます(;゜∀゜)
ちょっと前の「論座」に寄れば、この10年間で図書館は2500→3000軒と建物の数は増えているのですが、逆に一軒あたりの図書購入費は2/3に減っているのだそうです。
図書館というのは「知」の集積所な訳ですが、目先の利益のみをはかり、未来への投資を怠るツケはいずれ国力の著しい低下として現れるのではないかと危惧しています。