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しずくな日記

書きたいなあと思ったときにぽつぽつと、しずくのように書いてます。

再会の日に

2025-02-20 17:37:20 | 日記
午前中の仕事が13時半に終わり、勤務校付近の駅ビルへ急いだ。
3年生の成績提出の日だったけれど、全速力で仕事を終えた。
今日は数年ぶりくらいにある友達と会う約束だった。


この友達Tさんは、ブログの中にいくつか出てくる旅行(2013〜2014年あたり。京都奈良、岐阜、出雲などに行った)の際の仲間で、今、同じ市内の美術科教員をやっている。
美術科の研究会で会って話をするようになってからなんとなく気があって、私とTさん、もう一人の友人Mさんと3人でいろんなところに旅行に行っていた。

というか、実はTさんは採用試験の2次試験(実技)の時に私の席の隣で、めちゃくちゃ絵がうまかったから「すごい!この人・・・。」と思ったのが最初の出会いだった。


パワフルで明るいMさんがいつも会う計画を練っていたから、Mさんが1人目の子どもを産んで、更にその後双子を産んでめちゃくちゃ忙しくなってから、3人で会うことはグッと減った。

1週間前くらいに久しぶりにTさんからLINEが来た時は、彼女の性格上、自分から「会おう」と積極的に人を誘うのは珍しかったから、何か深い悩みでもあるのかな、と少し心配になった。



Tさんは前もって決めていた駅ビルのイタリアンのお店にもう着いていた。
昔と変わらない、短髪で静かで飾り気のない雰囲気。懐かしい。
彼女は版画家でもある。
抽象的で静かな作品を作る。私は彼女の作品がとても好きだ。
離れている時間が長くても、こういう友達とはすぐ昔の雰囲気に戻れる。


Tさんは中学校教員だけど、30代中盤で一度、教員を辞めている。
そして大阪のあるお寺に「尼」として入り、2年半の修行をしたというユニークな経歴をもっている。

なぜ修行をしようと思ったのか。
そして修行後に関東に戻ってきてからも何回か3人で会っているけど、関東に、そして教職に戻ってくることになった経緯もあまり詳しく知らなかった。
今日はちょうどそれらの話になった。


まず、大きな悩みがあってお寺に入ろうと思ったわけではなくて、7年間、教員の仕事をして、最後に持ったクラスがすごくいいクラスで「やり切った!」と思い、他のことがしてみたいと思った、というのが、退職して修行に入った理由だったという。

でも、とても厳格な彼女のことだ。
世の中に納得のいかないことが多かったのだと思う。

修行ってどんなことをしたの?と聴いてみた。全く知らない世界だ。

朝4時すぎ起床して、身支度して勤行、その後は意外にも午前午後のほとんどの時間が「掃除」だったという。
夕方に洗濯などをしてから和楽器を習う時間やお経の内容について勉強する時間があるという。
そして21時には就寝。最初は眠れなくて困ったらしい。
同じ部屋には2〜3名の同室の修行者がいるので、自分だけ夜更かしすることもできない。そして数ヶ月に1回、部屋がえをするらしく、いろんな人と生活を共にする。
聴いているとそれはまるで学校の合宿のようだ。

テレビもなければ、外出もできない。1年間は完全に外出禁止、その後は1ヶ月に1回、外出許可が降りるはずだったが、結局2年半、ほとんど外出はできなかったという。
携帯も使えない。山奥というわけではないけど、外界から隔絶されている。
その中で徹底的に自分に向き合う。
すごいな・・・。


話の中で面白かったのが、一日のほとんどの仕事であった「掃除」の話。

掃除していて汚れているところがあると、自分の中に何か濁りというか汚れがあるような感じがしてきた、という。トイレなんかが汚れていると、「自分の中に何か(汚れのようなもの)がある」と自然に捉えるようになるんだと。
だから本当に心を込めて、しっかり掃除するようになるという。

要するに、外界が自分の内面の「鏡」のように自然に感じられたという。

あと、そんなふうにみんながずっと掃除しているから大体お寺は綺麗なんだけど、そうすると今度は自分から更に細かな汚れを探し、どんどん綺麗にしていこうという気持ちになるという。

修行=掃除=心を綺麗にしていくこと。
そういうことなんだろう。

2年半の修行後、久しぶりに外に出た時、世の中の見え方がすっかり変わったので驚いたらしい。
それまでは、いろんな出来事にそれぞれその都度悩み、自分の力や才能のなさに悩み、という日々だったけど、修行後は、今自分が健康に生きていることや仕事があることがありがたいと思えるし、何か嫌なことがあっても、その経験は後になって何かにきっと活かされるだろうと思えるようになった、という。

大きな流れに乗っていけばいいんだって思えた、と。

流れといえば、Tさんが関東に戻ってくるきっかけは、2年半の修行期間を終えて、戻るかそのまま修行を続けるかの2つの選択肢でひどく迷って、最後に藁をも掴む思いでお寺の仏様に向かって、
「どちらを選ぶのが私にとって最良なのか教えてください。」と心の中で助けを求めた次の日、お寺の偉いお坊さんから(何も相談していないのに)、
「あなた、関東へ早く帰らなくてもいいの?別にここにいちゃいけないってわけじゃないんだけど。」
と言われたらしい。
そして関東に帰ることを決めて、仕事どうしようかなと思っていたら、前述のMさんから、
「産休に入るから私の後に入ってほしい。」
と、定時制高校の美術科非常勤の仕事を任されることになったのだった。
そしてその高校の校長先生の助言で採用試験を再突破して、中学校教諭に舞い戻った・・嘘のようだけど本当の話。

そして今、Tさんは市の研究部の仕事に誘われていて悩んでいるらしい。
なるほど、それだったのか。私は市の総務部の仕事をしていたから聞きたかったのね。
学校の仕事に加えて市の仕事が入ってくる。
とても忙しくなってしまうけど、研究部なら学ぶことが多いだろう。

でもこれはTさんが自分で決めなければいけないことだから、
「以前、修行を続けるか否か迷った時に、仏様に聴いてみたって言ってたじゃん。
あれ、今回もやってみたら自然と流れができるかもしれないよ。」と言ってみた。

「あ、そっか・・。そうだね。確かに。」
彼女なら、最良の答えを自分で導き出すことができるだろう。

また会おうね!今度は日曜日とかにMちゃんとまた3人で!
と駅でわかれた。
何だか、これからまた昔のように会える気がする。どうしてなんだろう。


彼女とまた会えたことが、これからの私にとっても何か大きな意味があるような気がしてならなかった。





























不思議な出来事(怖くないやつ)

2025-02-19 11:25:09 | 日記
昨日の夜遅く、とても不思議なことがあった。
何か、見えない力の存在を感じてしまった出来事だった。


寝る直前、夜中の1時前だった。
ぼんやりしているとリビングの隣の、浴室と台所の間の短い廊下の方から、「ガンッ!」という金属が当たるような音が高く短く響いて、ビクッとした。


・・・え? 誰もいないし、何もないよね・・・・。


玄関のドアに酔っ払った人でもぶつかったのかな、と思ったけど、外に人の気配もない。そもそもそれも結構怖いし。
でもドアの方じゃない。
確かに家の中、しかも廊下からだった。


金属音・・・もしかして、廊下にある物置の中の物かな、と思い、恐る恐る確認してみると、まさにそこのものだった。
落下して内側から物置の金属の扉に当たったようだった。

原因がわかってホッとしたものの、長らく触ってもいないものがなぜ今落ちたのかわからなかった。

その「落ちたもの」というのが、パソコンの角度を変えて見やすくするための金属の台だった。
ずっと使ってなくて仕舞い込んでいたので、存在すら忘れていた物だった。
不安定な位置に置いていたわけでもなかったけどなあ・・・。


昨日、月2回受けている太極拳の個人指導の際、姿勢が良くないことを先生に指摘された。
たまに外でガラスなんかに映る自分の姿を見て、なんだか姿勢が悪いなあと思うことが多々あったので、やっぱり今しっかりと直さないと太極拳も上達しないんだろうし、変なところに力が入ってしまって疲れやすくなってしまうんだろうなと思った矢先のことだ。


ずっと使ってなかったその台を、いつも使っているノートパソコンに使ってみた。
目線が上がり、姿勢がいつもより良くなった。ちょっと楽かも。


・・・・・・・。


誰か知らないですけど、私は全然感じられないし見えないけど、
もしかして「パソコン使っている時間も相当長いんだから気をつけなさい」って言ってる?

よくわからないけど、
ありがとうございます、って心の中で唱えておいた。
不思議なことって、こうやって普通にあるものなのかも。
























旅の途中で

2025-02-17 14:20:26 | 日記
非常勤講師になって11ヶ月。もうすぐ一年が終わる。
始まりは眩しくも不安な気持ちでいっぱいだった日々だったけど、今ようやく落ち着いてきた気がしている。


来年度の人事で勤務している2校と面接。
管理職も私も続投の意思だけど、こればっかりは教育委員会の許可が降りないといけないので、正規職員の人事配当の終わる3月中旬まで来年度のことがわからない。

なんともまあ不安定な雇用形態だけど、とにかく学校は人が足りないから、
たとえ今年と学校は違っても働くところはたくさんある。
今年やってみて、今は週3勤務だったけど、もう1日(午前中)くらい勤務日を増やしても大丈夫かも、とも思えた。
睡眠もしっかり足りているし、体も心も元気になった。うん、なんとかなる。


そう。今年で培われたものはこの「なんとかなる」の精神だ。
(いいのか悪いのか・・・)
あと、「家では極力、学校の仕事はしない」という姿勢(笑)。
振り返りカードもできるだけ勤務時間内にチェックするように心がけた。
もちろん、授業のための資料の準備は自宅でする。昔からかなりする方だと思う。
どっちかというとこれは自分の趣味にも近いので、今の正規職員の先生よりやってると思う。
美術は大好きだから、いくらやっても嫌にはならない。

おおらかな気持ちと自由な時間をもてるようになったことが、この一年間で得られた大きなことだった気がする。
やっぱり正規職員を辞めてよかった。


で。来年度のことを考える。

非常勤の仕事は収入のコアな部分なので続ける。
収入のこともあるけど、子どもたちと接する時間は、なんだか上手く言えないけど面白くて、心暖まる時間だし続けたい。

そして来年度は制作の時間の密度をもうちょっと濃くしたい。
ドローイング練習、ビーズ手芸、自分のイラストの制作。絵本制作。
そして願わくば、依頼されるイラストの仕事がもっと増えれば嬉しい。
公募やコンテストにもまだまだ挑戦したい。今年度は時間もあったので結果が出せた。

それだけじゃなくて、宣伝のためSNSに投稿する画像や記事を作ったりも必要。
ホームページも少しずつ内容を濃くしたり、時期によって変えたりもすることも必要と思った。
制作以外のこういうのも、自分でやってると大事な仕事になってくるなと思った。


手元を照らして携帯を固定して撮影するための機材を、イラストコンテストで得た賞金の一部で購入した。もうすぐ届く。
これで制作の動画を撮るんだ!(SNS用)

イラストコンテストも地味にお小遣いくらいにはなる。
今年度の賞金総額は24000円。来年度はもっと稼ぐぞ!!

行ったことのないところへ行こうとしている感じ。
ふと、旅する感覚となんだか似ているなと思った。
そういえば、「人生は旅だ」なんて言った作家さんもいたような。
その気持ちがやっとわかった気がする。
















まだ「先生」でいるために

2025-02-07 18:48:18 | 日記
昨日の夜、卒業生で美術部の部長だった生徒から久しぶりに連絡があった。
卒業してからずっと会ってなかったから、11ヶ月は会ってない。
高校生活、上手くいってる?と一瞬心配になった。
卒業生は「連絡がないのが幸せの証拠」と思っている。


突然どうしたのかと思ったら、とある分野の全国のポスターコンクールで会長賞を受賞したという喜びの連絡だった。
受賞した絵の写真も添えられていて、確かに腕が上がっていた。
中学の時もコンクールで受賞して商品券をもらったりしていたから技能が高かったのは以前からだったけど、高校生になっても頑張っているんだなと嬉しかった。


しかしそんな彼女にも悩みがあるという。
LINEの文章は長文になっていた。
受賞のことも伝えたかったんだろうけど、こっちの悩みの方が話したいことだったのかもしれない。

高校に入ると芸術分野は選択で、美術の授業は今年一年で終わってしまうという。
美術部でも周囲の友人はまともに活動をしていないし、でも美術をもう少しやりたい。と言っても美術系の大学や専門学校に入るというのも、将来が美術系だけに限定されてしまうのも怖い。でもハンドメイドのものも何かやってみたい。けど、何をやっていいかわからない。


「それなら、どこかの創作アトリエに週1とか月数回とか習いに行けばいいのに。」と言ってみたけど、どうやって今の自分に合ったところを探せばいいのかわからない、ということだった。
確かに高校生が通うアトリエとなると、美術系大学受験のための受験用デッサンが主になる。受験など関係なく気軽に創作できるところって、そういえば子どもにとっては少ないかも。


ふと思いついて、
「中学時代の美術部の面々を3人以上集められるなら、場所借りて石粉粘土で何か一緒に作ってみる? 場所はちょっと遠いかもしれないけど、〇〇駅のすぐ近くのところなら借りれそう。」と言ってみた。

石粉粘土のワークショップ、昨年からずっと興味があったから。
これはいい機会だ。創作が好きな人だけ集まったワークショップ。やってみたい!
今、月1回でビーズ刺繍ばっかりやる「ビーズ部」という創作サークルのようなものをやっているのだけど、そこの場所ならおそらくすぐに借りられる。

「え、面白そう!それ、3月でテストが終わった後とかでもいいですか?」

とのことだったので、3名以上集められれば決行ということになった。

今時の高校生、バイトで忙しいみたいだけど、なんとか3名以上集めます!とのことだった。参加費は高校生でも無理のない金額、一人500円ということにした。
正直、3人だと場所代の方が高くつくかもしれないけど・・・・。
どちらかというと部活の「同窓会」みたいだけど・・・。いいか、楽しそうだし!


それでもまさか、こんな形でやってみたかったことが実現するとは思わなかった。
しかも全然知らない人にいきなりやってみるのは勇気がいるけど、卒業生ならお互いによく知っているからやりやすい。
特に美術部の面々なんて、誰よりもたぶんお互いのことを知っている(笑)。

離れてから久しい、成長真っ只中の生徒たちから、まだ「先生」と呼ばれることに戸惑いもあるけど、いつまでも彼女らにとって、いい先生でいられるように頑張らないと。
素敵なチャンスをくれた生徒たちに感謝しつつ。





金色の懐中時計に導かれ

2025-01-31 09:15:22 | 日記
うちにはテレビがない。

いつからないかははっきりと覚えてないけど、東日本大震災の頃は確かあった。
震災後、しばらくCMがずっとACばかりで、「ぽぽぽぽーん」が不気味だった記憶はある。
実家に帰ると常にテレビはついている。誰も見てなくてもついている。
もはや生活音の一部なんだと思う。
なんていうか、テレビから人の気配がするから安心するんだとも思う。


テレビがない暮らしってどんなの?
とよく聞かれるけど、なければないで全然なんてことない。
映像を見たければYouTubeがある。なんならオーディブルも月額会員だ。
人の気配が欲しいなと思うときは、見てなくてもラジオのようにYouTubeを流す。
そのときは大体いつも料理動画か、船・電車での旅の動画を流している。

ちなみに今、これを書きながら料理をしている人のライブ配信を聴いているけど、好きな本の話をしていて、私も割と好きな作家さん(吉本ばなな、重松清、小川洋子、伊藤計劃とか)の名前がガシガシ出てくるので驚いている。
やっぱり似たものが寄るんだなと思いつつ。

自分の生活を丁寧にしていたり、自由な風通しの良い心で旅していたりする人は大体皆いい空気を発している。こういう番組を提供してくれている人たちは、動画を通して自分の好きなことを大事にして生きている姿で私に幸せな気持ちを与えてくれていて、更に人類に対してめちゃくちゃいいことをしているなと思う。


昨日、とても不思議な夢を見た。
夢というのは、見る時と見ない時の波が結構激しくある。
今は見る時期に入っているようだけど、明らかに普段の生活の情報を脳が一生懸命処理しているんだな、という夢が多い中、昨日の夢はなんだか異質だった。


ものすごく人類に対して貢献する仕事(環境保全とか)の仕事をしている人のプレゼンを聴いて、この会社の社員になるべきかなと私は思って悩んでいる。
ここに入らないと、なんだか自分は生きている価値がないんじゃないか、とも思っている。
すると、どこから金色の懐中時計が飛んできて、私の手に巻きつき、引っ張るように飛んでいく(?!)のだ。私は金色の懐中時計に引っ張られていくのだけど、夜、もう今はなくなってしまった道(実家の近くにあった)を通っていることに気がつく。

そこで目が覚めた。

時計はそれこそ「時間を管理する意識」という意味をもつらしいと夢占いのサイトには書いてあった。懐中時計とか金色っていうのも何か意味があるんだろうけどわからない。なんとなく今の自分の課題というか悩みとその解決策が凝縮されている気がしてならなかった。

やりたいことがいくつかあるけど、それが人の役に立っているとはとても思えなくて、自分の存在意義がないような気がしていた。それかなあ・・・。
学校の教員をバリバリしていた時は、「人の役に立っている」という感覚はあったけど、今はない。

でもよく考えてみたら、昔の私は自分のやりたいことを我慢して、自分の時間を切り売りして誰かのために働くことで「人の役に立っている」と思い込んでいたのかもしれない。今は自分のやりたいことばっかりやっていることに罪悪感があるのかもしれない。


YouTubeの動画の人たちは、自分のやりたいことを精一杯やっていて、それを楽しんでいる。私はそれをみて、元気をもらったり安心感をもらったりしている。

とすると、もしかして、自分のやりたいことを精一杯することで、誰かに幸せな気持ちをプレゼントすることができるのかもしれない。
時計は「やりたいことがあるのなら、残りの人生の時間管理を意識しなさい!」ということなのかもしれない。ダラダラやるな!人生は短いぞ!ということ。


・ジェスチャードローイング(人の動きをとらえて全身を描く練習)
           本質を捉えた少ない線描で、動きの魅力を伝えたい。
・個人でのイラスト制作  表現の幅を広げ、仕事に繋げたい。
・ビーズ刺繍での試作 もっと上手になりたい。願わくば作品を販売したい。
・太極拳の日々の練習。体の意識を高めて、楽に健康に生きられる心身をつくりたい。
・美術系のワークショップ  美術の面白さを伝えたい。

この5つが今やりたいこと。
時間管理の意識をもって、しっかり自分のやりたいことをやっていきなさい、ということなのかな。

そうすれば私も誰かに何かいいものをプレゼントできる存在になれるのかもしれない。
そういうことかなあ。
金色の懐中時計、本当に現れて私の手を引っ張ってくれると嬉しいけど、時間管理は自分でするもの。
時間割でも作るかな(!)。



















元気の素になるもの

2025-01-17 20:09:18 | 日記
「2025年は演劇を観る(観に行く)」ことがやってみたいこととして挙がっていたけど、今日は野田秀樹・作『贋作 罪と罰』が4つに分けられてYouTubeに上がってたのでみてみた。

『罪と罰』といえばドフトエフスキーの小説だけども、私がそのストーリーを知ったのは小説からではなかった。
手塚治虫の漫画『罪と罰』を高校生の頃に読んだのが最初だった。
手塚治虫の漫画、めっちゃ実家にあったのよね。
かなり衝撃を受けたので、その後に原作を読んだのを覚えている。

「選ばれた天才は人類のために社会の道徳的規範を踏み越える権利を有するか」。

簡単にいうと、その問いに対する答えを物語にしたものだけど、演劇の描き方には驚いた。幕末の混乱期が舞台になり、新しい世界を作ろうと理想に生きる女性の志士が主人公だった。
演じた松たか子さん(三条英 役)の凛とした、でも理想と現実の間で不安定になっていく心の表現が細やかかつパワフルだった。
あと、古田新太さん(才谷梅太郎・坂本龍馬 役)のラストら辺の表情がすごく豊かで、この人かっこいいと初めて思った・・・(失礼・・)。
問いの答えは、言葉じゃなくて演劇のストーリーを追いつつ感じてほしい。

普段の生活の中では、なんにせよ少し前までは「取り繕う」ことがほとんどで、知らぬ間に心が縮こまっていた。
でも演劇は心が丸ごと身体を使ってぶつかってくる。
演劇では身体を増幅器のような役割として使って心の様を表していくからか、
みていると、こちらの心までも解放されていく感じがする。

最近、人に会うことが減っていることもあるのか、人とたくさん会わねば!いろんな人の思いに触れねば!と思うことが増えた。
常勤で仕事してたときにはできるだけ人に会いたくなかったのに。

心が元気になってきたのか、正直な自分で人に接したいなと思うようになったのか。
演劇は心に元気をくれる。
というか、身体を使った芸術は人にインスピレーションや元気を与えてくれる。

『贋作 罪と罰』はストーリーの面白さももちろんだけど、舞台美術の作りも面白い。
こんな表し方もあるのね!と驚きの舞台。無料で見られるなんていい時代!
(ただし、YouTubeの動画、最後の方が少しだけ欠けてます。)













毎日パーティー

2025-01-11 11:27:55 | 日記
この年末年始に素敵な出会いがあった。
それは「描くことの楽しさ」を思い出させてくれる本だった。

どちらかというと最近、自分の技能の足りなさを痛感して「描くことをもっと学ばないと!」と思うことが増えて、描くことがあたかも勉強のようになっていたところの出会いだった。

きっかけは、年末に好きなイラストレーターさんの画像付きの「年末年始に読もう!」という投稿を見たことだった。

そこには数冊イラスト関連の本が写っていて、その中の1冊に興味があったので即座に注文してkindleで読んでみた。
1枚の絵にストーリーを感じさせるための工夫について書かれた本だったのだけど、その関連本として紹介されていた本を芋づる式に読んでいった。
こういうことができる時間がある年末年始って本当にいい。


そして「短時間でのジェスチャードローイング」というデッサン練習法に出会った。

それは人を1〜5分くらいの短時間でドローイングするんだけども、モデルの動きを体の中の「流れ」や「リズム」としてまず感じ、それを1本の線として表した後、そこに胸郭や骨盤を表す楕円を描いて、そこから人体を描いていくという方法だった。
ドローイング自体は学生時代にも習いに行ってた時も、モデルを直接みてやることはあったし、美術部顧問時代にも部活で10〜20分かけて1体を描いたりしていた。


でも、たった1〜5分で、しかもモデルの体の中に流れる力やリズム(本の中ではそれを『フォース』と『リズム』と呼んでいる)を感じて描く、というのが新鮮で、しかもやっているととても楽しかった。

アメリカでアニメーションを学ぶ上で重要視されているというこの方法でのジェスチャードローイングは、ディズニーのアニメーターたちも学んでいるとのことだった。
日本にも最近、この方法が入ってきて紹介され始めている。

描くことが勉強ではなくて、自分が感じた「印象」を形にしていくのは、本当に白い紙の上に「創る」感じがするし、気持ちが自由になって解放されていく感じがする。

デッサンやドローイングは比率とか解剖学とか人体の勉強も大切だけど、そればっかりやっているとデッサンの線が固くなっていく。
それは「感じる心」が固くなっていることの表れでもあって、最近そうだったかもしれなかった。
いやほんと、人間描くのが楽しい!と思えたのは何年ぶりだろう・・・。
それにしても描いていると、人間の体って美しいなあと思う。老若男女ね。


年始からこの方法のジェスチャードローイングを始めた。
1日10ポーズ(1分×5ポーズ、2分×4ポーズ、5分1ポーズ)を2回。
全部で20ポーズ。
多いと思うかもだけど、やってみるとこれでも足りない!もっとやりたい!ってなる人多いんじゃないかな・・・。
私もそろそろ150ポーズを超える。1000ポーズ描いたら絵に変化がありそうな気がする。

ありがたいことにYouTubeでジェスチャーの時間を測りながらとってくれる「ジェスチャードローイングパーティー」というチャンネルがある。

クラシックが流れる中、プロのデッサンモデルさんやパントマイムの方がポーズをとってくださる。モデルさんは男女ともいろんな方がいて、面白かったり美しかったりする。
絵をやっている方は本当におすすめ!
たぶん、より一層描くことが好きになる。
あと描くことに躊躇がなくなって、直感的に捉えようとするから描くのが楽になるかも。

こちらYouTubeのチャンネル:
GESture DRAWing Party

こんなふうに何体も描ける。(この日は多めに描いた日)
大体1ポーズ1分、一番長くて5分。
細かいことは気にしない、気にしない!
というか、体の中を力の流れやリズムを感じて表すというのが目的。
このパーティーは続けたい。
目指せ1000ポーズ、いや10000ポーズ!





年末年始の風景

2025-01-07 14:28:34 | 日記
新年明けましておめでとうございます🎍

年末、29日に新幹線で帰省。
いつもながら(!)席を取らず、「なんとかなるだろう・・・。」と思っていたら、例年にないくらい混み混みだった。安易だった。
いい歳なんだから、そろそろ予約取れ、私。(帰りはさすがに予約した)

ひかりで新大阪まで、席に座れないことは毎年だからよくわかっていたけど、通路にも入れない。デッキにギリギリ不安定な姿勢で身動きできずにたちっぱなし3時間。
アジア系の旅行者の人たちの大きな荷物で入り口も塞がれていた。
車内は例年にないくらい海外の方が多かった。日本って今、物価安いんだね。

さて、新大阪からどうしようか、と思っていたら、
九州新幹線「みずほ」が新大阪始発で、しかも帰省先まで40分もかからない速さで走っていることがわかり、乗車。もちろん始発だから自由席は誰も人がいない。
携帯の充電もできて、予定より1時間ほど早く帰省できた。ラッキー。
いつも通り、実家の仏間が私の居場所なので、お水を変えて仏壇に手を合わせた。
母が美味しいコーヒーを淹れてくれて、温かい夕食も準備していてくれた。


2週間に1回、認知症新薬の投薬を受けている父は、前回帰省した時と大きな変化はなかったけど、やっぱり同じ話を繰り返す感じだった。

この新薬はまだ全国的にも投薬されている人がまだ少なくて、要するに父は被験者みたいなところもあるけれど、投薬すると症状の進行を遅らせることは確かにできるらしい。生活するのに支障ないほどで症状が留まっているから、そうなのかもしれない。

でも父は昔のことはよく覚えているのに、1、2分前に自分で言ったことは忘れている。
まるで、同じ時間をずっとループして生きている人みたいで、私と同じ時間軸を生きている感じがしないのが切なかった。
父は昔から興味の範囲が極端に狭かったけど、母は今でも外に向かって興味がたくさんあり、人との付き合いも華やかで元気なのがいい。
70代で非常勤の教員の仕事も週4でしているし、趣味の卓球も回数は減ったけど行っているし、カフェで友達とおしゃべりしてたりするし。

人と関わることで元気でいられるのかなと母を見てて感じるので、
内側に閉じこもりがちな自分も母を見習わないとなと思った。


家族3人で鍋を食べてお酒を飲んだり、母と私で大掃除して、私はお風呂場の大掃除を受け持ったり、歌番組や年末のバラエティー番組を観たりと、ほんとにのんびりとした年末らしい年末を過ごした。
母が妹にいくら連絡してもしばらく返信がなかったから心配してたけど、30日になって、LINEのテレビ電話っぽいやつで妹夫婦が布団丸洗いを実況中継(?)するという、妹らしい「元気だよ」アピールもあって、安心した。

夜、早く寝る父母と、遅くまで起きてしまう私。
昔と変わることのない、この風景。静かで安心な夜。

ふと、いつまでここで、この雰囲気を味わえるんだろうなと思ってしまった。
親はいつまでこの世にいてくれるかわからない。

いや、そんなことは考えないで、今ここを楽しめばいいんだろうな。

年始は、1日はのんびりとおせちやお餅を食べ、元旦のテレビを楽しんだ。
夜は2回目の鍋。家族で自然と話できるのが鍋のいいところ。お酒も飲んだ。
2日、実家の氏神様の神社にお参りし、毎年受けている年始のお祓いをしていただいた。
今年は神主さんが新しい方になっていて、お祓い後にお札とかご利益があるとされる熊手や破魔矢などの由来をお話しされ、自然に「ほしいなあ」と思わせるのが上手かった。あまりに商売上手すぎて笑ってしまった。

3日、もう帰省先から帰る日。父がさみしそうな顔をした。
また帰ってくるから、その時まで忘れないように!というと笑った。

駅で、入れ替わりに帰省してきた妹夫婦と会って少し話す。
今年は一緒に飲めなかったから、春先に母と私で大阪行って飲もうね!ってことになった。

今年は年末年始、穏やかにのんびりと家族で過ごした。
家族との大切な思い出の時間になった。この人たちに大事にしてもらって今がある。
いろいろ充電できた気がするので、今年も一年、頑張ろう!

【食べたもの記録】

30日のお鍋。ホタテやお魚、エビ団子など海鮮いっぱい。
帰省中、このお鍋2回食べた。


31日、お昼ご飯。鍋の残りをおじやに。


31日 22時ごろに年越しそば。毎年、このお蕎麦を食べる。


1日 おせち。なんとわたし用に親が購入してくれたもの。


お餅。お餅をたくさん食べれず、毎年1つか2つ。今年は1つだけ。
実家はいつもブリを入れます。


1日の夜は鍋だったので、2日の昼は鍋の残りで雑炊。美味しい。

3日昼。ちょっと早いけど春の七草粥を母が作ってくれました。

3日夕方、帰省前。新幹線で何も食べなくてもいいように。
前日に私が作ったシチューは、後から帰省した妹夫婦に、
「ウエルカムシチュー」として振る舞われた(笑)とのこと。





























流れに乗って

2024-12-28 06:03:33 | 日記
今日を含めて今年もあと4日。

久しぶりにゆったりとした年末を過ごしている。
ちょっとずつお風呂場やトイレ、台所などの水回りを掃除をした。
本当は自分の部屋も大掃除したいんだけど、先日体調を崩したばかりなのであまり無理せず年明けてから・・・。

体調不良が回復した後も喘息の気があるので少し咳き込んだりしていたけど、
静かに立って呼吸に集中したり(站椿)、太極拳の套路をゆっくりとしたスピードで行うと、肺の辺りにあったゼロゼロしたもの(?)がすっとお腹あたりに降りた感覚があって、肺がスッキリした。その後は咳が出なくなった。薬いらないじゃん。
太極拳、本当にすごい。健康不安がある人は絶対やるべき!
私自身が体がもともと強くないので、だからこそ強く感じることなのだけど、
自己治癒力が絶対上がると思う。(今年は寝込まなかった!)


夜、ちょっと居眠りのつもりが、ハッと目覚めて時計を見たら午前2時だった。
回復するために眠りを必要としてたのか・・・。
ぼんやりとパソコンに向かい、昼間にやっていたデザインの作業を続けようと、バックグラウンドにかけるYouTube番組を探していたら、とあるライブをやっていた。チャット欄が盛り上がっている。


・・・あ、今日だったんだ!!

それは、最近の年末恒例、Illustratorを使っている人たちの祭典(イラレ使いの狂宴と書いてあった・・・・)「朝までイラレ4」だった。
年によってそれぞれ少し違うけど、時間帯は大体21時ごろから始まって、翌朝5時ごろまで続く長いライブ。デザインの第一線で活躍しているデザイナーさん・イラストレーターさんが持ち時間10分でIllustratorの小技を紹介するというこの企画。
今年は23人のデザイナーやイラストレーターさんが登壇者として参加していた。

ここ数年、アーカイブ付きに申し込んで見ていた。自分の制作の中でも使えることが多くて、とても勉強になっていた。
そういえばXで今回の告知を見かけたけど、年末過ぎる!大掃除したい!と思って申し込んでなかったんだった。

偶然やっているのを見つけたけど、「絶対に見た方がいいんじゃない?」と誰かから言われている気がして、そのままアーカイブ付き(有料)に申し込んで最後の5時まで見てた。見た3時間の内容は全部ものすごく充実していた。
・・・アーカイブ、絶対全部見よう。

デザインの世界もAIの進化(深化)でいろいろ大きな変化がある。
AIを上手に使いながら表現を深めたり、仕事時間を短縮したりと、活躍しているプロたちの何がすごいって、時代によって自分の立ち位置を微調整していく「変化力」がとても柔軟なのだ。
アナログでずっと制作を続けている人もすごいけど、こういう人たちもすごいよね。

来年もデザインの勉強は続けていこう。
変化って不安でもあるけどうまく流れに乗っていけると、今まで自分が見たことない風景に運んでいってくれる気もして、それはなんだかワクワクする。





















今の私にちょうどいいもの

2024-12-26 09:02:20 | 日記
年末年始は体調不良になるのが毎年のルーティン(?)。

今年は例年ほど忙しくなかったので体調不調にならないかと油断してたら、通っている太極拳の表演会が終わった後、目に見えて体調が悪くなった。
鼻水が出るし、体が少しだるい。
電車に乗っていたら本気の寝落ちをしてしまうし、仕事終わりのラスト2日間、4時間連続の授業の立ちっぱなしはとてもきつかった。

毎年、年末から年始にかけてのどこかで寝込むのだけど、
今年は寝込むほどではないにしろ、やっぱり体調不良になったのは練習不足か、はたまた栄養不足なのか・・・。
あたたかいうどんやみかんを食べ、蜂蜜をスプーンで飲んだりした。

今日、やっと通常の感じに戻った。例年のように大きく体調を崩さなくてよかった。
当たり前だと思っていた普段がとてもありがたい。
1年を振り返るために体調不良になるのかなとも思ったりする。


今年は10月くらいから自分の内側と向き合う時間が増えた1年だった。
気づいたことは、周囲に言われたことを気にしすぎる傾向があるということだった。

それはなぜかを突き詰めると、他人の評価を結構気にしているからだと思った。
あと自分の心の傾向として、誰かの言動を「嫌だ」と思うことを自分に無意識に禁じているなということにも気づいた。
これも、他者を否定してはいけないという道徳心というかルールみたいな「外からの評価」からくるものだと思う。

自分が感じたことはもっと大切にした方がいい。
自分に正直でなかったことがたくさんあったかもしれないなと思った。
来年はもっと自分に正直になることが目標だなあ。
やらなきゃいけないことと共に、ワクワクすることもしたいなと思う。

① 新しい演劇を観に行く。
(とりあえずネットで購入できるものから年末にみてみようと思う)
② 1、2ヶ月に1回は友人と美術館やハンドメイド関係のお出かけをする。
(来年、友達とトンボ玉制作体験に行く予定あり、楽しみ!)
③ 4月、8月のハンドメイドマルシェに向けての制作開始。
④ 太極拳の表演にまた挑戦する。
⑤ 食べるのが疎かになるので、美味しいものを時々食べに行く。

そのためにも元気でいなきゃ。
自分の心身の声をちゃんと聴いて、ちょうどいいところを探したい。











誰も聴いたことのない音を

2024-12-22 19:08:49 | 日記
クリスマスが近いなあ🎄🎄🎄

クリスマスを楽しんでいますか?
私の方はといえば、昔はケーキを買ったり、小さなツリーを飾ったりしていたけど、最近は全然していない。せっかくの楽しい行事なのに、仕事仕事の毎日でその流れに乗れてないこと数年間。今年はその忙しさに一息つけた年だった。

この1年間、いろんなことに振り回されずに(いや、振り回されてたのかな?)よく頑張ってきたので、自分にご褒美をあげたい!と思っていて、何がほしいか考えてみたんだけども、「物」でほしいものが最新式の洗濯機くらいしかない(笑)。
まあそれでもいいけど・・。

・・・・。
ふと、「物」じゃなくて、「体験」にしたいと思った。
体験で感動できるものはいろいろある。星空を見にいくもいいし、旅行に行くもいい。
でも、最近ずっと行ってない「演劇」を観に行くのもいいなあ、と思った。
大学で演劇部、4年間は演劇に打ち込んだ日々だった。心が震えるような感動をたくさん覚えた日々だったなあと懐かしくなった。

と思ったけど、急にはチケットは取れない。

なので昔、大好きだった野田秀樹さんの野田地図の演劇で、YouTubeで観られるものをみてみることにする。
本当は「贋作・桜の森の満開の下」が一番観たいんだけど完全版がない。
でも「半神」はいくつかに動画が分けられているけど、あった!!


萩尾望都さん原作の漫画「半神」の舞台化されたもの。
漫画の方は少ないページ数ながら、私の中で「人生に出会った漫画ベスト3」の中に入っていて、漫画自体は私の宝物だ。
まだクラス担任の時、これを文化祭の舞台でやってみたいなあと思ったけど、このお話をたかだか30分程度の脚本にすることはとてもじゃないけど難しかった。

ちなみに、故・今井雅之さんの戯曲「Winds of God」は舞台を観に行って大感動し、当時の自分のクラスの生徒に紹介したところ、文化祭で劇を行うことができた。14年間の担任のうち2回上演したけど、子どもたちや保護者の方と感動を分かち合えたのが何より嬉しかった。

「Winds of God」は戦時中の話だけど、タイムスリップしたりとストーリーがわりと子どもでもわかりやすかった。

それに比べると「半神」・・。
体がくっついた状態で生まれてきた双子の話。
どちらかを生きさせるには、どちらかの命を諦めなければいけない手術、生き残った方はその後に何を見たのか・・・。

命の重さと生きることの喜びや悲しみをわずか数ページで描いたこの漫画を、どうやって舞台に?と思っていたけれども・・・・。
やはり野田秀樹さんは偉大だった。

この人の舞台って言葉遊びがあまりに複雑で話の筋もごちゃごちゃと混み合いがちなので、枝葉にこだわっていると何言ってるのか全然わからなくなるけど、全体を通して観た時、心の奥からざわざわしたり、心が熱くなって涙が込み上げてきたりする。
言葉遊びの向こう側にすごく大事なものが横たわっていると思うので、とても好き。

あと演劇の良さって、目の前で観ると役者さんの熱が直接伝わってくるのもいいところ。同じ空間にいるって大事なんだなあ。

YouTubeだとそれがないのがとても残念だけど、「半神」は主演の深津絵里さんと加藤貴子さんを始めとする役者さんの迫真の演技で引き込まれる。音楽も素敵。
原作には全く出てこないキャラクターを数多く登場させつつ、ちゃんと萩尾望都さんの言いたかったことをもっと立体的にして伝えた感じがする。
久しぶりに観て、より一層感動した。

来年は、新しい舞台を何か一つ、観に行こうかな。
いいものを観ることで、自分の中から湧き出してくる、私にしか聴こえない、未知の心の「音」を感じられたらなあと思う。
(これ、「半神」の内容にかけてます!)



















「デッサン占い」の効果

2024-12-18 10:36:02 | 日記
中学校3年生の最終課題でデッサンをやっている。
これが義務教育最後の美術になる。
自分の「手」のデッサン。
自画像だと「ずっと鏡を見続ける」という心理的なハードルが高いので、自分を表すモチーフとして「手」を選んだ。
手は意外に感情を表現しているから。

形の取り方や基本立体の陰影表現のポイントを説明して練習をした後、自分の手で自由なポーズを取ってデッサンをしていく。
その後はそのまま完成でなく、デジタルの描画アプリにデッサンを読み込み、デジタル上で加工していって自分の世界を作っていく想像画にして完成する。

受験前、美術の授業なんてやる気持ちにならないかもしれない中3に。


でも、私はこれをある程度やる気にさせることができると確信してやっている。
実際、意外に生徒は集中できている。
鉛筆で描き込む度、少しずつリアルに近づいていくその過程は成績云々なんていう小さなこだわりを軽々と超え、思春期のやる気を刺激していくのを今まで見てきたから。

私自身、デッサンが上手い方でなかったので過去いろいろ勉強した。
習いにも行ったし、本を読んで練習もした。
3歳下の私の妹が小さな頃から異常なほどデッサンがうまかったので、自分の下手さに自覚はあった。今見ると中学生から高校生くらいの時に描いたデッサンは、微妙に縦の比率が長かったりする。

でも下手だったからこそ今、「下手でもある程度できるようになるにはどうしたらいいか」という方法論が確立できている。
それを生徒に応用しているので、最初はクリームパンみたいだった手がどんどんリアルに近づいている。
それは生徒本人にとってもわかりやすく自分の成長が感じられることであり、とても嬉しそうにする。
それを見ると私もとても嬉しい。

あと、表現全てに言えることだと思うけれど、デッサンには「その人の今の心の姿」が表れる。

ある生徒のデッサンを見て、説明した理論にこだわってしまうあまり、何だか窮屈そうなデッサンだったので、
「いろんなことを気にしすぎて心が辛そうなデッサンになっているからもったいないよ。もっと自分の思うようにしていいんだよ。」

と伝えたところ、突然その子が目を真っ赤にしてポロポロと涙を流しながら、
「先生、なんでわかるの? 私、親とか周囲の人から言われたことを守らなきゃと思って、今すごく辛い。なんで、なんでわかるのーー??」
と言ったため、その後の授業は生徒が私にデッサンを持ってきて、私が何か一言メッセージを伝えるということになってしまい、私はにわか「デッサン占い師」になった。

特に女の子たちには大好評で、
「先生、占い師になってもやってける!」
とお墨付きを受けた。この方向の仕事もありか・・・・(^^:)
男子も、褒められると照れ臭そうに笑う。そしてデッサンに集中する(笑)。


まあ、悩み多き思春期は誰かに何かアドバイスをもらいたいんだよなあ、と思う。
私も正直、デッサンの表現だけじゃなくて、ここ数ヶ月間、生徒に接してきた時の全体像というか生活態度を鑑みて伝えるメッセージを考えたところもある。
できるだけプラスのメッセージを。
このメッセージが、その生徒にとって何かいい方向に進むきっかけになればと思う。

例えば普段あまり何事もやる気がない生徒には、
「メリハリがあって、やるときはやる子!」とか。
この子は「デッサン占い」でいいことを言われたいがためデッサンはかなり丁寧に取り組んでいる。効果あり。

昔、母の知り合いの方でよく当たると有名な占いをやっている方に
「あなた、将来、私と同じことをやるようになるよ。」と言われたことがある。
特に霊感があるわけでもなく普通の私は、そのときは「はい??」と思ったけど、
今、何となく当たっていると思っている。

占いって、たぶん人が発する微細な表現を読み取り、それを利用して人を励まし、幸せにしていく仕事だと思う。教育も占いみたいなものかな、もしかして。

「デッサン占い師」として、もっと読み取る精度を高めていきたい。













幻を見た日

2024-12-12 14:26:14 | 日記
昨日、15時半過ぎ頃のこと。
朝からずっと描いていた絵本のイラスト制作に疲れて、
少しベランダに出てしばらく体を動かしていた時に、西南の空にそれを見つけた。

ここのところずっと晴れてるのに、・・・・虹??何だろ。

大空に縦の大きな虹。
綺麗だなと写真を撮った。


後でネットで調べてみたところ、「幻日(げんじつ)」という大気光学現象ということだった。
雲の中にある氷晶に太陽の光が反射してできるものらしいけれど、幻日が現れるためにはある角度で氷晶に光が差し込む必要があるらしく、その他にも雲の種類など、いろんな気象条件が揃わないと現れないとWikipediaに書いてあった。

・色の並びが規則的で、太陽側が赤色、外側が白色や紫色
・太陽と同じ高さに出現し、太陽との視角度が約22度の距離に現れる
・うす雲(巻層雲)、いわし雲(巻積雲)などに現れやすい

ふむふむ・・・。
比較的珍しい自然現象らしい。
出会えたのはなんだか嬉しい。


よくよくネットニュースで見てみたら、やっぱり昨日、茨城県で幻日の完全形?の輪っか(ハロ、もしくは幻日環と呼ばれている)が観測されたという気象記事があった。
また以前の記録を調べたら、今年の10月31日に都心で幻日が観測されたという記事があった。
1、2ヶ月に1回程度見られる自然現象なのかな。

あと言い伝えで、「幻日は幸運を運んでくる」というものがあるらしい。
当たってくれるといろいろ嬉しい。

今描いている絵本がちゃんと締切に間に合って(間に合わないかもしれない!)、
さらに賞に入るとかだと嬉しい!😝 
神様が励ましてくれている、という言い伝えもあるそうだ。
だとすると「何とか締切までに間に合わせろよ。」ってことかもしれない。

日中忙しく働いていたら、こういう自然現象には気づかない。
今の働き方、やっぱりラッキーなんだな、って思うことにする。








動く日々に

2024-12-09 22:30:43 | 日記
12月に入って、毎日のように何らか体を動かしている。
運動がすごく得意というわけでもないけれど、
体を動かすのはとっても好きなんだなと思う。

金曜日と土曜日に太極拳や形意拳を習っているのに加えて、
日曜日に「武フェス」という武術のミニ講習会がたくさんあるイベントに参加したし、
月曜の今日は個人的に仲間と昼間に太極拳の練習と、夜は元々習っているバレエに。

それぞれの分野で一生懸命にそれを極めようと努力している人たちは、みんなどこか純粋で、会えてよかったと思える人が多い。
私はすごく人見知りだし、人がたくさんいるところも苦手だから、
なかなかの「出不精」だけど、そういう人に会えたから、重い腰をあげてよかった。


器用でない分、何かできるようになると人一倍嬉しい。
それは美術でも同じなんだけど・・・。
頭でわかっていても、体で自然にできるようになるまでには時間はかかる。
たとえ教えてもらったとしても、本でコツを読んだとしても、結局は何度も体を動かして体感して得ることしかできないところも、もどかしいけど面白いところなのかもしれない。

自分が好きなことがどういうことかが自分でわかっていて、
それに取り組める時間があることがとてもありがたい。
で、一人じゃなくて周りにいろんな仲間がいることもありがたい。


今日、勤務先の中学校の3年生の授業中、「人生がしんどくて仕方ない」という中3男子がいた。上に羽織ったパーカーのフードを深く被っている。
漫画みたいにドヨーンとした空気をまとっていた。


中3はしんどい。
そもそも受験生は辛いし、思春期、人間関係にも悩む時期だったりする。
聞けば、やはり恋愛での悩みだそう。

私も中3くらいから高校生卒業までの時期って、悩みしかなかった気がする。
受験期は特にストレスでご飯が食べられなくなり、人間関係でも深く悩んだし、4ヶ月で10キロ痩せて、朝、登校前に病院へ親に連れて行ってもらい、点滴を打って凌いでいた時期がある。
あの時は人生で一番暗い時期だった。

今すごく楽しいし、特に深い悩みもないし、
目が少し悪くなったし、走るのはもう辛いからしっかりと年は重ねたけども、
なんやかんや幸せな毎日が送れている。

今が辛い人に「未来はきっと明るいよ」って言ったとしても、
今辛いんだから救いにはならない。
けど、ずっと辛いわけじゃないことは伝えたい。

年を取ることでいいことがあるとしたら、今までの人生を俯瞰して見ることができる視点をもてたことかもしれない。

とりあえず、高校は中学より自由が多くて楽しい(ところが多い)とは言ってみた。
年を取るほど自由度は上がる、とも言ってみた。
恋愛の悩みに即効性のある言葉なんてないけど、生きていれば何とかなるのよ。

しかも恋愛の悩みなんて、言ってみればただの執着だよ。(とは流石に言えないけど)


とりあえず、手や体を動かそうよ。
そうしたらきっと何かいいことが動き出すから。
とだけ、言ってみた。

うん、と無気力な返事をしながらデッサンを始めたその子に、
いいことが本当にありますように。























呑気な年末のスケッチ

2024-12-01 06:51:06 | 日記
昨日は疲れて早く寝たから、日曜日なのに夜明け前に目が覚めた。

勤務している2校の3年と2年の評価評定を金曜日にほぼ終えた。
特に3年生の成績は直に高校入試に直結するから、毎回かなり慎重になる。
仕事の大波を乗り切ったことで、気持ち的に年末が今日から始まった。
12月って、特に何もなくても相変わらずワクワクする月。
12月ってだけで嬉しいもんね🎅🎄

体が冷えているなと思ったので、お風呂を沸かして「箱根の湯」を投入。
透明なブルーのお湯で香りも爽やか。なのでセットの中の「箱根の湯」ばかり使ってしまい、他のが一向に減らない。

お風呂から出るとやっと外が明るくなり始めた。
二度寝もいいかなと思っていたけど、こうなったら日の出が見たい。
ベランダで出て日の出を待つが、やっぱり12月、せっかくお風呂から出たばかりなのに冷えて寒い。
コーヒーを淹れていると、ようやく日が昇ってきた。

太陽って毎日こんなすごいことになってるんだろうかってくらい、勢いとパワーがある。日の出って穏やかな言葉だけど、もっとどーんと、ぐんぐんと「生まれてくる」感じ。
写真を撮ってもその感動はあまり残らない。
お正月じゃなくても日の出って普通にありがたいしすごいと思う。

朝、ベランダに出て気付くのは、日の出のビジュアルだけじゃない。
音。 
鳥、特にカラスが結構鳴いているということ。

調べると、カラスって相当頭がいいらしく、鳴き声の回数で仲間同士、会話しているそうだ。
1回で挨拶、4回で警戒や威嚇、5回で逃げろ!6回で敵がいる!という合図らしい。
今日は4回鳴いているカラスがいた。なんか朝から警戒中らしい。
お疲れ様ー、気をつけてー。
そう思うと、私もカラスの知り合いみたいで楽しくなった。

なんとも呑気な一日の始まり。
どこも行かなくてもこれはこれで楽しい。
自然界と自分がどこかでつながっている感じがあると、こんなにも心が落ち着くのだなと思った。
さて12月、大掃除だな、帰省はいつからにしようかな・・・。
年末って相変わらず、なんか楽しいよね。