東京の空の下♪ほのぼの日記

ほのぼのと・・・

☆「シャンソニエ」の夜・・・♪

2011-12-20 | シャンソン日記&歌姫☆ほさか夏子

「サンジャンの私の恋人」by保坂なつ子(ほさか夏子)

 

 

 日本で言う「シャンソニエ」とは、

シャンソン歌手の生の歌声を楽しめるお店のこと。

個人でやっている店が多く、概して“小さなBAR”のような落ち着いた雰囲気で、

決して広いと言えないお店であっても必ず伴奏用のピアノがあります。

 

ただお店のスタイルは、あくまでも“シャンソンのライブ主体”ということなのか、

お酒やおつまみに力を入れているお店は私の知るところではほとんどなく、

飲食の楽しみは皆無という状況に加えて、おしゃべりを楽しめるのもライブの合間のわずかな時間しか・・・

 

日本の「シャンソニエ」の多くは、

ただ純粋に・・・歌の世界に浸る場所のようです。

 

 

 思えば。

夫が若い頃に赤坂で営んでいたシャンソニエは・・・

多くのシャンソン歌手が競演した充実のライブはもちろんのこと、

「お客様へのおもてなしを何より大事に」というコンセプトは当時評判のお店でした。

ワインカーブのような独特の造りの店内は個性的かつ豪華な雰囲気で、(同じビルの別フロアでフランス料理レストランもやっていたこともあり)フランス料理を中心にした美味しいおつまみや、選りすぐりのワインなどたくさんのお酒もそろえ・・・

シャンソン通でなくても、

多くのお客様が通う、素敵なお店だったようでした。

 

また・・・

私のアコーディオンの師匠、

金子万久先生が現役の頃にバンドマスターとして演奏していたビアホールは、

あたかもドイツの音楽酒場のような明るい雰囲気で。

アコーディオンをメインに、歌や他の楽器の生演奏をBGMにお客様みんな盛り上がり♪

飲んで食べて笑い声が絶えない素敵なお店で、

私も大好きでした。

 

 

 

 私はシャンソンが大好きだもの♪

 

音楽って。

ファンを増やすには、まずはその音楽を楽しんでもらえる雰囲気作りがとても大事。

でも、シャンソン界やシャンソニエに、もしも排他的なイメージがあるとしたら・・・

それは残念なことだし。

シャンソンという音楽がどんどん大衆から置き去りにされていく現実は、

とても寂しい。

 

シャンソンに馴染みのないお客様も私の友人たちも、

気軽に誘って楽しめるような場所が出来てくれるといいな。

 

できることなら、

私もそんな場所を作りたい。

 

 

 

 12月のビッグイベントのひとつ。

今年いっぱいで閉店してしまうシャンソニエ・・・赤坂「ブン」のライブに行ってきました。 

「ブン」は、

古きよきパリの裏通りにひっそりと佇んでいるような風情の、小さなBAR・・・

 

日本のシャンソン界を支えてきた大御所のお一人、古賀力(つとむ)さんのお店で、

43年もの長い歴史があり、その昔には・・・

シャルル・トレネ、ジルベール・ベコー、シャルル・アズナブール、

ジュリエット・グレコなども訪れ・・・多くのシャンソンファンに愛されてきた、

日本のシャンソニエのメッカのような場所だったようです。

 

古賀力さんの歌はシャンソン好きの夫の影響で私も以前からよく知っていて、

「ブン」というシャンソニエにもずっと興味があったのだけど。

 

“いつまでもあると思うな・・・”とは、昨今いろいろな場面で痛感している教訓でした。

 

時の流れはときに冷淡で・・・時代は移り、

人は年をとり・・・

古きよきシャンソニエの歴史にも、いつか終わりがくるもの。

 

 

 

 

  

「ブン」が閉店するにあたり

大好きなシャンソン歌手、保坂なつ子さんが出演する夜を指定して出かけた・・・

私にとって、

最初で最後の「ブン」の一夜・・・

 

 

保坂なつ子さんのステージ♪

 

奥に座っていらっしゃる男性が古賀力氏です

 

 

 

久しぶりに聞く、なつ子さんの生の歌声・・・

 

やっぱり素敵だ。

 

彼女の声は、

シャンソン界のひとすじの希望かもしれないと思う。

 

 

 

ライブの時間はあっというまに過ぎて・・・

 

私にとって・・・「ブン」の最後の舞台

 

初めて聞く古賀力さんの生の歌声は、

昔聞いたカセットテープとおんなじだった。

 

長い間お疲れ様でした・・・という思い。