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お気楽ナチュラリスト

都内に住んでも心はナチュラリスト。
週末は山と川で遊びたい。

越冬ヤマメでシーズン開幕

2025年03月02日 | 釣り
今年は、数年に一度訪れる3月1日が土曜日の年だ。
サラリーマンアングラーにとっては、ビッグチャンスの年回りなのである。
数日前からソワソワしっぱなし。



解禁日の前日、ラーメン屋さんで勝手に前夜祭。
野菜もりもり、チャーシュー乗せ乗せ、背脂とニンニクをガツンと利かせて、パワーを注入した。



いつもは入れないニンニクなんかに手を出したもんだから、夜中に起きた時には胃もたれでゲンナリしてしまった。
コンビニにも立ち寄らず、一番乗りを目指して未明に車を飛ばした。
駐車ポイントに到着すると、気温は0℃だった。
最近、温かい日が続いたとはいえ、山はまだまだ寒い。
身支度を整え、ヘッドランプをつけて入渓点へ向かう。
川へ降りようとしたら、なんとすでに先行者が河原で焚火をしているのを発見。
今年もAプランが崩れてしまった。
しかたなく、Bプランへ変更。


しかし、そこにも老釣り師が岸辺に立っていた。
近づいて挨拶すると、川の様子を見に来ただけらしい。
いったん帰ってからまた来るというので、入渓をゆずってもらった。
ほっとして、コーヒーブレイク。



明るくなったら、恒例の儀式を始める。
今年のお清め酒は、剣菱にした。
安全祈願、爆釣祈願。



お清めの効果てきめん、一投目にチビヤマメがヒットした。
色合いからすると、まちがいなく越年物のようだが、いかんせん小さすぎる。
これで解禁したとは、胸を張りづらい。



予想したよりも水量が乏しい。
ファーストフィッシュ以降は、ヤマメの姿が見えなくなった。



ふと気が付くと、上流から餌師がやってきた。
釣り下っているのだろうか?
挨拶をして釣果を聞いてみると、芳しくないようだ。
上流へ行ってもいいかと尋ねると、どうぞどうぞと言う。
「上にもたくさん人がいますから…」だって。



流れがカーブした先には、目を疑うような状況が現れた。
数十メートルごとに餌師が竿を出しているのである。
河原で焚火をおこし、一つのポイントで粘っている。
凄いところでは、両岸から竿を出している。
どうやらここは放流区間らしい。
大賑わいである。


餌師の合間を縫って、ロッドを出すと確かに釣れる。
放流物は、エサよりルアーの方が反応がいいのかな?



ちなみに、ルアーはBLINKマタギモデル。
フローティングだ。
水量が少ないので、ちょうどよいタナをプリプリ泳いで、ヤマメを誘惑していた。



ある餌師は、「今日は食いが渋い」と嘆いていた。
餌師は、「あそこにヤマメがいるからルアーでやってみてよ」と言う。
荒らしちゃ悪いからと断っても、「いいから、いいから」と言って引かないので、ポイっとルアーを投げたら釣れてしまった。


「おおっ! うまいねぇ!」なんて、褒めてくれて、ちょっといい気分…?

ちがうちがう、そうじゃ、そうじゃなぁい!

と鈴木雅之の歌が脳内で響いた。


会いたい魚は、これじゃないのだ。
脱渓して車に戻って、しばし思案。
この時期には、おそらく誰も入っていないであろう支流へ向かった。


一日中、ほぼ陽が差すことのないこの沢は、しんしんと底冷えがした。
岩壁から染み出す水は完全に凍っていた。



流れの中の岩も凍りついていた。
滑って転倒しないように、慎重に足を運ぶ。



落ち込みから続く小さな淵は暗く、いい雰囲気を醸し出している。
金ラメのBLINK45HERAを底に沈めて、ゆっくり上下に動かしてみる。
10㎝ほどのヤマメが様子を見に来るが、口は使わない。
10投ほどしただろうか、不意に黒い影が出てきて、ゆっくりとルアーをつついた。
間髪入れず合わせると、生命感がロッドに伝わってきた。
よっしゃ!


いい感じにサビたヤマメが出てくれた。
これこれ、この色が見たかったのだ。


痩せた姿は、厳しい冬を乗り越えた証。
頭と顎が大きいので、温かくなればエサをたくさん食べて、逞しい体躯になっていくことだろう。
そう願って、やさしくリリースした。



昨年とおととしは、初釣行日に尺イワナを釣っていた。
二度あることは三度あるという諺がうっすら頭に浮かんでいたが、さすがに三年連続の尺イワナは虫が良すぎたか。
しかし、越冬で色濃くサビたヤマメは、この時期限定の至極の一尾である。
野生との再会に十分に心が満たされて納竿した。

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