22日パルコ劇場。
あえて内容の下調べはせずに観た。
登場人物が12人もいて、それぞれ見せ場があるのに
全く混乱しなかった。しかも全部キャラが立ってるのが凄い。
欲を言えば看護婦二人のキャラが被ってたけど、あえてなのかなあ。
タイトルが洒落てる。
個人的な印象としては「千と千尋の神隠し」のような。
観ないと分からない不思議なタイトルと、おもちゃ箱のような中身。
正直自分のツボにはまらない笑いの部分も所々あったけど
全体的に大好きな舞台だった。何もかも初体験という感じ。
キーワードのひとつは「何度でも立ち上がる」!!。
でも私は一日しか記憶が持たないパコの「一瞬のかがやき」みたいな部分に
感動した。
多分それは出演者ひとりひとりが限られた140分という時間の
一瞬一瞬に全力だったから。
自分の感性に合う作品で自ら表現して、それを大勢の観客と共有できる
舞台のお仕事って単純に羨ましい。
出演者全員好きだったので、ひとりずつ感想書いちゃう。
吉田鋼太郎さん。シェイクスピア~って感じ。いろんなギャップが面白いこの舞台の、
ある意味象徴のような存在だったかもしれない。良い意味でアンバランスな感じがはまってた。
積極的に若者の世界を楽しんでる様が好印象。声が枯れてたのがすごい心配。
志村玲奈ちゃん。私キグルミ好きだった。特に玲奈ちゃんが。
よくいる子役みたいにこなれてなくて、上手くやろうとしてないとこが逆に良かった。
このままいい感じにきれいな女優さんにならないかなあ。。
笠原浩夫さん。すごく華のある主役キャラの人だなあと思った。
ただ、劇中劇の時にホモキャラになるイキサツにいまいち納得いかなかった。
新妻聖子さん。男キャラが素敵でした。一番気合い入ってる(役)で、
この方の勢いにグイグイ引っ張られたかも。ただ、女性が使う男言葉ってどうしても
無理してる風に聞こえてしまう。
山内圭哉さん。さすが関西人(なんだよねえ)。面白かった!
映画でどんな風に演出されるかも楽しみ。ってなんか上から目線だよなあ、さっきから私。
まあいいや。中山祐一朗さん。この方メガネ男子界のプリンスだったんだと
最近知った。飄々と、でも自分の世界を持ってて、人に流されない感じが憧れる。
この方自身の人柄にすごく魅力を感じた。
戸次重幸さん。この方のファンの方々の存在感を凄く感じた。
「しげちゃん、しげちゃん」ていう声が聞こえたり、
ロビーの戸次さん宛のお花をファンの方が写メしまくってたり。
会社の女の子も好きらしくて、ファンを「熱狂的」にさせる存在みたい。
2役やってたけど、最初別々の人だと本気で思ってた。
全然違うお芝居は凄い。2枚目かと思ったら3枚目も半端なく演じてた。
月船さららさん。最後カーテンコールで出てきて捌けてく姿が凄い美しかった。
名前からもう宝塚って分かるし、劇中劇のシーンで派手な衣装着て
大げさな台詞言っててもすごく安心しました。
楠見薫さん。面白かった!この方のコメデイエンヌセンス好き。
春風亭昇太さん。ひいき目とかでなく、昇太さんが一番笑いを取ってた。
さすがです。面白かったし。「お後がよろしいようで」が異様に受けてた。アハハ.
同じ日に昼と夜のチケットが当たっちゃって2回観たんだけど、
ある場面で昼と夜で声色を全然変えて笑いを取ってて
舞台ではそういう演出はよくあることなんだろうけど、
48歳であのチャレンジ精神には頭が下がる。
お芝居ってちょっとした台詞の抑揚とか間で全然変わるというのは
昇太さんの落語を聞いて感じていて、それをイメージ通りに表現できるところが
素敵。あれだけ笑わせて泣かせて重いシーンもある舞台だけど、
ラストの昇太さんのセリフでフッと気持ちがほぐれます。
岡田浩キさん。トウービー根底ニューだと少し侮っていました。ごめんなさい。
役柄もあるけどこの方が出てくるとキュっと舞台が締まる。いい声だし。
「ファン一同」っていうお花があった。愛されてるんだね。
はあはあ。
前売りはもう取れないかもしれないけど、
当日券取れればぜひ観劇されることを
全国の人に勧めたい舞台。なんか人間のエネルギーがぎゅうっと
凝縮されている。