HITO-OMOI(ひとおもい)

ひとを、ひととき、ひとへに想ふ短歌がメインのブログです。作歌歴約二十年、かつては相聞(恋歌)、現在は専ら雜詠です。

3906首目 計らざるに 、桑原武夫

2019-01-14 00:00:00 | 日記
【文学入門】桑原武夫

以前(3889首目 『グレート・トラバース~賛』) 私も何かしら目標をもった暮らしをしたい。(登山はしないと思うけど、)

と書いた。

安直だけど読書かなぁ、と。でもなかなかいいリストが見当たらない。なんとか見つけたのが桑原武夫先生の『文学入門』巻末の「世界近代小説五十選」。

幸い?『ジャン・クリストフ』のたった一作しか読んでいない。プルースト、ジョイスは入ってない、でも、デュガールは入ってる。結構高いハードルだな。と、いきなり腰砕けしそう。(笑)

ほんとは日本近代文学のリストがほしいんだけど。信頼できるのがない。まっ、教養主義の呪縛は否定できないけど、ね。

桑原武夫さんのご高名は高校の時から存じ上げていた。というのは、高校二年生の時、近代文学講義めいたものを受けた。約一年かけて当時の現国の先生だった木村観次先生から。

京大文学部卒の木村先生は、桑原武夫さんの講義を受けていた人。先生は「来年一年間は受験勉強ばっかりやるで。その前に今年は文学の時間や。」といわれた。

フランスとロシアで時間切れになってしまったが、途中にはソシュールの言語学も入った。サルトルにも寄り道した。(まぁ、私の頭では、『嘔吐』は理解不能であった。理解できた少なくない同級生逹は、京大と東大に進学した。)中高一貫私立校ならではの、学習指導要領完全スルー?の授業だった。(笑)

「自由なことができる最後の夏休みやから長編小説読むのが宿題やで」といわれた。秋までかかったけど、私は『カラマーゾフの兄弟』と『ジャン・クリストフ』を読んだのだった。




そうそう、『文学入門』の感想だ。およそ70年前の啓蒙書である。古さ云々より、自信と確信を持った筆致が心地よい。超一流はこのくらい小気味良くないとね。

「インタレストを契機として、作家と読者が、精神共同体を形成する。」

「作者の広義の経験を通した読者における再経験により、人生の発見と自己変革がなされる。」

小生、浅学菲才の輩であるが、ぼんやり腑に落ちる。

短詩系につれない桑原先生が、ちと切ないけどね。(苦笑。)





「いにしえよりインタレストはあればこそふと碩学に申し上げたし(新作)」

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