杜の里から

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明治大学はオカルト大学に成り果てた?(追記あり)

2014年08月02日 | ニセ科学
そんなタイトルみたいな思考に駆られ、思わず熱中症状態になってしまった案件を見てしまいました。
それは「明治大学リバティアカデミー」の公開講座、『ガイア、この水と微生物の共鳴する世界』というもので、中身を読み進むにつれ、思わず気が遠のいてしまうのを感じてしまいました。
    (←クリックで拡大)

講座主旨にはこの様な解説がなされております。
本講座では、独特な波動理論から、生きとし生けるものの本体をなす水の本質を追究して来られた江本勝先生と、EM(有用微生物群)の開発でエントロピーという科学の常識を破壊し、環境汚染や体内汚染に決定的な解決策を呈示してこられた比嘉照夫先生、このお二人の世界的に著名な研究・実践者をお迎えて、地球進化の正しいサイクルを取り戻すことで、崩壊の文明から蘇生の文明への道を探りたいと思います
この二人の話からどうやって【地球進化の正しいサイクル】を取り戻すのかちょっと理解不能ですが、それにしても、波動機器などを売ったり、普通の微生物資材などを扱っている一業者のセールストークをわざわざ大学が主催者となって講座として開設するなど、一体何を考えているのかと首をひねりたくなります。

以前から明治大学では超心理学講座などが行われていましたが、この時はあくまで超能力を科学的に解釈するという試みであったと理解していました。
ただ2008年頃の内容がこちらで紹介され、そこに「集合的意識」「手かざしヒーリング」なる単語を目にして一抹の不安はありましたが、そこはいやしくも大学、極端な方向へは行かないだろうと思っていました(講座内容はこちら)。

そして忘れた頃に現れた今回の講座です。
世間では今や「ニセ科学」の代名詞として有名になっている(と感じている)あの「水伝」と「EM」の二大巨頭揃い踏みの公開講座など、思わず船井幸雄氏がご存命だったあの頃に、時計の針を巻き戻された様な気がします。

勿論、信仰の自由は憲法でも保障されておりますから、彼らの話を聞いて個人がどう思うかまで云々言うつもりはありません。
しかしいやしくも、大学の名でもってわざわざ問題視されている特定企業の宣伝活動に加担するというのは、流石に問題があるのではと思えてなりません。

講師紹介によりますと、金山秋男という人は法学部の教授で専攻は「死生学」という事ですが、今回の人選を見る限り、果たして彼が「科学リテラシー」というものをどこまでお持ちなのかと、ついそんな事を考えてしまいます。
世間一般で言うところの、所謂「先生」と呼ばれる職業の方にこそ、本来ならば人一倍「科学リテラシー」が必要ではないのかと、強く強く感じた一件でありました。



(関連エントリー)
 ・「水を読む」(1)~(9)
 ・EMへの疑問(3)~EMは「ニセ科学」か?~
 ・「ニセ科学」の授業をやろう!


(8月2日追記)
明治大学リバティアカデミーからこの講座に対してのお知らせが発表されました。↓

   

やはり無視できないほどの『さまざまなご意見』があった様です。

「明治大学が水伝とEM菌を招いて講座を開く」(togetterまとめ)
まあ、極めて当然の反応でしょう。

(さらに追記)
学内からも批判の意見があった様です。
福地健太郎さんのツイートより)
https://twitter.com/kentarofukuchi/status/495486358014537728
https://twitter.com/kentarofukuchi/status/495488223502540800
週明けの公式発表を待ちたいと思います。

(8月9日 追記)
8月8日、明治大学リバティアカデミーより『不開講』のお知らせがありました。

   

何はともあれ一段落という所でしょうか。
出来れば、その理由などの詳細も載せてもらえれば尚良かったとは思いますが。


4 コメント

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残念ですが (OSATO)
2014-08-11 21:57:47
>石田剛さん

「アオイホノオ」は、宮城県ではやっていないのです…(^^;)。
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Unknown (石田剛)
2014-08-11 19:41:59
『スペース☆ダンディ』もイイですねぇ。
あと、エントロピー関係ないけど、『アオイホノオ』もイイです。
返信する
関係が分かりません (OSATO)
2014-08-11 00:14:30
いらっしゃいませ石田剛さん、こちらでは初めまして。

私も今回の講座の仕掛け人は多分金山先生だと思っておりますが、それにしても江本氏の波動理論や比嘉さんの微生物理論が彼の「死生学」と一体どう結び付くのか、その関係がさっぱり分からないでいます。

こちらのインタビュー(http://www.shinkiko.com/interview/template.php?id=137)で彼はこの様に述べていますが、
(以下引用 ↓)
日本人独特の死生観の背後にあるのは、やはり日本人特有の霊魂観、他界観だと思います。
(↑ 引用終わり)
ここから死と宗教との関わりを彼なりに研究していると思われます。
彼は学内に「明治大学死生学・基層文化研究所」というのを立ち上げてますが、↓
http://www.meiji.ac.jp/research/promote/specific_subject/dtl_tokutei_2012_0084.html
ここの研究課題を見てもその事が見てとれますが、ただこういう研究というものには、少なくとも客観的な視点からの考察というものが不可欠であり、それには多少なりとも科学的アプローチなり手法というものが使われるはずです。
今回の(多分金山先生がお書きになったであろう)講座主旨を何度読み返しても、そこには客観的な視点などはまるで見られず、セールストークをまるまる信じきっている「お客さん」の姿しか私には見えません。

>エントロピーを凌駕するなんて話

それが出来るのは、やっぱり『スペース☆ダンディ』ぐらいでしょうね。
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Unknown (石田剛)
2014-08-10 21:01:29
この金山『先生』が、ニセ科学の事情に疎くて、これが語り尽くされたニセ科学かつオカルトであることをご存知でなかったことは、そんなにおかしな話ではないのでしょうね。

けど、『講座趣旨』の文中に見える『EM(有用微生物群)の開発でエントロピーという科学の常識を破壊し』って辺りを読むと、科学に関する理解もリテラシも、いくらなんでも無さ過ぎだと考えます。

それよりもっとマズいのは、『水からの伝言』が、『先生』のご専門の分野の観点から考えても、ものすごくダメダメなお話だということがわからなかったことだと考えます。

もっとも、石田がそう考えるのは、石田が『死生学』とか『宗教民俗学』といった分野のことを、よくわかってないからなのかもしれません。もし、そうなのであれば、石田はそんな分野のことは、これっぽっちも知る必要がないと考えます。そういう物件にも、『学問の自由』が認められるべきとは考えますが、石田にとっては価値がありませんね。

エントロピーを凌駕するなんて話は、 EM菌 なんていう *つまらない* フィクションじゃなくて、魔法少女とかの面白いフィクションで楽しみたいものです。
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