「くはははっ調子に乗ってられるのも今のうちだけだ……これを使えば……これを使えばああああああああああああああ!!」
そんな事をいう奴に軍の一人が気づく。何かやる……そんな事を感じたから、ソイツに向かって駆けて行ってスパッと切り裂く。上半身と下半身が別れたソイツは何かを落とす。するとそれがソイツの血に塗れた。するとドクン――と何やら波打ったような……そしてそれが膨らんでいく。周囲の死体も取り込んでどんどん大きくなっていく、まるで大きな豆のようなそれ。
それがいたるところで出来ていってる。どうやら結構数のやつがあれと同じものを持ってたらしい。そして仲間殺されるか……それか自分が殺されるかしたときに使うようになってた。
いや、この場合はそもそもが死ぬことも想定されて持たされてた……そう考えるほうがしっくりと来る。なにせだ……あの大きな豆は切られたやつの血で発動して、そして一気に膨張、近くの血を吸いながら膨張してる。
「あれを止めろ!!」
そんな指示が飛ぶ。確かに放置する理由なんてなかった。だから、近くのやつがあの豆を切り裂くべく動き出す。ちかづいて一気に剣を振るう。剣だけじゃない。斧やら槍とか、もっとおかしな武器とか……色々とあるが、とりあえずそれらが人よりも大きくなった豆を切り裂く。
なんの問題もなく、切り裂かれた――と思われた巨大な豆。けどそこから何やらうねうねとした茎? みたいなのが出てきた。
「うわああああああああああああ!?」
どうやらその細長い茎は周囲の生命体に反応してるらしい。何人かの仲間達が捕まった。けどそれらはすぐに救出する。問題はこっち側の戦力ではなかった。
「なんで!?」「やめてよ!!」「いやだああああああああああああ!?」
そんな声を出してるのは教会側の奴らだった。そうその茎で捕らえられるのはこっち側の戦力だけではなかった。どうやらあの豆、敵味方の区別なんてないらしい。
それに周囲の肉片……そんなのもぐるぐる巻きにして、更にぐしゃぐしゃにしてる。これが最初から肉片だったのなら、何もいうことはない。けど生きてる教会の奴らは……勿論だけど、無様な声とともにその体の中の血を一気にふきだして潰されて言ってる。そこら中から、血の雨がふる。そしてそんなのが繰り返されると、ついには豆の中心から大きな花が咲き誇った。でもそれは花弁が広がるようになってる花ではなく、無数の小さな花(そうはいっても一つ一つが人の頭くらいはある花が寄り集まったような……そんな花が咲いた。
そしてその花は沢山の血を啜ったからなのか、真っ赤だった。誰もその花を綺麗だ……なんておもわない。
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