「よし」
私は一人コクピット内で一種のトリップ感みたいなのの中にいた。一気に大量の情報を得て、そしてそれを処理したからね。通常の……というかいつものテンションではやってらんねえ! となるから、私は途中から感情をけしたのだ。
ただ何も思わずに情報だけを処理する……そんな感じになって効率を追い求めていった。「こんなの無理! わかんないよ!」と思うような感情を殺して、私はひたすら素早く考えて蓄えてた知識を効率的に持ってきて、それでもわかんないのは検索した。
それを感情を排除してやったんだ。それによってかなりのスピードで私はこの世界を知れたと思う。それこそ表から裏側まで……だ。そして今勇者達が戦ってる存在も、その詳細を私はわかってる。
この世界を不完全に留めるために神によって止められた存在……それがあの化け物。いやちゃんとした名称がG-01の知識にはあった。『メタリファー』である。時空間を漂う存在で、その役目は調整。彼らは時空間の間でしか存在できないから、それを確保するために自身の為に時空間にズレを生じさせて歪みを調整、その隙間に入り込んで存在を保ってるらしい。
よくわかんないが、時空間が複雑怪奇なのはメタリファーの意味のない行動のせいである。てもそうしないと彼らは存在できないから、そういう存在なのだと言うことで責めることはできないだろう。
生きるため……といえばそれまでなのだから。世界とは普通は完成へと持っていくものだ。それを普通の神なら目指すし、完成された世界が美しいと思うもの。完成の定義には色々とあるみたいだけど、少くとも自分から時限爆弾みたいにはしない。むしろこの世界は逆だ。
そもそもが崩壊する世界。作り上げた世界を崩壊させてるんじゃなく、崩壊してたのを時空間に干渉できるメタリファーの力を無理矢理使って、崩壊寸前でとどめてる。その世界にあまつことか神は生命を作った。寵愛するべき存在である命を谷底に突き落とす様な所業。
それによって、ここの神はより強い存在を作ろうってことらしいけど、やられた側は溜まったものじゃないよね。そもそもが神の思惑通りにいってないし。教会の様な奴らで神は満足だったか? この世界で新世界に行けるのなんてほぼ教会についてる奴になってた。
けどそいつ等は強かったのか? いやこの世界基準では強かったけど……それは神が望んでたような強さ……ではなかったと思う。それに教会だってすでに正しい手順の扉の開け方はもう分かってなかった。
全ての都市……そして全ての都市核……それが必要だった。それぞれの街の配置、それとかにもちゃとした意味はあった。砂に埋まってもそのままになってたのはきっと砂に埋まってもどうにかするすべがあったから。
でもそんな面倒を教会はする気はなかったみたいだね。裏技……で扉を開こうとしてた。でもそれでは正しい楽園へはいけない。
しょうがないから、すべてを解明した私が開いてあげよう。完璧な手順を踏んだ、本当の楽園への扉をね。勿論そこに教会の居場所なんてないけど。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます