goo blog サービス終了のお知らせ 

東京顕微鏡歯科医院☆Advanced Care Dental Office ☆秘書・日本医療機器学会第2種滅菌技士aki

顕微鏡だけの歯科医院。☆Advanced Care Dental Office 日本医療機器学会 第2種滅菌技士認定

点検と手入れ

2018-05-06 05:26:41 | 医療安全感染制御(滅菌管理・滅菌保証)
こんにちは
東京マイクロスコープ顕微鏡歯科アシスタントakiです🌷

今日でゴールデンウィークも終わりですね
皆さまいかがお過ごしでしょうか?
お天気も良いので有意義な1日にしてくださいね

さて今日は点検と手入れについてお話ししたいと思います。

適切な洗浄の標準化は、確実な滅菌を行うために不可欠である。滅菌する器材は目で見ても清浄であり、すなわち目に見える残留物があってはならない。これを目視で点検する。ハンドルの構造部分、ジョイント、ジョー(把持部)の鋸歯状部分などの重要な部分は、特に注意深い点検が必要である。器材の点検をする際は、ライトがついた拡大鏡を使用することが望ましい。とりわけ、内腔構造のある器材の清浄度に疑いがある場合、蛋白質や血液に対する化学的検査を行わなければならない。



カニューレのような内腔を有する器材は、すべて詰まりがないか点検しなければならない。汚れが詰まった器材は再生処理しなければならない。
それでも効果がなかった場合、その器材は交換しなければならない。

洗浄不良の器材は再洗浄を行い、十分にすすぎ洗いをしなければならない。

金属表面がこすれるようなヒンジがある器材は、機能試験を行うときに液状のオイルまたは適量のオイルを垂らして潤滑を行う。

メンテナンスや手入れは、器材を注意深く洗浄・消毒した後に、器材のジョイント、ヒンジ、ロック、ネジ山、あるいはクランプ・はさみなどの摺動面に専用の潤滑剤を注油する。
これによって金属同士の摩擦を最小限にして、摩擦による腐食の防止手段となる。

これにより器材の機能性を維持し、ヒンジの動きは維持される。

手術器材用手入れ剤(潤滑剤)の必要条件:
・パラフィン/ホワイトオイルベース
・現行の欧州もしくは米国薬局方の生体適合性に準拠したもの
・蒸気滅菌に適し、かつ蒸気透過性があること

器材は、シリコンオイルを配合した手入れ剤(潤滑剤)を使用してしょりしてはならない。シリコンオイルを配合した手入れ剤(潤滑剤)は、器材の機能や蒸気滅菌後の結果に悪影響を及ぼすことがある。



手入れ方法の正しい実施:
器材は室温まで冷却して開閉しないと、部分的に擦れあって金属が摩耗する可能性がある。このような「フレッチング(微小摩耗)」が起こると器材が動き難くなったり、使用できなくなったりする。
手入れ剤(潤滑剤)は、ジョイント、摩擦面に塗布しなければならない。余分についた手入れ剤は、リントフリークロス(不織布)で拭きとらなければならない。

潤滑剤はスプレー噴霧や機械での注入では不十分であり、加えて腐食防止効果も十分ではない。手入れ剤(潤滑剤)用の浸漬槽は、細菌が増殖する原因となるので使用すべきではない。

プラスチック面を潤滑剤でしょりしてはならない。
しかしながら、例外がある。
・ハンドピース(モーター用ハンドピース、タービン)などの複雑な内部構造の手入れには、製造業者の指示に従い専用のメンテナンスオイルを使用して、手入れしなければならない。
・さまざまな器材は特定の使用目的のために作られたものであり、その用途で機能しなくなった器材は、確実に見つけ出して廃棄できるような機能試験を実施しなければならない。試験方法について疑問があれば、製造業者に問い合わせること。
・点検後、壊れやすい歯科器材は、搬送中の破損を防ぐために特別な入れ物に入れなければならない。必要に応じて、歯科器材が動くのを防ぐために適切なケース(カセット)を使用しなければならない。
・刃のついた器材(歯周治療用器材、歯科用エキスカベータ、歯肉縁トリマー、鋭いキュレット)は、定期的にシャープニングしなければならない。刃物の先端がシャープで機能を保証するためには、毎回使用後に器具を研ぎ直すとよい。





しかし、日常的にシャープニングができても、薄くすり減って損傷し、破折しやすくなることがある。これらの器材は、通常作業でかかる圧力で屈曲や破損の危険性がある場合には、除去・廃棄しなければならない。

参考文献 歯科用器材の再生処理 器材の性能を長期間維持するために

用手および機械をベースとした洗浄と消毒

2018-03-11 07:54:10 | 医療安全感染制御(滅菌管理・滅菌保証)
こんにちは
東京マイクロスコープ顕微鏡歯科アシスタントakiです🌷

今日は久しぶりに用手および機械をベースとした洗浄と消毒ついてお話をしていきたいと思います。

1.用手による洗浄と消毒
用手による再生処理では、消毒効果の証明された、除菌洗浄剤希釈液に器材を浸漬する。
・適切な濃度
・適切な時間
・適切な温度
用手による洗浄には、抗菌性又は酵素の有無にかかわらず蛋白質凝固変性作用のない洗浄剤を使用する。洗浄の際に消毒作用が求められる場合には、欧州(EN)規格あるいはこれに相当する各国内規則に伴い、「汚れのひどい状態」(高蛋白負荷)では消毒効果の証明された洗浄剤を使用すべきである。



洗浄剤や消毒剤の使用にあたり、保存可能期間の他、濃度、温度、および浸漬時間に関して、製造業者の指示を厳密に遵守されるべきである。
また、ステンレス鋼製以外の器材を扱う場合、その素材の適合性に関する製造業者の指示は特に重要である。

器材の素材と消毒方法との適合性は、器材の素材、消毒剤の組成、温度、曝露時間、濃度、および用いる溶液のpHに左右される。
有機過酸化物は、特に消毒剤として過酢酸を含む場合、使用時の特定の条件と消毒剤の組成に強く依存する。
アルキルアミンを含有する消毒剤を使用する際、薬剤の化学構造は、弾性ゴムと接着剤/接合部に関する素材適合性に大きく影響する。シリコンゴムの場合、アルキルアミンベースの消毒剤による処理を長時間行うと硬化につながる可能性がある。(消毒剤は主成分が同じであっても、器材に対しての適合性が異なる場合がある。消毒剤を選択する際には器材や消毒剤の製造業者に適合性を確認して使用すること。アルキルアミン系の消毒剤としてアルキルアミノカルボン酸塩などの両性界面活性剤がある。)

有機過酸化物またはアルキルアミン由来の消毒剤は、器材の素材の適合性の観点から「過敏(sensitive)」と分類されなければならない。
この理由から、検証され確認された消毒剤製造業者の指示は、厳密に遵守されなければならない。

誤った濃度および過度な曝露時間は、重大な損害をもたらすことも考えられる。

もし溶液をあまりに長期間使用すると、下記のような問題が起こる恐れがある。
・汚染レベル(希釈液中の汚れの濃度上昇)による腐食の危険性
・水分が蒸発し、洗浄剤や消毒剤希釈液が濃縮されることによる腐食の危険性
・汚れの残存による不十分な消毒(有効成分の劣化/蛋白質凝固)

ヒンジのある器材は、重なっている面積を最小限にし、開いた状態で溶液に浸漬しなければならない。

チューブやカニューレのような狭い内腔のある器材、および管腔のある器材等を再生処理することは常に困難である。そのためにも、内部の表面が溶液に完全に接していることを確認することが重要といえる。

粉末状の洗浄剤を使用する場合には、器材を浸漬する前に、粉末は水に完全に溶解すること。溶け残った洗浄剤の粉末粒子は、表面を損傷させる原因になる他、器材の細い管腔部分に詰まる可能性がある。

器材は、溶液中に完全に浸漬し、露出しないようにしなければならない。そのため、浸漬槽には、器材を詰め込みすぎないようにすべきである。

清拭には軟らかいリントフリークロス(不織布)、あるいはタオル、プラスチック製のブラシ、またはクリーニングガンの使用を推奨する。
用手作業での洗浄または消毒後は、器材を清浄な流水下で適切に確実にすすぐ。
けの用手作業で、器材の表面に付着している汚れの残留物を除去する。

ウォータースポット(水の蒸発残渣による器材表面に発生した斑点状のシミ)を防ぐには、完全脱イオン水を使用する。すすぎ後は、直ちに器材を十分に乾燥すること。
エアーガンを利用した乾燥は、他の乾燥方法(布による拭き取りなど)と比較して器材に対して損傷が少ないだけでなく、効果的な乾燥法であるため、特に推奨される。



用手洗浄で生じる、機械的な損傷の主な原因は次のとおりである。
・金属製ブラシの使用
・粗い研磨剤の使用
・過度の力での使用
・器具を落としたり、ぶつけたりすること

安易に破損する恐れのある器材は、特に機械的損傷を受けやすい。

参考文献 歯科用器材の再生処理 器材の性能を長期間維持するために

洗浄および消毒の準備

2018-01-31 08:48:36 | 医療安全感染制御(滅菌管理・滅菌保証)
こんにちは
東京マイクロスコープ顕微鏡歯科アシスタントakiです🌷

今日は洗浄および消毒の準備についてお話をしていきたいと思います。

適切な再生処理工程の第一段階は、診察室にて行われる。器材に付着した歯科用材料(充填材やリン酸化合物を基材とするセメント除去剤など)は、使用後すぐに除去すべきである。これらの物質が器材を損傷させ、さらに腐食の原因となる。歯科用セメントは、治療ユニットで使用した直後に除去すべきである。生理食塩水、止血剤、腐食性薬剤などの残留物は、洗浄準備の前に除去する必要がある。充填材の付着した器材の洗浄には、超音波洗浄機の使用を推奨する。器材の超音波洗浄機での取り扱いについては考慮する必要がある。



器材の品質保持のためにウォッシャーディスインフェクターによる再生処理を行うべきである。使用後、器材は適切なトレー上もしくはインスツルメント用カセット内に収納し(乾式搬送)、できるだけ早くウォッシャーディスインフェクターにた処理すべきである。常に製造業者の取扱説明書を確認すること。不適切な取り扱いは、器材を損傷させることがある。とりわけ、先端が微細な器材、たとえばピンセット、プローブ、はさみ、探針、スケーラー、特にカーバイド製インサート付の器材や持針器、歯周治療用器材が該当する。(搬送時には器材損傷を防止するために、固定できるカセットの使用を推奨する。耐久性の強化を目的として炭素鋼やカーバイドが使用されている器材では、含有されている炭素やコバルトにより変色の原因となる可能性がある。これらに対しては高温多湿・直射日光・揮発性溶剤との接触・EDTA溶液や次亜塩素酸ナトリウム等の溶液への長時間浸漬を避け、洗浄後は十分に乾燥させてから包装・滅菌を行うことで変色の発生は低減することができる。変色による劣化を避けるためにはステンレス製品で代用することも可能である。タングステンカーバイドが「インサート」として貼付されている持針器やハサミ、ティッシュプライヤー等の再生処理時には、剥離や損傷を起こさないような丁寧な対応が必要である。)



湿式搬送処理(使用後の器材を、洗浄液/消毒液を入れた容器に入れて搬送すること)が必要な場合は、たんぱく質の変性/固着作用のない洗浄剤と消毒剤の混合液へ器具を入れることが推奨されている。アルデヒドを含む消毒剤は、蛋白質の変性/固着作用があるため、使用を避けるべきである。洗浄力強化の追加策として、濃度や浸漬時間などの変更に関しては、常に製造業者の取扱説明書に準じるべきである。(アルコールが含有されている消毒剤を蛋白質と接触させることにより凝固が生じる危険性がある。)

腐食の危険性低減と洗浄効果を維持するために、搬送方法には関係なく、器具の使用から再生処理までの時間が長時間になる(一晩又は週末を超える)ことは避けるべきである。
再生処理の現場調査によると、乾式搬送の場合には6時間以内であれば問題は認められなかった。
従って、可能であれば乾式搬送の採用を推奨する。



回転式器材については、湿式搬送にて再生処理するか、最初に流水下でブラシを用いて洗浄するべきである。もしも、これらの器材をウォッシャーディスインフェクターにて再生処理することが可能であれば、事前に器材専用のスタンド(ラック)に積載するべきである。
用手洗浄をする場合は、回転式器材については適切な容器(消毒容器)にセットすべきである。これは、汚染の除去と十分な洗浄効果を得るためである。このことは、根管治療用器材についても同様である。

ハンドピース(モーター用ハンドピース、タービン等)は区別して、適切に再生処理を行う。
この場合も、製造業者の取扱説明書に準じて再生処理をする。

剪刀や鉗子などの器材は、表面の重なる部分を最小にするため開いた状態で処理することで、効果的な洗浄が行われる。トレーやラック、ホルダー、サポートなどに積載する場合や、超音波の効果やウォッシャーディスインフェクターのシャワー効果を発揮させるためにも、器材を開いて積載する。ユニットのテーブル上に用意した器材は、未使用であっても使用した器材と同じ工程で処理する。

参考文献 歯科用器材の再生処理 器材の性能を長期間維持するために

歯科用器材の再生処理

2018-01-24 16:54:42 | 医療安全感染制御(滅菌管理・滅菌保証)
こんにちは
東京マイクロスコープ顕微鏡歯科アシスタントakiです🌷

今年は例年にない寒さとのことですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

さて、今日からは歯科用器材の性能を長期間維持するためのお話をしていきたいと思います。

器材の再生処理の水と洗浄剤などのプロセスケミカルズ
1 水
器材の再生処理に使用される水の品質は、機能や性能の維持に大きな影響を及ぼす。

水は再生処理の工程で、次のような種々の機能を果たしている。
・洗浄剤およびその他の処理剤を溶解する。
・物理的な力と熱を被洗浄物の表面へ伝達する。
・可溶性の汚染物や付着物を溶解する。
・洗浄剤や処理剤を洗い流す。
・機械を用いた再生処理で熱水消毒を行う。
・蒸気滅菌の滅菌剤

水質が悪いと、再生処理工程および器材や材質の外観に悪影響を及ぼすことがある。特に、施設設備として亜鉛メッキ鋼管で配管工事を計画するときには、水質は非常に重要である。

天然水には各種の化合物が溶解しているが、濃度は水源や使用する浄化方法によって異なる。

使用する水の硬度成分と使用する温度によっては、溶解することが困難な硬い層すなわちスケール(石灰分の沈着)を生じることがある。
このような沈着物の下で腐食が起こることがある。



スケールは酸に溶けるため、酸性洗浄剤で、除去することができる。
しかしながら、材料の適合性について洗浄剤メーカーの指示を守る必要がある。(器材の再生処理に用いる水としては一般的に水道水が用いられており、水質基準項目と基準値が厚生労働省のホームページにて閲覧可能であるため参考とされたい。水道水の水質は基準値内にて地域に異なるため、器材の変化が見られる場合は水質調査により原因を特定できる場合もある。

軟水化処理を施した水において、上記の硬度成分はナトリウムイオンに置換されている。しかし、これで水に含まれる物質全体の負荷が軽減されるわけではない。

軟水化処理を施した水を使用する場合、温度や接触に応じてアルカリ度が大幅に上昇する場合がある。特に最終すすぎにおいて熱水消毒が行われる場合、アルミニウム表面は影響を受けやすい。



水が蒸発した場合、水に含まれていた無機物が、目視可能な残留物として析出する。水中に塩化物が高濃度に含まれていた場合には、ステンレスの器材であっても孔食を生じることがあるので、特に注意が必要である。

一般的に塩化物による孔食の危険性は以下の現象によって上昇すると言われている。
・塩化物含有量の増加
・温度の上昇
・pHの低下
・水との接触時間の増加
・不十分な乾燥
・水分の蒸発によって器材表面に付着した塩化物の濃縮

水に含まれる塩化物含有量と孔食との因果関係は必ずしも予測できるわけではないが、一般的には室温で塩化物含有量が約120mg/L(200mg/Lの塩化ナトリウムに相当)のレベルを超えなければ、孔食の危険性は少ない。しかしながら、これ以上の塩化物濃度では、孔食の危険性が急速に増大する。また、乾燥工程において水が蒸発する際に、水滴の塩化物含有量が120mg/Lの限界を大幅に超えることも留意すべきである。



過剰な塩化物の濃縮、また、その後の孔食を防止するために、最終すすぎでは完全脱イオン水の使用を推奨する。

他の物質が少量存在する場合も、茶、青、黒、灰色または虹色への変色の原因になる。このような変色は、水に含まれる珪酸塩/珪酸、鉄、銅またはマンガンを含有する化合物によって引き起こされる。しかしながら、原則としてこのような変色は無害で、腐食を誘発したり、促進しない非常に薄い残留層よりなる。

自然に含まれる物質以外に、水道水には腐食した配管から剥がれ落ちた錆が含まれる場合がある。このような錆(もらい錆)となって腐食を生じさせることがある。

最終すすぎにおける完全脱イオン水の使用は、塩化物により誘発される腐食の防止だけでなく、器材表面を汚れや変色のない状態に保つことに役立ち、陽極酸化されたアルミニウム表面を安定させる。最終すすぎにおける完全脱イオン水は、どのような滅菌手順にも悪影響を与える可能性のある乾燥後の結晶性残留物を残さない。

参考文献 歯科用器材の再生処理 器材の性能を長期間維持するために

ご報告

2017-12-29 13:29:42 | 医療安全感染制御(滅菌管理・滅菌保証)
こんにちは
東京マイクロスコープ顕微鏡歯科アシスタントakiです🌷
日に日に寒さが増しておりますが皆さまいかがお過ごしでしょうか。

遅くなりましたか、やっとご報告ができます
第2種滅菌技士認定講習会試験に合格しました〜

今年の5月に講習会に参加することになり、試験日までの半年間はずっと頭に引っかかってており、また当日が近づくにあたり緊張も伴い、試験後は発表のお知らせが来るまでドキドキの毎日でした

先日、認定証の履歴書に貼る証明写真も素敵に撮って頂きました。
ありがとうございました。





それでは来年も皆様に安心してご来院頂けますよう、より一層頑張ります。

よろしくお願いいたします