東京顕微鏡歯科医院☆Advanced Care Dental Office ☆秘書・日本医療機器学会第2種滅菌技士aki

顕微鏡だけの歯科医院。☆Advanced Care Dental Office 日本医療機器学会 第2種滅菌技士認定

表面の変化、付着物、腐食、劣化、膨潤および応力腐食割れ(4)

2018-10-14 17:57:59 | 医学情報
こんにちは
東京マイクロスコープ顕微鏡歯科アシスタントakiです🌷

今日も、表面の変化、付着物、腐食、劣化、膨潤および応力腐食割れについてお話をしたいと思います。

金属/付着物-酸化による変色
表面変化の種類



光沢のある灰黒色の酸化クロムの不動態被膜は、切除用器材(例:剪刀)として、しばしば最初に識別されるマルテンサイト系ステンレス鋼だけでなく、鋭利でない器材(例:鉗子、ピンセット)の場合にも形成される。

発生原因
チタン製素材(純チタンまたは合金)の場合、表面の変色では、一様にさまざまな彩色(例:灰色、青、紫、赤、山吹色、緑)、またはシミのような斑点が形成される場合がある。

機械洗浄で処理する場合に、最終すすぎの段階で除去される中和剤や洗浄工程において未だ特定されていない他の不動態被膜形成により、硬化ステンレス鋼にも前述と同様な事が起こる。ステンレス鋼の場合、不動態被膜は通常透明であるが、成分、密度、厚さに応じ、黒色となる場合がある。灰黒色酸化クロム不動態被膜を形成する性質は、特に上記で言及した材料組成の影響とあわせクロム含有量/炭素含有量の比によって決定される。実際には炭素含有量が多いほど、より速く灰黒色へと変化することを意味している。

チタン製素材の場合、様々な再生処理における湿熱や洗浄剤により、表面の酸化、ひいては表面の変色に至る場合がある。
酸化チタンの沈着物は、成分、密度厚さにより透明または複数/単一の色に変色するかもしれない。

推奨する処理方法
変色の除去は、沈着物の特性のため推奨されないが、必要であれば製造業者または専門の修理サービスにより行うことができる。どちらの場合も、適切な表面処理が要求される(鋼鉄の場合は機械的、チタンの場合は科学的)。ステンレス鋼の場合、腐食に対し耐性が大幅に向上しているため、基本的な洗浄剤で沈着物を取り除いても影響はない。

予防対策
ステンレス鋼の場合、中和剤を正確に投入すること。適切に最終すすぎを行い、中和剤の残留物を取り除く。チタン製素材の場合、素材の特性により再生処理時の絶対的な周囲の状況(温度、処理剤、湿度)の結果として表面で多かれ少なかれ目に見えて常に反応を示すため、事実上防ぐことはできない。

リスク評価
腐食ではない-審美性への影響。チタン製の場合、変色の結果として失われた識別用カラーコーティング(例えば医療機器のサイズを示す色分け)も安全上のリスクを示すものではなく、酸化膜の異なる特性の形成による変色が発生しても、まったく問題はない。つまり、生体適合性、衛生面、機能性、対応年数に関する制約事項はないことを意味する。

参考文献 歯科用器材の再生処理 器材の性能を長期間維持するために

表面の変化、付着物、腐食、劣化、膨潤および応力腐食割れ(3)

2018-09-26 16:51:30 | 医学情報
こんにちは
東京マイクロスコープ顕微鏡歯科アシスタントakiです🌷

今日も引き続き、表面の変化、付着物、腐食、劣化、膨潤および応力腐食割れについてお話をしたいと思います。

金属/付着物-珪酸塩およびその他の無機系沈着物
器材の再生処理において、珪酸塩を原因とする沈着物が最も頻繁に発生する。
表面変化の種類

手術器材やWDおよび滅菌器庫の内壁表面に発生する、広範囲の虹状の変色、または斑点状の変色や水滴状の着色などさまざまな形状の黄褐色や青紫色の変色。
発生原因
イオン交換器や逆浸透水処理装置(RO水装置)を用いて完全脱イオン水を製造する時の珪酸の混入。
◎洗浄剤のすすぎ工程が不十分なために、珪酸塩を含有する洗浄剤が機械洗浄の再生処理の最終すすぎ工程に混入
◎機械洗浄での再生処理の最終すすぎ工程や、滅菌器の蒸気凝縮物(例えば配管からの銅など)由来の他の無機物
推奨する処理方法
◎頑固な沈着物(珪酸沈着物)は弗化水素酸を含有した薬剤で除去することができる。
◎製造業者による機械的表面処理
◎資格のある修理業者による修理作業の実施
予防対策
洗浄装置の最終すすぎ工程には、珪酸が含まれていない完全脱イオン水を使用する。洗浄剤の次工程への持ち越しを次の方法で防ぐ:
◎トレーを正しく積載すること、また液体がたまる可能性のある構造の被洗浄物(例:シャーレやダッペングラス等)は適切な位置に置き固定すること。
◎洗浄剤の分注装置が正しく作動していることを確認する。
◎機械洗浄の再生処理工程で、十分な中和とすすぎが行われていることを確認する。
◎蒸気滅菌にはEN 285またはEN 13060 Appendix Cで定められた水質の水を用いる。
リスク評価
表面的な影響だけで、腐食はない。衛生的なリスクはなし。
器材のレーザーマーキングは、酸性洗浄剤の処理で影響を受ける(漂白される)ことがある。
ラベルが読み取り難くなり識別機能が損なわれ、全く読み取れなくなる場合がある。

参考文献 歯科用器材の再生処理 器材の性能を長期間維持するために

表面の変化、付着物、腐食、劣化、膨潤および応力腐食割れ(2)

2018-09-22 22:51:15 | 医学情報
こんにちは
東京マイクロスコープ顕微鏡歯科アシスタントakiです🌷

久しぶりに今日も、表面の変化、付着物、腐食、劣化、膨潤および応力腐食割れについてお話をしたいと思います。

金属/付着物-プロセスケミカルズの残渣
残留の範囲・器材の種類および表面の品質により、濃淡に色分けされた灰色の沈着物の変色が見られる。なお、滅菌処理を行うことで、より明確に見つけやすくなる。

表面変化の種類


発生原因
処理剤が、中間すすぎ、または最終すすぎで十分に除去されていない(水流が到達していない部分の存在または不適切な積載)。
推奨する処理方法
◎リントフリークロス(不織布)による拭き取り
◎器材製造業者の推奨する専用の酸性洗浄剤による処理
予防対策
完全脱イオン水を用いて正しく器材を並べて十分な中間すすぎまたは最終すすぎを行う。分解および洗浄に関しては、製造業者の取扱説明書を遵守すること。
リスク評価
他の項で説明されているようにプロセスケミカルズの残留によっても、変色することがある。

金属/付着物-硬度成分により生じた斑点
表面変化の種類


乳白色から灰色を呈する着色/変色で、条件により器材の表面(またはウォッシャーディスインフェクターの内壁)の広範囲にわたり、境界の明確な特異な形状の斑点がみられる。
発生原因
洗浄工程または最終すすぎでの用水に含まれる硬度成分(カルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分)。
推奨する処理方法
◎リントフリークロス(不織布)による拭き取り
◎器材製造業者の推奨する専用の酸性洗浄剤による処理
予防対策
◎洗浄工程と中間すすぎ工程に、軟水化処理した水を使用する。
◎機械洗浄時での発生防止対策として、最終すすぎには完全脱イオン水を使用することが望ましい。
リスク評価
◎表面的な影響のみで、腐食ではない。


参考文献 歯科用器材の再生処理 器材の性能を長期間維持するために

表面の変化、付着物、腐食、劣化、膨潤および応力腐食割れ(1)

2018-08-29 13:28:42 | 医学情報

こんにちは
東京マイクロスコープ顕微鏡歯科アシスタントakiです🌷

今日は表面の変化、付着物、腐食、劣化、膨潤および応力腐食割れについてお話をしたいと思います。

金属/付着物ー有機物残渣
多くの医療機器には長期にわたる日常的使用において、化学的・加熱的および物理的ショックにより表面変化が生じる。これらの表面変化が通常の使用に直接起因しない場合には、再生処理工程が原因であると考えられる。表面変化が生じた際には、以下のような手順で除去および表面の損傷発生を避けるようなシステムの実施が望ましい。

◎ 本質・発生源・原因の特定
◎危険性評価
◎必要に応じて、製造業者の推奨事項に従い、変化した部分の修復を行う。
◎再発防止のために適切な予防対策をとり、次に器材の取り扱い工程全体のバリデーションを行う。

故障が発生した製品の再加工や修理は、変化の原因が特定され、なおかつ適切な対策処置がとられた場合にのみ有用である。
下記の例はすべて、上記の4つのステップに基づいて成り立っている。これらはステンレス鋼製器材とプラスチックやゴム製品に、頻繁に見られる表面変化の例である。



発生原因
錆あるいは血液色を呈する沈着物が見られることが多い。
処置により発生する血液や蛋白質などに含まれる塩分や薬品の残留により、使用直後から発生する。

◎処置使用後、再処置までに時間を要したことによる乾燥残留物
◎不適切な消毒液の使用
◎汚れた洗浄剤や消毒剤の使用
◎処理後のすすぎが不十分
◎超音波洗浄において洗浄効果が及ばない為に洗浄不良の部位が存在
◎不適切なメンテナンスやウォッシャーディスインフェクターでの処理
◎最初の給水サイクルにおいて、45℃以上の高温すぎる給水による固着
◎効果的でないすすぎ(器材の表面および内部へのすすぎ圧不足および到達していない部分の存在)
◎超音波洗浄槽あるいは浸漬槽から、多くの血液、洗浄剤、消毒剤等が洗浄機にもちこされたことにより発泡し、それによる洗浄効果の低下
◎不適切な器材の容器やトレーを用いた積載や過積載
◎分解可能な器材であるにもかかわらず適切に分解していない、ヒンジのある器材を閉じた状態で処理した、または設置位置が不適切であるため、洗浄効果が不十分
推奨する処理方法
◎十分な洗浄
◎浸漬槽の定期的な交換
◎超音波を用い、再洗浄を行う。
◎汚染部分を見極め、再度、用手洗浄する。
◎3%過酸化水素溶液中への浸漬(約5分間)
予防対策
◎処置後、食塩水などの表面上の付着した汚染物は直ちに除去する。
◎乾燥または固着の原因物質を排除する。
◎処置終了時から洗浄までの放置時間を短縮することにより、乾燥を最小限にする(6時間未満)
◎湿式搬送処理においては、アルデヒド化合物とアルコールを含まない適切な消毒液を使用する。
◎冷水を用いた予備すすぎを行う。
◎ウォッシャーディスインフェクターのプログラムの適正化を行う。
リスク評価
◎衛生面でのリスクー患者への感染の危険性。例えば、血液のように高濃度の塩素イオンを含有するものは、ステンレス銅でさえも腐食させる可能性がある。

参考文献 歯科用器材の再生処理 器材の性能を長期間維持するために

保管

2018-08-26 13:33:55 | 医学情報
こんにちは
東京マイクロスコープ顕微鏡歯科アシスタントakiです🌷

今日は保管についてお話をしたいと思います。

滅菌されていない器材の保管
悪条件下で保管した器材は腐食する場合がある。
これを防ぐには、乾燥した無塵の条件で保管しなければならない。大幅な温度変動は器材の表面に水分を凝縮させるため、さけなければならない。
化学薬品が金属に直接接触すると、金属を破壊したり腐食性蒸気を出したりすることがある。器材は決して化学薬品の近くに保管してはならない!

器材の保管は、器材同士が傷つかないように整理しておくこと。作業者が受傷する危険性を低減し、施設内で分かるような適切なシステムを利用しなければならない。病原体に対するさらなる防護には、専用の保管システムが望ましい。

滅菌済み器材の保管
患者への使用時まで器材の無菌性を保証するために、絶対に耐微生物包装が必要である。滅菌物を保護状態で保管し、腐食による損傷を防止するためのそれ以外の要件は、無塵で乾燥した環境と温度変動の防止である。この条件であれば6ヶ月間(またはそれ以上)保管できる。

滅菌した軟性内視鏡を正しく保管するには、そのシャフトをよじれさせず、十分大きなループ状態で保管する必要がある。滅菌ガス等のエアレーション後の物品は、再汚染を防ぐために密閉したキャビネットの中で保管するとよい。

参考文献 歯科用器材の再生処理 器材の性能を長期間維持するために