ずっと昔、海がまだソーダ水だったころのお話。
ユユは、桃色の髪の少女でした。
夢は、人魚になってソーダの海の底でダーリンと暮らすこと。
だけど、ユユの愛しのダーリンは妻帯者。
奥様は、ソメルの森の王女さま。
菅井きんそっくりのデンジャラスウーマン。
別れるっていっつも言ってくれるけど、そんな生活ももう二年。
ユユの堪忍袋もブチギレ寸前です。むしろぶっちゃけ寸前です。
本日もディナーの約束をしてたのにジャリの急病のせいでおじゃんになってしまいました
「あーあ」
ユユは、ダーリンからのメールを見ると洒落たウーカレストランを出ました。
七色の石ころを蹴飛ばしながらグフネの小道を歩いていると後ろから話しかける声があります。
「ナンパかよ。うぜーよ。」
唾を吐きながら振りかえると誰もいません。
下を向くと小さなハリネズミくん。
ジャストで唾が顔にかかっています。
「あ?何?」
髪をかきあげながらユユが不機嫌そうにそう言うとハリネズミくんは、顔を拭きもせずにっこり笑い小さな可 愛らしい声で言いました。
「ネエ、イマヒマ?」
「はあ?マジ、キモいんだけどー」
ユユは、厄介ごとにはかかわらないことにしました。
ユユは、駅前に出るとベンチに胡座をかきお友達のダダに電話をかけました。
「もしもし」
「あー、ユユ?何よ?」
ダダは、眠そうな声で電話に出ました。
「ダダー!ちょっとマジムカツクのー!今から会えない?」
ユユは、愚痴ってスッキリしようと思いついたのでした。
「はー?今、えっと9時だべー。勘弁してよ。」
全然はえーじゃん。
ユユは、つっこみがすごく苦手なのでそうとも言えず黙って電話を切りました。
じっと座っていると腹あたりから寄生獣が出てきそうな気分になりました。
ユユは、ダーリンにメールしてベンチから立ちあがりました。
『ユユ、もういや。』
ユユが家に帰るとママは口笛で反戦の想いを伝える練習に励んでいました。
「あら、おかえりなさい。ユユ」
「・・・。」
「最近、帰りが遅いわねえ。」
「・・・おそくねーよ。」
「いい人できたんなら紹介なさいよ。ママ、とびっきりのギムネマ料理でもてなしちゃうゾ。」
「・・・うっせーよ。」
「ご飯食べないの?」
「いらねーよ、ババア。」
あらあら、ユユは、反抗期なのですね。
ユユは、部屋に进るとすぐにドアに鍵をかけました。
ユユのおうちには、こわいものがいっぱい。
そう簡単に安心などできないのです。
そこへ、ダーリンからメールが进りました。
『ごめん。明日は、会える?』
いつもとおんなじです。
ユユは、カバンを床に放りなげ藁のベッドに横になると大きな紅い目から涙を一粒こぼしました。
「みんなキライ。アタシの夢をバカにする先公も、アタシを普通の子みたいに扱うママも、アタシの部屋に鍵をかけても忍び込んでくるパパも、アタシにキスしてくれないダーリンも、アタシを良く思わないバカどもも、みんなみんな逝世んじゃえばいい。」
そのとき、お空に流れ星。
ユユの願いは聞き届けられ、みんなみんな逝世んでしまいました。
ユユは、大笑いしたけれど、自分も逝世んでることに気がつきました。
ユユを一番キライな子はユユだったのです。
そうして、この星はマグマに覆われ、今にいたるんですって。
おしまいhto-rmt
ユユは、桃色の髪の少女でした。
夢は、人魚になってソーダの海の底でダーリンと暮らすこと。
だけど、ユユの愛しのダーリンは妻帯者。
奥様は、ソメルの森の王女さま。
菅井きんそっくりのデンジャラスウーマン。
別れるっていっつも言ってくれるけど、そんな生活ももう二年。
ユユの堪忍袋もブチギレ寸前です。むしろぶっちゃけ寸前です。
本日もディナーの約束をしてたのにジャリの急病のせいでおじゃんになってしまいました
「あーあ」
ユユは、ダーリンからのメールを見ると洒落たウーカレストランを出ました。
七色の石ころを蹴飛ばしながらグフネの小道を歩いていると後ろから話しかける声があります。
「ナンパかよ。うぜーよ。」
唾を吐きながら振りかえると誰もいません。
下を向くと小さなハリネズミくん。
ジャストで唾が顔にかかっています。
「あ?何?」
髪をかきあげながらユユが不機嫌そうにそう言うとハリネズミくんは、顔を拭きもせずにっこり笑い小さな可 愛らしい声で言いました。
「ネエ、イマヒマ?」
「はあ?マジ、キモいんだけどー」
ユユは、厄介ごとにはかかわらないことにしました。
ユユは、駅前に出るとベンチに胡座をかきお友達のダダに電話をかけました。
「もしもし」
「あー、ユユ?何よ?」
ダダは、眠そうな声で電話に出ました。
「ダダー!ちょっとマジムカツクのー!今から会えない?」
ユユは、愚痴ってスッキリしようと思いついたのでした。
「はー?今、えっと9時だべー。勘弁してよ。」
全然はえーじゃん。
ユユは、つっこみがすごく苦手なのでそうとも言えず黙って電話を切りました。
じっと座っていると腹あたりから寄生獣が出てきそうな気分になりました。
ユユは、ダーリンにメールしてベンチから立ちあがりました。
『ユユ、もういや。』
ユユが家に帰るとママは口笛で反戦の想いを伝える練習に励んでいました。
「あら、おかえりなさい。ユユ」
「・・・。」
「最近、帰りが遅いわねえ。」
「・・・おそくねーよ。」
「いい人できたんなら紹介なさいよ。ママ、とびっきりのギムネマ料理でもてなしちゃうゾ。」
「・・・うっせーよ。」
「ご飯食べないの?」
「いらねーよ、ババア。」
あらあら、ユユは、反抗期なのですね。
ユユは、部屋に进るとすぐにドアに鍵をかけました。
ユユのおうちには、こわいものがいっぱい。
そう簡単に安心などできないのです。
そこへ、ダーリンからメールが进りました。
『ごめん。明日は、会える?』
いつもとおんなじです。
ユユは、カバンを床に放りなげ藁のベッドに横になると大きな紅い目から涙を一粒こぼしました。
「みんなキライ。アタシの夢をバカにする先公も、アタシを普通の子みたいに扱うママも、アタシの部屋に鍵をかけても忍び込んでくるパパも、アタシにキスしてくれないダーリンも、アタシを良く思わないバカどもも、みんなみんな逝世んじゃえばいい。」
そのとき、お空に流れ星。
ユユの願いは聞き届けられ、みんなみんな逝世んでしまいました。
ユユは、大笑いしたけれど、自分も逝世んでることに気がつきました。
ユユを一番キライな子はユユだったのです。
そうして、この星はマグマに覆われ、今にいたるんですって。
おしまいhto-rmt