松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆基礎自治体としての都道府県(本郷台)

2016-07-03 | 1.研究活動

 神奈川県市町村職員研究会の第2回は、報告書の展開を考えた。

 ポイントは逆委譲である。地方分権で、国、県、市と権限が下りてきたが、市の権限の一部を県に委譲する道が必要ではないか。その事務の内容や法的裏付け等を考えてみようというものである。

 事例として、奈良県モデル等を参考にしている。それを読んだ感想としては、神奈川県は、実に紳士的で控えめな自治体というのが印象である。もともとスマートな土地柄に加え、横浜、川崎、相模原という政令都市を持つことで、後のほうから見守るという習性が身についたのだろうか。

 地方自治法では、市町村が基礎自治体とされ、都道府県は、その残余を担うという構成になっている。神奈川県は、その地方自治法のスタンスを忠実に実現しているのだろう。

 しかし、この研究会では、そうした県のスタンスに変更を迫るものである。大きな方向性としては、
・横浜などの指定都市にゆだねる部分は、極力省力化し、力の多くをそれ以外の地域に注力すること(具体的には、県西地区に副知事を常駐させ、それ以外の地域の行政を強力に推進することなど)
・指定都市以外の地域では、例えば、県西地区の行政センター+その地域の自治体の総計といった戦力で、地域の課題に当たること(つまり、県もその部分では、基礎自治体としての役割を担うこと)
・県に逆委譲するにあたっては、市町村も相応の人や予算を出すこと。この人材交流は、市町村職員も普段考えないテーマを担当するので、実践的な研修になる、また人的交流も進むことになる。

 県も基礎自治体(と同じ)というと、そもそも地方自治法はとか、地方分権ではといった反論が戻ってくるが、大事なのは、市町村や県のあり方が先にあるわけではなく、地域の政策課題を実践的に解決することである。そこから立論すると、いろいろなことがあり、それを考えてみようというものである。

 引き続き、がんばろう。

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