松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆『若者をまちづくりに巻き込むための政策立案ハンドブック』の書評から

2022-11-01 | 若者参画政策
 第一法規の『政策法務Facilitator」76号』に、今井さんが、『若者をまちづくりに巻き込むための政策立案ハンドブック』(第一法規)の書評を書いてくれた。力の入った書評で、感謝。

 そのまま転載したい。


 著者は政策課題として若者参画の重要性が広く認識される前から各地で実践を積み重ね、まさに若者参画政策のパイオニアとして、多くの関連書を執筆してきている。

 今回その集大成を「ハンドブック」という形で、日々現場で奮闘する担当者向けの実用書としたことは、著者が政策起業家として最もやりたかったことだと思う。

 本書は実用書だけあって、徹頭徹尾、実務者目線で書かれている。政策立案~実施の各場面場面で担当者が抱く疑問や不安に寄り添い、見逃しがちだが重要な視点・論点を押さえた目次構成になっているので、読者は関心や悩みに合った標題から読み始めても良いだろう。基本的な若者参画の必要性に関する背景整理や理論的位置付けとともに、課題山積、財政難の渦中で「どう上を説得し、どう組織を動かすか」という難問への対応も含めて、かゆいところに手が届いた内容となっている。

 そして本書の真骨頂は、著者自身が関わった事例をはじめ厳選された最新事例のプロセスの詳細解説にある。特に成功要因としての担当者・関係者の動きや考え方をわかりやすく解きほぐしているので、読者は自分達が現場で取り組む上での有用なヒントを得られるだけでなく、共通する思いに親近感を覚えることと思う。随所に挿入されている図表、写真もよく見て欲しい。庁内向け・住民向け資料の作り方や若者参画の場づくりのイメージなど、いざ実務に向かう際に役立つはずだ。

 国でも最近、「こども政策決定過程におけるこどもの意見反映プロセスの在り方に関する検討委員会」を設置し、こども政策の当事者参加に関する本格的な検討を開始した。ほどなく対象は「若者」にも広がるであろうし、こども・若者との協働のまちづくりの施策が自治体の標準装備となる日は思いのほか近いのではないか。

 本書を読むうちに、自分のまちで若者参画政策への一歩を早く踏み出したい欲求がわき上がってくると思う。もしあなたが、若者参画の考え方・進め方についての疑問や悩み、さらに知りたいこと、温めている企画などをお持ちならば、著者にメールなどで直接尋ねてみることをお勧めしたい(「松下啓一 ブログ」で検索)。気さくに、しかも真摯に相談に乗ってもらえるだろう。
(協働ファシリテーター・政策起業家/今井邦人)
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