松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆過分な推薦理由(白岡市)追加

2021-07-08 | 審議会の作法
 たいていの委員会規則では、会長の選出は、委員の互選によるとなっている。

 会長が決まるまで、暫時、役所の部長(課長)さんが司会をやる。課長さんがやる場合が多いように思うが、白岡市では部長さんがやっていた。

 司会が、「規則では、会長は互選によるとなっています」といい、「どなたか、推薦はありますか」的な、質問をする。

 多くの場合、この発声者は、話が分る人で、頼みやすい人に頼んでいる。この役所に頼まれた誰かが、「この分野の専門である〇〇さん」といった簡単な説明を加えて、〇〇さんを推薦します」と言う。

 司会が、「〇〇さんを会長さんにという意見がありましたが、いかがですか」というと、ややワンテンポ遅れて、数名が「賛成です」という声が出て、それで会長職が決まる。声を出さない人もいるが、その人を良く知らないから、実際、推薦のしようがない。

 慣れた人がいると、すぐに拍手をするので、つられて全員が拍手をすることになる。この拍手で、全員合意となる。会長選出では、この拍手が、ポイントである。

 長い間やっていて、「異議あり」という声が出たのが1回ある。これが相模原市南区の区民会議だった。この顚末については、すでに書いたと思う。

 役所が事前に誰かに声出しを頼んでいないケースもあった。この場合、委員にとっては、誰を会長にとは軽々に言えない。多くの場合、事前に決まっているはずだし、ここで、勝手に誰かを推薦するような人は、委員に選ばれない。いいか悪いかは別にして、大人の分別だと思う。

 この場合、しばらく沈黙が続いた後、ようやく誰かが「事務局はどう考えているのか」という声が出て、それで、事務局から「〇〇さんを」という声が出て、会長が決まる。

 私ならば、とっさに、「事務局どうなの」と聞くが、私が会長になる予定なので、しゃしゃり出るのもおかしい。そのときは、これで他の人が会長になったら、しめたものという、思いも少しあったのだと思う。沈黙が、ずいぶんと長く続くが、いたたまれなかった時間である。

 さて、今回の白岡市の行政評価委員会の会長推薦であるが、銀行員のYさんが、この発声を頼まれた。ポジション的にも適任だし、頼みやすい人柄というのもある。

 興味深かったのは推薦理由である。メモ紙を出して、私が、なぜ会長に向いているのかを説明し始めた。どのくらい話したのだろうか、2,3分は、話したと思えるくらい、長い推薦理由だった。最後に「強く推薦する」という、まとめも印象的だった。

 おそらく、役所が推薦理由をメモして渡すことはないので、ご自分で、調べ、自分の考えをまとめたのではないかと考えた。長い間、この仕事をしているが、考えてみたら、ほかの委員さんの了解を得られるように、思いを込めて推薦理由を述べる。これが本道なのだと思う。

 聞きながら、この推薦理由メモは、役所がメモを書いたのかとも思ったところもある。そうだとしたら、推薦の声を出す人に、事前レクチャーするという新方式である。このあたりについては、今度、役所に行ったら、聞いてみようと思う。

(追加)
 長文の力のこもった推薦理由は、Yさんが、自ら調べ、書いたものだというのが、改めて、分かった。Yさんが書き、役所に、経歴等に記載に誤りがないかを確認したとのことである。ありがたいことである。

 これが会長の推薦方式の本道だとしたら、役所側も声出しを依頼するときは、それなりのメモを書いて、「こんな方なので」と、依頼するのが、丁寧だし、正しいということになるのだろう。

 まさに、多様な意見・やり方の中にこそ、改良や新しい発見の元があるということなのだろう。勉強になった。
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