(2009.11.11)
22年度も審査委員会のメンバーとなった。ヒアリングと審査の2日間にわたった。
メンバーは、市民委員のTさんのほか、窪田副市長さん以下、気心が知れたメンバーであるので、実質的でいい審査になった。
審査を終えて、今年で2年目になったので、みんなで、協働提案事業のあり方を考えることにした。
前向きないい意見がたくさん出たが、ここでは私が感じたことをメモしておこう。
1.協働提案事業は、市民活動を育てるという面では意義があり、そのためには提案をできるかぎり、肯定的に捉えるべきだろう。他方、税金の使い道という観点からは、甘すぎないかという問題もある。担当課にとって見れば、もっとやりたい事業があるのに、そちらはこのご時勢でちっとも予算がつかず、他方、協働事業と銘打てば、予算がつくという矛盾を抱えることになる。そのせめぎあいのなかで、落ち着きどころをどこに求めるかである。
2.1の別の側面になるが、提案事業が、どの程度、社会に還元されるかというツメが甘い点である。興味深いが一過性というのでは、せっかく協働事業をやる意味が乏しい。そんな事業が目立つようになった。
3.以上の問題は、提案された事業をどのようにブラッシュアップしていくのかという仕組みとも関連する。すでに行われている事業に、屋上屋を架すような事業が出てきた場合、それをどこで、誰が、交通整理するのかという問題でもある。全市的な目配りが必要ななかで、これを協働の相手方に担当課に期待するのは、難しいだろう。審査会が、早い段階でかむのか、それとも協働コーディネーターのような専門家を養成するのか、考えどころである。
4.ボランティアとのバランスという問題も、早晩、顕在化してこよう。これまで、たくさんの人たちが、ボランティアでまちを作ってきた。そこに、あとから、NPOが出てきて、市から補助をもらって、これまでの取り組みの到らないところを指摘して、提案する。これでは、これまでボランティアでがんばってきた人が、報われないという指摘である。いろいろ理屈はあるかもしれないが、やはり、おかしいというのは、もっともな気持ちである。協働事業が、下手をすると、これまで汗をかいてきた人のやる気を削ぎ、ボランティアの積みあげを壊してしまうのではないかという心配である。
これらのポイントは、提案された協働事業の公共性、社会性、そして事業性の問題なのだろう。これらをどのように担保するのかという問題でもある。再度、原点を見つめるときになったということであろうか。
この日は、その後、仙台にいくので、武蔵野線の新小平駅まで,Tさんに車で送ってもらった。小平は、小さな町であるが、たくさんの駅がある町でもある。
(2009.11.4)
小平市の市民協働提案事業の委員会に参加した。なぜ私が小平市なのかという疑問がでるだろうが、それはNOMAの研修で一緒になったKさんとのつながりからである(たいていはそうした関係で委員等になっている)。
協働提案事業は、市民の思いを行政がサポートするという側面があるが(これまでできなかったことが、この制度によってできるようになったという声をよく聞く)、他方、あくまでも行政のエリア内での「協働」という限界がある(詳細は『市民協働の考え方・つくり方』を参照)。行政の限界は、主に①公共性、②法治主義がポイントになるが、今回の委員会では、②の法治主義を考えることになった。
法律の規律密度が高い日本では、法律の網がかからないものはほとんどないことから、法治主義を形式的にとらえると、自治体が動ける範囲は大幅に小さくなる。それを乗り越えるのが、地方分権=政策法務であるが、「法律の限界」を超える理論と心意気が、全自治体の横溢しているかというと、そういう訳ではない。とりわけ、誤ったコンプライアンス論が喧伝されている中で(リスクが職員個人に被せられる傾向があるなかで)、これを乗り越えるのは容易ではないと思う。
私たち第三者の役割は、法を乗り越える試み=地方分権の具体化を後押しすることになるが、対岸からの議論であり(リスクをとらない位置からの意見であることから)、無責任にならないように、さまざまに配慮をめぐらせて、意見を言うべきだろう。
委員会の審査事項(途中)であるので、詳細を述べるのは差し控えて論じているので、「なんのこっちゃ」と思うかもしれないが、安逸に流れないように、自らを律する意味で、書いてみた。
昨日の学園祭では、一緒に自治基本条例を考えた上田市民の人たちが、来てくれた。一緒に上田りんごと大根を配った(りんごをひとつ頂いて家で食べてみた。私の木のりんごとはまた一味違っておいしかった)。来年は、「地域連携講座」(3年生、後期)を受け持つので、上田市をテーマにしようと考えている。また、学園祭のなかで、この地域連携を正式に位置づけよう。ごくろうさまでした。
22年度も審査委員会のメンバーとなった。ヒアリングと審査の2日間にわたった。
メンバーは、市民委員のTさんのほか、窪田副市長さん以下、気心が知れたメンバーであるので、実質的でいい審査になった。
審査を終えて、今年で2年目になったので、みんなで、協働提案事業のあり方を考えることにした。
前向きないい意見がたくさん出たが、ここでは私が感じたことをメモしておこう。
1.協働提案事業は、市民活動を育てるという面では意義があり、そのためには提案をできるかぎり、肯定的に捉えるべきだろう。他方、税金の使い道という観点からは、甘すぎないかという問題もある。担当課にとって見れば、もっとやりたい事業があるのに、そちらはこのご時勢でちっとも予算がつかず、他方、協働事業と銘打てば、予算がつくという矛盾を抱えることになる。そのせめぎあいのなかで、落ち着きどころをどこに求めるかである。
2.1の別の側面になるが、提案事業が、どの程度、社会に還元されるかというツメが甘い点である。興味深いが一過性というのでは、せっかく協働事業をやる意味が乏しい。そんな事業が目立つようになった。
3.以上の問題は、提案された事業をどのようにブラッシュアップしていくのかという仕組みとも関連する。すでに行われている事業に、屋上屋を架すような事業が出てきた場合、それをどこで、誰が、交通整理するのかという問題でもある。全市的な目配りが必要ななかで、これを協働の相手方に担当課に期待するのは、難しいだろう。審査会が、早い段階でかむのか、それとも協働コーディネーターのような専門家を養成するのか、考えどころである。
4.ボランティアとのバランスという問題も、早晩、顕在化してこよう。これまで、たくさんの人たちが、ボランティアでまちを作ってきた。そこに、あとから、NPOが出てきて、市から補助をもらって、これまでの取り組みの到らないところを指摘して、提案する。これでは、これまでボランティアでがんばってきた人が、報われないという指摘である。いろいろ理屈はあるかもしれないが、やはり、おかしいというのは、もっともな気持ちである。協働事業が、下手をすると、これまで汗をかいてきた人のやる気を削ぎ、ボランティアの積みあげを壊してしまうのではないかという心配である。
これらのポイントは、提案された協働事業の公共性、社会性、そして事業性の問題なのだろう。これらをどのように担保するのかという問題でもある。再度、原点を見つめるときになったということであろうか。
この日は、その後、仙台にいくので、武蔵野線の新小平駅まで,Tさんに車で送ってもらった。小平は、小さな町であるが、たくさんの駅がある町でもある。
(2009.11.4)
小平市の市民協働提案事業の委員会に参加した。なぜ私が小平市なのかという疑問がでるだろうが、それはNOMAの研修で一緒になったKさんとのつながりからである(たいていはそうした関係で委員等になっている)。
協働提案事業は、市民の思いを行政がサポートするという側面があるが(これまでできなかったことが、この制度によってできるようになったという声をよく聞く)、他方、あくまでも行政のエリア内での「協働」という限界がある(詳細は『市民協働の考え方・つくり方』を参照)。行政の限界は、主に①公共性、②法治主義がポイントになるが、今回の委員会では、②の法治主義を考えることになった。
法律の規律密度が高い日本では、法律の網がかからないものはほとんどないことから、法治主義を形式的にとらえると、自治体が動ける範囲は大幅に小さくなる。それを乗り越えるのが、地方分権=政策法務であるが、「法律の限界」を超える理論と心意気が、全自治体の横溢しているかというと、そういう訳ではない。とりわけ、誤ったコンプライアンス論が喧伝されている中で(リスクが職員個人に被せられる傾向があるなかで)、これを乗り越えるのは容易ではないと思う。
私たち第三者の役割は、法を乗り越える試み=地方分権の具体化を後押しすることになるが、対岸からの議論であり(リスクをとらない位置からの意見であることから)、無責任にならないように、さまざまに配慮をめぐらせて、意見を言うべきだろう。
委員会の審査事項(途中)であるので、詳細を述べるのは差し控えて論じているので、「なんのこっちゃ」と思うかもしれないが、安逸に流れないように、自らを律する意味で、書いてみた。
昨日の学園祭では、一緒に自治基本条例を考えた上田市民の人たちが、来てくれた。一緒に上田りんごと大根を配った(りんごをひとつ頂いて家で食べてみた。私の木のりんごとはまた一味違っておいしかった)。来年は、「地域連携講座」(3年生、後期)を受け持つので、上田市をテーマにしようと考えている。また、学園祭のなかで、この地域連携を正式に位置づけよう。ごくろうさまでした。
私も一ついただき、反則かもしれませんが、半分、なべに入れて食べました。残りの半分は、明朝、サラダで食べます。来年は、上田の店を出しましょう。ゼミ生も手伝います。