1年生の必修科目に、「地域で学ぶ社会の仕組み」というのがある。相模女子大学は、地域連携全国女子大全国NO1を5年連続で続けているが、とりわけ社マネの学生は、必ず、地域にでかけ、地域連携の体験をするという授業である。
今年は、メニュ-は3つあり、三重県の熊野市、新潟県の津南町、静岡県の焼津市である。私の担当は、焼津市である。
焼津市では、毎年、海の日の前の日曜日、今年は7月17日の日曜日に踊夏祭というお祭りがあり、そこに学生たちが参加している(ちなみに、この日は、毎年、政策法務の研究会が開かれるが、そんなことで、私は毎年参加できない)。
焼津市は、大学からだと2時間あれば簡単に行ける。行きやすいのであるが、実は毎年、人気がない。昨年は、肝心の1年生の参加は2名だけだった。ただ、私のゼミ生や焼津大好きといった学生で、参加するのは総勢20名位にはなる。母屋が少なく、庇のほうが多い感じである。
なぜ、1年生に人気がないか。それは焼津に行って、ファッションショーに参加するからである。これがイヤだという学生と、これが面白いという学生の両極端になるが、多くは、恥ずかしいといった理由で参加者が極端に少ないという結果になる。
ただ今回は、学科の事情で、焼津市で1年生だけで20名行ってもらうというノルマがあったので、ファッションショーのほうはあまり強調せず説明した。実際、1年生が20名参加すると、総勢で40名位になり、全員がファッションショーに出るのは、無理だと思う。
実は、この必修科目は、単に認定には、2日間必要なので、もう一つ、8月13日、14日にやる「子どものまち」もメニューに入れた。今年は、子どものまちサミット(全国大会)が、さがじょであり、その運営を私たちのゼミが手伝っている。こどものまち実行委員会の委員長と副委員長とも、私のゼミの3年生なので、今回の説明にも、2人に来てもらって、どんなものなのかを紹介をしてもらった。やはり、そこは学生同士、私の話よりも、さらに親近感を持ったようだ。
この2人は、1年生の基礎ゼミからの縁である。基礎ゼミは、1年生の前期のみで、しかもメンバーは機械的に振り分けられるので、私が2人の担当になったのはたまたまである。それが縁で、2人はブレークし、こどもまちづくりやその他のまちづくりに参加し、あちこちでリーダーをやっている。どちらかというと2名とも控えめな性格なので、なぜこんなにはまったのか、今のポジションに私自身、驚いている。もし、さがじょは入らなかったら、もし、私が担当でなかったら・・・、別の人生を送っていたと思う(むろん、別のほうが、幸せだったという可能性もある)。
何かの縁や偶然のなせる業ではあるが、この点、亀井勝一郎は、ある種の必然と言っている。亀井は、これを邂逅という。邂逅とはめぐり合いの意味であるが、めぐり合いは、めぐり合うべくめぐり合うというのである。私たちの周りに、めぐり合いの機会がたくさん流れてくる。それを受け止めるのは、めぐり合いたいという気持ちがあって、初めてそれを捕まえることができる。だから、めぐり合いは、ある種の必然だというのである。
ということは、私たちがすべきは、めぐり合いたいという気持ちを研ぎ澄ますことである。常に問題意識を持ち、柔軟に考えていくことが求められる。そうでないと、さまざまなめぐり合いのチャンスをみすみす逃すことになる。教員、研究者としての私の役割は、こうしためぐり合いがたくさんできるように、めぐり合いの機会を作り、多くの情報を発信していくことなのだと思う。