松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆正面から向き合わない政治(三浦半島)

2018-10-04 | 1.研究活動
 正面から向き合わない政治が目立つようになった。
 
 沖縄の知事選挙は、思いのほか大差がついた。自民党からは、大物がたくさん沖縄に行き、公明党からは、セミプロのような運動員が何千人単位で沖縄入りしたという。わが三浦半島の小泉進次郎さんも、3日間沖縄にいたそうだ。それでも大差がついた。

 私は選挙は素人なので、市民感覚でしか言えないが、中央から大挙してやってきて、物量に任せながら、「国際情勢では」とか、「地政学的には」、よそ者が言えば言うほど、地元の人は癪に障ると思う。そんなことは言われなくてもわかっている。国際情勢を踏まえて、あなたたちは自分たちに、どう寄り添ってくれるのかを、それを自分の言葉で語ってほしいと思っているのだろう。

 今回の自民党の候補は、基地問題には一切触れないということであるが、辺野古移転は、どのみち苦渋の選択なのだから、率直に、その苦渋の結果を語り、そのうえで、被害や心配を最大限減らすために、こんなことをやっていくと語っていたら、心に響くのではないか。

 それを隠したり、ごまかしたりするから、みすかされて不信を増幅することになった。選挙に勝つための方便で、要するに、当面がしのげればよいという心根が見透かされてしまったのだと思う。

 同じことは、移民政策でもそうである。最近では、安いチェーン店の飲み屋の店員は外国人だらけである。コンビニで働く外国人も目立つようになった。わが三浦半島では、ジムの受付も、大戸屋も、アメリカ人である。今でも、128万人の外国人が働いていて、政府は2025年までに、建設業などに50万人の外国人を入れるということである。

 政府は移民政策ではないと言い、5年で帰ってもらうということであるが、もともと産業界の要請であるから、仕事に慣れたベテランを帰国されるのはもったいないということになり、5年の限定では、いい人材は来ないということで、あっという間に、なし崩しになってしまうだろう。

 国として、移民政策ではないといって、正面から向き合わないので、きちんとした方針をつくる部署も担当者もおらず、気が付いてみたら、事実上の移民であふれているということになる。ヨーロッパではそれで失敗しているのを学んでいるのに、みすみす・・・。なんでやねん、である。

 むろん、私が考えるようなことは、与党野党を問わず、国会議員ならば、とっくに考えていると思うが、こうしたまっとうな議論が、議論の柱にならないところに、問題の本質はある。

 為政者は、国民のレベルに合わせていると思い、国民は政治家の劣化と思っているという社会は、不幸なことで、先行きがないのははっきりしている。今からでも、みんなが向き合わなければいけないテーマを設定し、まじめに議論する機会を作ってほしいと思う。
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