LiC通信

本の紹介を中心に、その時期に感じたこと思ったことを書いています。

スピリチュアルにハマる人、ハマらない人  香山リカ

2008年03月08日 | 社会科学

精神科医香山リカ。

医者のイメージを思わせないおしゃれで洗練された雰囲気を持つ。

何時も辛口の切り口で今の社会現象をズバズバ斬ってくる。

今回のスピリチュアル批判もどんな風に斬ってくるのか興味深々。

しかし、読んでみるとどうも歯切れが悪い。

そしてなかなか、なるほどと思わせるところに行き着かない。

どうしてだろうか?最後まで読み終えてもそれは変わらなかった。

何か消化不良を起こしたような後味の悪い読後感を覚える。

その答えは「あとがき」にあった。

 

「私はあくまでスピリチュアルにはまらないタイプだ」と断言しているにもかかわらず、「はまっている人に比べれば人生損をしているのかもしれない」と弱気の発言。

自分自身がなぜスピリチュアルなものにはまれない、はまりたくないのか。

 

「ただ、『人間の心を精神病理学的に考察する』と言うことは、『考えることや説明することをやめる』と言うこととは違う。

化学式や脳画像は使わないものの、『人間とはかくも不思議な存在です』と終わらせようとはせず、そういう症状や疾患が生じた背景や筋道を他の人と共有できる言葉で説明しようとする。

それに比べて、スピリチュアルには『見える人には見える』『理屈はともかく、とにかく霊がそう告げているのだ』と言われれば、それ以上、『ホント?』『なぜ?』と追求してはいけない雰囲気が有るような気がして、そのあたりが苦手意識の原因の一つかもしれない。」とのべている。

 

とても正直な人だ。

そう理屈ではなくて、あなたに見えなくても見える人が現存する。

そしてなぜだか解らないけど、「こうすればこうなる」と言う目には見えない法則のようなものが有る。

今までは、物質至上主義の時代は、そんなことを言おうものなら「あいつは頭がおかしい」と直ぐ排斥対象となり肩身の狭い思いをさせられてきた。

しかし物質至上主義、競争原理、資本主義、がかげりを見せ始め、

世の中このままではおかしくなってしまう、

どうにかしなければ!

と言う危機感から、今まで声にできなかった人たちまでが声を上げるようになってきただけのことである。

急にうまれたものでもない。

イギリスでのスピリチュアル研究は日本とは雲泥の差らしい。

 

目に見えないものは信じない、

科学的に」に証明されていないものは信じるに足らない。

これが「科学者」

では、科学とは何だろう。

科学は人間が考え出した一つの学問に過ぎない。

未だ見ぬ壮大な宇宙の全てをこの科学で解明できると思うのは科学者の驕りではないのか。

 今夜は彼女が最も胡散臭い人と思っている人たちの番組「オーラの泉」があった。

それを見ながら義母が言う「ほんまにこんなことわかるんやろか?ほんまやったら、一度私もみてほしいわ!」

そう、香山リカさん!あなたも一度番組に招かれてみては???

百聞は一見に如かず!

そんな勇気がありますか?

スピリチュアルにハマる人、ハマらない人 (幻冬舎新書)